飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

教師の教育観

2023年06月30日 08時49分12秒 | 教師論
通常、学級の中にいる大人は担任1人だ。
そのほかはすべて子どもたち。
この1人の大人が、30名の子どもたちの教育をする。
子どもたちは、基本的に担任の指示通りに動き、学習活動を行う。

複数の人間が集まって生活して、なおかつまだ発達の途中である子どもたちである。
毎日、喧嘩やいざこざが起きる。
もちろん、子どもたちだけで折り合いをつけられるときもあるが、そうでないときには教師が間に入って仲直りさせる。
また、教室内によくない行いや言動があれば、全体に対して指導もする。
その時に基準になるのは何か。
それはその1人の教師がこれまで培ってきた、教育観や人生観がもとになる。

この世には、絶対的な真理は存在しない。
絶対に正しいと言うことも、判断できない。
そんな中で、1人の人間が多くの子どもたちを指導するのである。
この重大な営みをしている自覚が、教師にはあるだろうか。
子どもの言い分もきかずに一方的に叱ることはないか。
自分の価値観だけを押しつけるようにことはしていないか。
いつも自分の心に問いかける必要がある。
人間が人間を指導するという崇高な理念と教育に対する畏れを教師はもっているだろうか。
いつも心にとめておかなければならないことだ。

教師は常に学び、研鑽する姿勢を忘れてはいけない。
知識を生業とするならば、年収の5%程度の本は買ってよむことは当たり前のこと。
子どもたちには読書をすすめているのに、自分は月に一冊も本を読まないようなことはないか。
身銭を切って、学びの場に参加しているか。
働き方改革が注目されてい中ではあるが、教職が専門職である以上避けては通れないことだ。

saitani


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教師が見逃してはいけないこと

2023年06月29日 08時34分08秒 | 学級経営
教室の中では様々なことが起きる。
良いことも悪いことも。
このことは当たり前のことであり不思議ではない。
ただ、その出来事を教師がどうとらえるかによって、学級の価値観や道徳観は大きく変わってくる。
教師に限らないが、人間は人の悪いところや欠点は何も意識しなくても気がつくし、むしろ気になって仕方がない。
逆に、周りにいる人間の長所や良いところは相当意識してみていないと気が付かない。

子どもたちの掃除の姿をみていればわかる。
サボっている子は、誰もでも気がつくが、黙々と仕事をしている子には意識がいきにくい。
授業中も同じである。
手いたずらをしている子やおしゃべりをしている子、きちんと姿勢を正して話を聞いている子は気がつくが、真面目に真剣に話を聞いている子は忘れがちだ。
学級の規律が乱れる要因は様々だが、当たり前を褒めない教師の姿勢も大きな要因だ。
当たり前に、行動している子、当たり前の話を聞いている子、当たり前のチャイム着席をしている子、こう言った子を褒めずに、できていない子を叱ったり注意ばかりする。
これをしていると真面目にやっている正統派の子どもたちは馬鹿らしくなるのである。
やがてこの子達はパレートの法則通り、下層の2割に迎合していくこととなる。

教室でよくあること。
例えば、給食の配膳中に一人がこぼしたときの子どもたちに行動。
1 責める
2 大丈夫と声をかける
3 大丈夫と声をかけ、こぼれたものをふく手伝いをする

3が一番いいが、1番をするようでは日頃学級経営を見直す必要がある。
なぜなら、仲間の失敗をカバーするのが学級であり、チームだからだ。
給食をこぼしたことは些細なことで、周りが一緒にふいてあげるという行動ができなかったことが問題だ。

すでに一線を退き、引退したが女子サッカー選手の澤穂希選手はこんなふうに言っている。

「一人が自分のミスだと落ち込んでいるようでは本当にチームとは言えない。
 一人のミスはみんなのミス。
 そういう場面を見るとまだチームが出来上がっていないと思う。」

