飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

森信三の言葉1

2006年04月30日 17時07分34秒 | 教育論
教師は、時刻を守るように子どもたちに言う。
では、教師は授業の終了を守っているだろうか。
授業時間を延長して教えることを教師の熱心さと勘違いしている。
45分という限られた時間の中で子どもたちに力をつける展開を考えるというスタート地点がぶれている。
それでは、優れた授業など出来るわけがない。
自由に何かすることは、創造的な活動とはなりにくい。
制限やルールがあるから、物事は進歩し、厳しさや真剣さが生まれる。

森信三の言葉。

授業のはじめと終わりの時間を、教師として、できるだけ厳粛に守るようにということです。
教師は、始業のベルと同時に椅子を立つことが、最も大切な心がけであり、終わりのカネが鳴ったら、すぐにやめるということです。

SCENE180(saitani)


表現運動にみる運動の特性

2006年04月29日 23時57分43秒 | 体育科
まず表現運動を四つの運動領域(器械運動・陸上運動・表現運動・ボール運動)の中の一つとしてとらえた場合、次の二つの楽しさや喜びが考えられる。

1 多様な即興的な表現をする
2 表したいイメージで作品の創作をする

子どもたちの発達段階に応じて、また、子どもたちが即興志向か作品志向かを見極めた上で題材を設定する必要がある。

次に、表現運動を運動の特性から考えてみる。
《一般的特性》
想像をひろげ、表したい出来事をいろいろな特徴のある動きでとらえて、ひと流れの動きで自由に工夫して楽しく表現できる。

《子どもからみた特性》

A楽しさの体験
 運動の特性にふれる楽しさの体験
 ・表現運動は好きか
 ・どんな題材や感じの表現をしたいのか 
 ・どんな表現の楽しみ方をしたいのか 即興志向 作品志向
 ・どんな題材を扱いたいか

B運動の学び方
 運動をどのように学ぶことができるか
 ・めあてをもって学習進めていけるか
 ・資料等を使って自分たちで工夫できるか
 ・仲良く協力しあってできるか
 ・心を開ける学級集団であるか

C技能
 運動技能の習得
 ・イメージにそって、体を動かせるか
 ・個人、グループによる動きの工夫ができるか
 ・表したい感じを人流れの動きで表現できるか

このような運動を特性を観点別学習状況の評価と関連させて考えていく。

SCENE179(saitani)

表現運動に必要な基礎感覚

2006年04月23日 09時26分53秒 | 体育科
表現運動を行う際に問題になるのは次の二点である。
1 動きがわからない。
2 恥ずかしい。
そこでシステムアップを考えた基礎的な指導をまずする必要がある。
その基礎的な指導とは、いろいろな動きに発展するものを身に付けること。
もう一つは、表現する楽しさを十分味わうことである。

基礎的な動きは次の四点が考えられる。

1 ボディ・コントロール
  強弱・回転・バランス・大小
2 リズム感覚
  リズム・速さ
3 空間感覚(空間を広く使う)
  広さ・高さ・長さ
4 対応の動き(相手に合わせた動き)

これらを共通題材として全員に経験させる。
その時のポイントは次のことが考えられる。
○子どもたちがやりたいもの(内発的なもの)
 ・子どもの興味や関心のあるもの
 ・生活体験や感動のあるもの
 ・内容自体の新鮮さや想像力をかき立てるようなもの
○イメージと動きの関係がつかみやすく、見通しがたつもの
 ・動きの特徴がつかみやすく、動きの見通しがたつもの
○いろいろなとらえ方ができて発展性のあるもの
 ・多様なとらえ方や工夫ができて、個性が生かせるもの
 ・心情との重なりも可能で作品への発展性が高いもの

もう少し具体的に考えてみる。
低学年の場合は、中学年の「多様な感じや創造が広がる題材」、高学年の「感情や動きの起伏を含む題材」とは異なる、とらえ方が必要になる。
低学年の場合は、具象的・特徴的な動きがとらえやすい題材が適当だろう。
動物、小鳥、昆虫、乗り物、遊園地、シャボン玉、おもちゃ、雪、びっくり箱、粘土になろうなど。

SCENE179(saitani)  
  

表現力を高める指導

2006年04月09日 02時19分57秒 | 体育科
低学年の指導、とりわけ1年生は何にでも興味をもつ存在である。
その興味を単なる興味に終わらせることなく、文章に表現する楽しさにつなげたい。
自分をとりまく、自然現象や人間関係を1年生なりによく見て、よく考えさせることにより、新しい自分との出会いも訪れる。
では、1年間を通じてどのような指導をしていくかを考えてみる。
粗く考えて、次のような内容が考えられる。
時系列で書くとこのようになる。

 1 平仮名を正しく、美しく書く。ex.先生の名前や友達の名前。
 2 語彙をふやす。ex.しりとりゲーム
 3 ことば集めをする。ex.教室にあるもの、動植物の名前等。
 4 短い文章を書く。ex.校庭の花を観察して。朝顔の発芽。
 5 経験したことを順序よく書く。ex.遠足のことを三つくらいにわけて。学校から目的地、遊びとお弁当、目的地から学校。
 6 知らせたいことを端的に書く。ex.先生あのね…はじめて知ったこと等。具体的な虫