秋から冬にかけて多くのクラスで取り組む長縄跳び。
そのときも誰かがひっかかる。
もちろん自分がふざけてひっかかるのは論外だか、その子がひっかかるのには原因がある。
その何人か前からタイミンがズレ始め、たまたまその子がひっかかったということも多くある。
それなら、その子の責任とは言えない。
「ドンマイ!次、頑張ろう」と声をかければいいのだ。
3分間飛びなら何度でもリスタートはできる。

作家のジョージ・エリオットは言う。

「過ちを『避難しすぎる』よりも『許しすぎる』方がずっと良い。
 『失敗』を『責める』よりも『許してあげる』方がずっと良い。」

子どもたちは叱る、怒ることによって改善されていくことは少ない。
教師が褒める方向に子どもたち進んでいく。

saitani


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子どもたちの行動レベル

2023年06月28日 07時51分41秒 | 学級経営
先生方は学級経営で何を大切に行っているのだろうか。
言い方や表現方法は様々あると思うが、結局次のようなことを中心にすえて指導を行っているのだと思う。

1 利他をふやす
2 リーダーをふやす
3 プラス言葉をふやす
4 友達同士認め合う
5 具体的なマイナス行動を理解する

では、これらの学級における現状はどうなっていて、自分はいまどのレベルなのか。
また、どこを目標に自分たちは生活していくべきなのか。
このことを明確に確定することも必要だ。

そこで、次のように子どもたちに問いかける。

私が、「整理整頓をしてね」と言ったら、そのレベルはどんなことが考えられますか。

レベル0 何もしていない、ひとまかせ(心が弱い)
レベル1 少しだけする。でも適当にしかやらない。(少し心が弱い)

レベル2 言われた通りきちんとする。(ふつう)
レベル3 机の中の整理整頓以外、ロッカーなどもする。(けっこう強い)
レベル4 自分が終わっても全員が終わるまで手伝う。(心が強いし、やさしい)

レベル5 いつも言われなくてもしている。(かなり強い)
レベル6 みんなに「こまかなところまでしっかりやろう」と呼びかけている。(かっこいい、すごすぎる)

私が目指しているのは、レベル6です。
みんなならきっとできます。

saitnai



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優しさを子どもたちに伝えるときに

2023年06月27日 06時56分09秒 | 学級経営
教師は教師で多くの話をする。
自分の場合、話というより語りと言ったほうがイメージがあう。
内容はともかくとして。
教室には統一された価値観が必要だ。
もちろん自由でいいこともたくさんあるが、普遍的な意味理解もしておかないと単なる抽象的な概念だけでは子どもたちは理解しない。
理解とは抽象と具体の往復よって深まっていくのである。

教師は子どもたちによく優しい人間になってほしいと言う。
では、どういう行動をすると優しいと思われるのか。
そのあたりは具体で示さない。
言わなくてもわかっているだろうということかもしれないが、ここが誤りの1つでもある。

こんな話を子供たちにする。

クラスの中で、最近とても優しいと思うようんな行動を取っている子がたくさんいます。
ともて、私は嬉しくなります。
その様子をみていて、気がついたことがあります。
それは、優しい人、いい人というのは共通点があるということです。
それは次のようなことです。

1 「ありがとう」の言葉がとくかく多い。
2 人を助けることを進んで行っている。回数などは関係なしにたくさん手伝う。
3 たいへんな仕事を自分から進んでやっている。
4 クラスを良くするためにイベントを企画し、実行している。
5 ちょっとしたことでも「ごめんね」が言える。
6 人をよく応援する、「がんばれ!」「いいね!」などの言葉が多い。
7 「それでいいんだよ。」「よく頑張っているね。」などの友だちを安心させる言葉が多い。
8 時間を必ず守る。遅れることがない。

これは簡単そうにみえて、意識しないとできないことです。
とくに最初は、相当頑張らないと行動に移せません。
さらに言えば、なぜ人はすごいなと思ったり、感動したりするのでしょう。
それは、大変なことを人のためにすることができる人の姿を見たからです。
そういう人は周りから信頼されます。

楽なことをしたり、何も考えずに行動したりして、人からの信頼は得られません。
人を助ける、ゴミを拾う、スリッパをそろえる、人をほめる、ちょっとしたことですが毎日続けていると当たり前になってきます。
人と比べる必要なありません。
昨日の自分より、ほんのちょっと努力するこが大事です。

saitani


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ごめんね、サルビアさん

2023年06月26日 14時18分33秒 | 道徳科
3年生道徳科に、「ごめんね、サルビアさん」という教材がある。
この教材のテーマは自然愛護。
D主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「自然愛護」
◯目標
自然の素晴らしさや不思議さを知り、自然や動植物を大切にすること。
となっている。

この展開を考えてみる。

1 設定を把握する。
(1)登場人物
・わたし(かおり)
・おかあさん

(2)場所
・園芸品店…サルビアを買う
・家   …みずやり

(3)時間
・5月…サルビアを買う 毎日水やり
・6月…サルビアのこと忘れる
・7月…サルビアの花が咲く 再び水やり 暑さのため水やりをやめる
・ある日の午後…サルビアの花がしおれている
・夏休みに入る…毎朝、水やり 花をまた咲かせている

2 わたしのサルビアに対する行動や気持ちの変化を把握する。

◯「わたし」はサルビアに対して最初はどう思っていましたか。
・「たいせつに育てよう。」…水やりを毎日して、観察していた。

◯次に、雨が多くなるとどうしましたか。
・「だんだんサルビアのようすを見に行かなくなりました。ときには、サルビアのことをわすれて遊びに行くこともありました。」…水やりがする必要がないので、サルビアを世話する思いが薄れていく。

◯さらに、季節が暑くなるとどうしなりましたか。
・「サルビアさん、今日も水やりは中止にさせてね。」
 「サルビアさん、明日は雨がふるかもしれないから、もう一日待ってね。」…サルビアから遠ざかる。

◯しおれたサルビアをみて、私はこう言っています。
 「わあ、ごめんなさい。」
 これは、サルビアに何を謝っているのですか。

・世話をしなかった自分の行動
・大切に育てると約束したのに、破ったことの重大さに気がついたから。
・世話をしなければならないのに言い訳をして水やりをしなかったずるさに。

3 価値の多様性を理解する。
◯人間には五感いわれるものがありますが、知っていますか。
 五感とは、人間にそなわっている五つの感覚のことです。

・目…視覚
・耳…聴覚
・鼻…嗅覚
・舌…味覚
・皮膚…触覚

 59ページ1行目に次のように書かれています。「わたしは、はじめて花の世話をするときにたいせつなことに気づきました。」では、これらのどのような感覚で「大切なこと」に気づいたのですか・
・目(視覚)…サルビアがしおれているのをみたから気がついたから。

●もし見ただけで、「たいせつなこと」に気がついたのなら。おかあさんの言葉がなくても、気がついたはずです。でも、私はその時点ではまだ気づいていません.

◯もう一度聞きます。では、なぜかおりさんは「たいせつなこと」に気づいたのですか。

・おかあさんの「お花の気持ちになって考えてごらんなさい。」という言葉で気がついた。
・心でサルビアの気持ちを考えたから。
・サルビアの気持ちを想像できたから。
・自分の心で感じようとしたから。

※ここで「心で感じたから」というなカテゴリーの言葉がでれば、次の発問は、子供に聞く必要なない。
教師が言葉を説明する形式で。

4 まとめ
◯次のカッコには、どんな言葉が入ると思いますか。

「大切なのは自然を知ることではなく、(◯◯◯)こと。」
・守る
・見る
・感じる
・学ぶ

●この◯◯◯には「感じる」が入ります。
 みなさんで読んでみましょう。
 「大切なのは、自然を知ることではなく、感じること。」

●これはレイチェル・カーソンという人の言葉です。
 レイチェル・カーソンは他にこんなことも言っています。

「『知る』ことは『感ずる』ことの半分も重要ではないと固く信じています。」
「見過ごしていた美しさに目をひらくひとつの方法は、自分自身に問いかけてみることです。」
「感動のないところに行動はない」

◯自然である、動物や植物などを大切にしていくには、どんな心が大切で、どんな行動が必要だと思いますか。
 ノートに書きましょう。
※キーワード 「感じる心」「行動(自分にできること)

・自然を大切にするには、まずいろんなことを知る必要があります。その知ったことを知識としてではなく、心で感じることが大事だと思います。その感じる心があれば、なにか自然を守る行動ができると思います。

・知っただけではだめで、心で自然の声を聞くことが大事だと思います。そして、自然をこわすようなことはしないようにしたいと思います。

5 教師の説話(※時間があれば)
●「知る」ことは多くの場合、人間が理解できていることを、また目・耳・鼻・口・皮膚で感じられるものを知識として知ることを指します。
しかし自然界に存在するもので、人間が解明できているものはごく僅かなものです。だから、知識として知り得ることにも限界があります。
地球上に存在する生き物だけでも、人間が確認できているのは1割ほどだと言われています。
人間にとって、まだまだ未知の領域ばかりが存在するのが自然界ですね
その未知の領域を開拓して知識としていくにも、感じ取れる能力が大切になります。
そして特に自然が何かを感じ取る能力は、非常に大切なものになります。
感じ取れるかどうかで、明らかに次への行動が違ってきます。
レイチェル・カーソンさんの言葉です。
「地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれたりすることは決してないでしょう。」

saitani

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あこがれの人

2023年06月25日 08時32分20秒 | 道徳科
3年生の道徳に「あこがれの人」という題材がある。
この内容項目は、「善悪の判断、自立、自由と責任」。
正しいと判断したことは、自信をもって行うこと。
内容項目的には、子どもたちの生活の身近にある話題ではある。

さとみにスポットをあてると、目標に向かってあきらめずに頑張ることが強調されるように思うが、少し視点をかえる。
善悪の判断や自立のためにはメンターが不可欠であるという考え方。
これは、生きていく上では絶対に必要なことだ。
善悪の判断をするとき、道をあやまらないようにするにはどうすべきかを考えさせたい。


1 通読する
◯あけみの行動に注意しながら聞きます。

2 内容を把握する
①登場人物
・あけみ…去年、郡上おどりジュニアに入る
・さとみ…郡上おどりジュニアの先輩 中学3年生
・友だち…買い物に誘う

②場所
・学校からの帰り道…友だちから買い物に誘われる
・家に向かって歩いているとき…先輩のさとみに出会う
・さとみと別れたあと…友だちの買い物の誘いを断る

③時間
・下校途中

3 判断の善悪
◇あけみは、最初迷っていましたが、何をまよっていたのですか?
・郡上おどりジュニアの練習に行くか、それとも、買い物に行くか

◇なぜ、迷うのですか。
・練習をさぼるのはよくないことだから。
・上手に歌うことができない、思うにように声をだすことができず、自分の思うような結果がでないので練習が面白くないから。

◆練習をさぼることは悪いことですか?
 悪くないと思う人は◯
 悪いと思う人は☓
 とノートに書きます。
 またその理由も考えます。
【悪い派】
・一度始めたことを途中で投げ出すことは自分のためにならない。
・親や郡上おどりジュニアの指導者に叱られるから。
・いやなことから逃げると弱い人間になる。
【悪くない派】
・時には気分転換も必要だから。
・用事があって休むことはあることだから、ちゃんと連絡すれば一度くらい悪くない。
・辞めるわけではなく、気持ちを変えるためだからよい。

4 自分の心を見つめる
◆あけみは、さとみに出会わなければ練習をさぼり、買い物に行ったと思いますか。
 練習をさぼり、買い物に行ったと考える人は◯
 出会わなかったとしても、買い物に行くことは断ったと考える人は☓
 とノートに書きます。

◯挙手で確認する。

◇自分がそう考えた理由をノートに書きます。
  時間は3分です。
 【出会わなければ買い物に行った派】
・思い直したのは、あけみの存在があったから。
・怠ける気持ちはいけないことだとさとみがいたからこそ感じ取ったから。
・練習から逃げたい気持ちは前からあったから。

 【出会わなくても買い物にはいかなかった派】
・練習自体はきらいではなかったので思い直して行く可能はあるから。
・買い物に行っても自分は買うものがないから。
・自分で始めたことは途中で投げ出したくないから。
※さとみとの出会いが大きな要因であったことを押さえる。

◇あけみは、さとみに出会うことにより、買い物を断わりました。
 あけみはさとみからどんなことを感じ取ったのでしょう。
 ノートに書きます。
 かけた人は見せにきなさい。
 ◯をもらった人は、ほかにどんなことを感じたのかを書きます。

・あけみならきっと上手になると励まされたから。
・あこがれの先輩の姿を思い出して、自分もああなりたいという気持ちを思い出したから。
・練習に根気よくつきあってくれたさとみに申し訳ないと思ったから。
・自分もいつかさとみのようになると心に決めた原点を思い出したから。

5 メンターの存在について考える
◇あけみの気持ちを変えたのは誰ですか。
 ・さとみ

◇あけみにとってさとみは、憧れの人であり、目指すべき人です。
 そういった人をもつということはどんないいことがありますか。
・自分がこうなりたいという具体的な姿をえがくことができる。
・自分が間違った判断をしたときに、忠告してくれる。
・自信を失ったときに、励ましてくれる。
・何かを迷ったときに、憧れの人だったらどういうふうに言うか、行動するかと考えることができる。

■このメンターにも大きく分けて二人の人がいます。
 一人は、目標として憧れている人。
 つまり、自分がなりたい姿を描くときに、大切なことに気づかせてくれたり、学ばせてくれたりする人です。
 この場合は、あったことがない人や有名人でもいいと思います。
 例えば、大谷翔平選手。
 彼は、自分の身の回りのことがすべて人間的な成長につながると考えています。
 だから、高校時代の監督の言葉を信じて、今でもゴミ拾いを続けています。
 ゴミは、人が落とした運だと言って、ゴミを拾っているんじゃない、運を拾っているんだと言っています。
 仲間が遊んでいるときも、一人練習に打ち込んでいます。
 そんな姿に先生も憧れます。

 もう一人は、君たち一人ひとりの身近にいて、良いところも悪いところも愛情をもって言ってくれる人です。
 学校の友だちでもお兄さん、お姉さんでもいいです。
 家族、親戚の人でもかまいません。
 大切なのは、君たちのことをよく理解してくれているかどうかです。
 自分と違った力を持っていて、自分と違った考え方をし、なおかつ、自分の得意なことや良いところを分ってくれているかどうかです。

■あけみはもし、同じことを他の先輩に言われても、考え方を変えなかったかもしれませんね。
 物事の善悪に迷ったときに、先生はこんなふうに考えます。
 「もし、ここに◯◯さん(あこがれの人)がいても、同じようにしたり、言ったりするだろうか。」
 「もし、◯◯さんだったら、こんなときにどんなふうに行動するだろうか。」

このように人に大きくよい影響を与えてくれる、あこがれの人、メンターを持つということは自分の人生を豊かにしてくれます。

saitani


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ふろしき

2023年06月24日 14時21分15秒 | 道徳科
3年生の道徳科の題材に「ふろしき」がある。
これは、伝統と文化の尊重がテーマである。
伝統文化を理解して、それをどう自分ごととしてとらえるか。
そこがポイントなる。

今回は、日本古来の伝統文化の良さを理解するために、あえて対比的に物事をとらえて、逆に対象を鮮明化するという意味でディベートの方式を取り入れてみた。
厳密にはディベートではないが、対決型討論という形をとった。

1 ふろしきの良いところを紹介した動画みる。
 
※子どもたちに風呂敷はあまりなじみがないと思われるので魅力を伝える動画視聴をする。

2 ディベート(対決型討論)の準備を行う
〇もし、学校にふろしきとランドセル、どちらで来てもよいとなったらあなたはどちらで登校しますか。
 ランドセルがいいと思う人は「ランドセル」、ふろしきがいいと思う人は「ふろしき」とノートに書きます。

 ※このあとの討論のために、約半数になることが望ましいが、3分の1程度でもよい。
  あまりに偏る場合は、機械的に半分に分けて討論を行う。

〇それぞれの立場で、優れている点、便利な点をできるだけたくさん書きましょう。
 3つ書けたら先生のところに持ってきます。
 〇をもらった人は、さらに良いところを書きます。
 ※異なる意見をホワイトボードに書かせて、黒板にはる。

〇ふろしき派のメリットを発表します。
【ふろしき派】
・大きさや形にとらわれない。
・包むという行為が丁寧さを感じる。
・プレゼントの時には包装紙がわりになる。
・使わないときには小さくたためる。
・軽くて持ち運びに便利。
・エコバックにもなる。
・災害時には、三角巾や包帯代わりになる。
・カラフルな色が楽しめる。
・安価で買える。
・日本古来の伝統がある物だから。

〇ランドセル派のメリットを発表します。
【ランドセル派】
・形がくずれない。
・みんながもっている。
・教科書やノートがおれたり、形が崩れたりしない。
・中に入っている物がぬれない。
・長持ちする。
・たくさんの物が入る。
・疲れない。

〇たくさんのメリット(良いところ)がでました。
 それぞれの立場で、とくにこれは優れた良いところだと考えることを3つ選んで手をあげます。

■それぞれの立場の良いところベスト3を挙手によって決める。

3 ディベート(対決型討論)を行う。
※通常のディベートでは、立論の柱は事前に知らせずに行うが、最初に示すことにより反論をしやすくする。
(例)※この項目の選択は学級の実態によって変わる。
〇「ランドセル派」の優れている点として選んだのは次の3つです。
① 頑丈で長く使える。
② 教科書やノートが雨に濡れない。
③ 疲れない

〇これらの理由に反論がある「ふろしき派」の人は言いましょう。
・①に対して……頑丈で強いと言うことは重いと言うことではありませんか。
・②に対して……風呂敷でも防水のものもあり、ぬれることはありません。
・③に対して……風呂敷でも、結び方を工夫すれば、肩全体で担ぐようになり、疲れません。

●「ふろしき派」の優れている点として選んだのは次の3つです。
・①大きさを選ばす包むことができる。
・② 持ち運びがコンパクトで便利である。
・③ スカーフや敷物にもなり、用途が多用である。

●これらの理由に反論がある「ランドセル派」の人は言いましょう。
・①に対して……大きさは選ばないが、布なのででこぼこして持ちにくい。
・②に対して……コンパクトさえゆえに収納するポケット等がない。
・③に対して……敷物はよいが、風呂敷をスカーフに使うのはおしゃれではない。

4 再度、ふろしきに関する意識を問う。
〇ふろしきとランドセルで討論を行いましが、自分の中で一番心に残った他の入れ物やバッグにはないふろしきの良い点は何ですか。
・日本の伝統文化を担ってきたものだから。
・ふろしきには暖かさがある。
・ふろしきで包むと心がこもっているような気がする。

5 ふだんの生活の中にある日本の文化にはどんなものがありますか。
・畳
・ふすま
・しょうじ
・着物
・せんす
・たいこ
・おりがみ
・ふうりん

■これらのものも日本独特の文化であり、財産です。
 それぞれに他にはない良いところ、便利なところがあります。
 その部分を昔から現代の人まで大切に受け継いで来たのですね。
 私たちも、これから理解を深めて大切にしていきたいですね。

saitani





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俳句の作り方

2023年06月23日 11時26分51秒 | 国語科
俳句とか短歌というものはどうしても子どもたちは苦手意識をもつ。
大人でも同じような気持ちになる。
では、どうすれば抵抗なく俳句が作れるようになるのか。
なかなか難しい問題である。

詩を書くときにもそうだが、連想ゲームのように言葉を繋げていき、その言葉をもとに作る方法がある。
また、俳句は五七五でできているので、まず、題材となるものを示す。
夏なら、夏の季語一覧を印刷して子どもたちに配布する。
その中から、自分の生活経験とマッチする言葉を選ばせる。
そうすればこれで三分の一はできたことになる。
テーマ的にも、偏りをさけることもできる。

ほかにも、俳句のカテゴリーを意識させて作らせる方法もある。

俳句には、次の2つの作り方がある。

(A)一物仕立て 「季語」(一物)だけを詠んで作ること。

(B)取り合わせ 「季語」と、季語とは関係のない「俳句のタネ」を「取り合わせ」て作ること。

この「一物仕立て」と「取り合わせ」の違いを、「紫陽花」を詠んだ俳句を例に見てみる。
「紫陽花の 大きな鞠(まり)の 皆褪(あ)せし」松本たかし
この句は、季語である「紫陽花」のことを観察して表現している「一物仕立て」の句。
紫陽花の色の変化に注目している。

「紫陽花やきのふの誠(まこと)けふの噓」正岡子規
この句は、「紫陽花」という季語と、季語とは関係のない12音を「取り合わせ」た俳句。

子どもたちが俳句とつくるときにどちらのカテゴリーの俳句が多いかと言えば、「取り合わせ」の方だ。
子どもたちあ一つのことを詳細に観察するよりも、連想ゲームのように他の単語を組み合わせることが多いいからだ。
一般的な俳句も、一物仕立ては全体の数%に過ぎないという。

「取り合わせ」の作り方。
1 日常生活の中から、印象的なできごと、疑問に思ったこと、感動したことなどを単語やフレーズで書いてみる。
  思いつくままでいい。
  季語は入ってしまうこともあるが、最初は気にせず、後で確認する。
2 思いついた言葉とそれにあう季語を決める。
  このときに歳時記から季語一覧を配布したほうが子どもたちにとってわかりやすいと思う。
  最初は17音にこだわらずに一文にしてみる。
3 季語以外の残りのフレーズには、季語と結び付かない「無関係な事柄」を入れる。
  「流れ星 ぶらんこゆれて なみだ落つ」
  この句の題材は『流れ星』で「秋の季語」。
  残りのフレーズとなる12音が、『なみだ落つ』『ぶらんこゆれて』になっている。
  このように、「季語」とは結び付かない言葉を取り入れる。
  つながりがないように見えても、そこにはきちんと意味があり、情景が浮かんでくる。

saitani

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協力するとはどういう行動なのか

2023年06月22日 08時16分55秒 | 学級経営
担任は子どもたちに言う。
「学級は協力し合うことが大事です。」
当然のことだ。
しかし、ふと考えてみる。
協力という概念は大事であることは言われなくても知っている。
道徳の授業の多くが、この単純なことを意識しないで組み立てられているため、本気にならない、ためにならない道徳になる。
要するにスローガンや徳目が善があることは誰でもわかるが、その瓶に貼られているレッテルではなく、中身を理解していないのだ。
そこで次のように子どもたちに問う。

学級内で行われる遊びやイベントに際に子どもたちに聞いてみる。
今週、楽しいイベントを学級で開きます。
みんな協力しますよね。
「します!」
では、協力するというどういうことかをみんな考えます。
私が質問するのでノートに①から⑫までの数字を書きます。
そして、私がする質問に自分ができていると思う人は◯、できていないと思う人は☓と書いていきます。

①体操着に着替えるときにしゃべっていない。
②早く着替えて集合場所に行っている。(チャイムがなる前に集合場所に行っている。)
③集合場所ですわってまっている。(座って待っている方が静かに待ちやすい。)
④だれかが司会言葉を言っているときに、一言もしゃべらない。
⑤司会言葉を一度は言っている。みんなに「静かに聞こう」「前をみて」などと呼びかけている。
⑥遊びが終わったあとの集合が早い。
⑦勝手に「おまえ◯◯な」というように決めていない。「◯◯でいい?」というように聞いている。
⑧手を上げたり、返事をきちんとしたりしている。
⑨準備をダッシュでしている。
⑩友だちをほめたり、励ましたり、ありがとうの言葉が10回以上ある。
⑪しきっている人にいたら、ありがたいと思っている。
⑫先生なしでも頑張ろうと思って行動している。

◯の数を数えさせるが特に挙手ださせない。
子どもたちの中で自省と協力のイメージができればそれでいい。

みなさんは、お店にいったときにこんな経験をしたことはありませんか。
いきなり店内が暗くなり、ハッピーバースデイの曲が流れます。
知らない人の誕生日です。
ですが、たいていの人は拍手で手拍子をとってあげる人が多いです。
もちろん、強制ではありませんし、しなくてもなんら問題はありません。
でも、一緒に手拍子をしてあげる。
これも、ひとつの優しさです。
なぜなら、楽しい雰囲気を作る協力の行動だからです。
そんな些細なことにも、大切なことが含まれています。

saitani


こういう動きができてくるとお楽しみ会はスムーズに進むね。
そして、こういう人は、自然と人のためになる行動ができます。
少しずつ人から好かれていきます。
信頼されていきます。


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相手の状況に応じ使い分ける言葉

2023年06月21日 07時45分06秒 | 学級経営
学級の中で生活していると様々なトラブルが起きる。
トラブルが起きることは当然のことで不思議ではない。
しかし、問題はそのトラブルが大きなことに発展したり、解決できないで放置されていることだ。
あと、トラブルを未然に防ぐという考えも大切。
ささいなことだけど大切なことは教室ではたくさんある。
そのことをきちんと担任は指導してるかどうか。
ベテランの教師は当たり前にようにそのことを指導しているかトラブルは起きにくく、経験の浅い教師はただたんに、後手に周りもぐらたたきのように起きた事象に対して注意する。
予防的措置、危険予知の対応をしていないことが多い。

職員室の中でそう頻繁にはトラブルやいざこざは起きない。
それはなぜか。
大人集団だから。
経験からこうすれば問題は起きないということ知っていて、危険回避しているから。
なにげなく使っていう言葉にも様々な配慮がされているから職員室では人間関係がうまくいっている。
そのことを子どもたちにも指導した方がよい。

国語の学習で敬語を学ぶ。
この敬語も人間関係を円滑にするには大事なことだ。
子どもたちにも指導する。
「敬語は年上の人に対するパスポートだよ。」
パスポートを持っていなければ他国にはいけない。
入れてもらえない。
それと同じように、敬語が使えないようでは大人社会には入れてもらえないし、相手にもされない。
それは人間として成長できないということでもある。

大人は基本敬語をつかうことができる。
だから、相手に嫌な思いをさせることは少ない。
喧嘩やトラブルも少ない。
しかし、教室は同年齢集団で敬語を使うことはない。
強いて言えば、教師に対しては敬語を使う。
子供のタメ口を指導しない教師がいるがそれは子供の未来に対する可能性をつんでいるのと同じだ。
敬語は重要なのだ。
ふだんから息をするように使えなければ、意味はない。

では、子どもたちに指導すべき言葉はなにか。
それは相手の状況に気を気を配って言葉を選ぶということ。
例えば、忙しそうにいしている相手に話しかけるときや頼み事をするときなど。
次のような前置きを言葉を使う言い方を工夫すること。

◯忙しそうに何かを作っているとき
・今、話していい。
◯消しゴムをかりるとき
・悪いけど、消しゴム貸してくれる
◯狭い道を通るとき
・ちょっと通るよ
・ちょっとごめんね

◯子どもたちに自然とつかえるようになって欲しい言葉
・ちょっと、いい
・(忙しいときに)悪いけど
・すみませんが…
・申し訳ありませんが…
・〜してもらえませんか
・〜してもらいたいのですが…
・お願いしたいんだけど
・今、話す時間ある?


こういう言葉遣いができるようになれば学級内の不要なトラブルも減っていく。
しかし、はじめは意識しないと使えないとことも伝える。

saitani


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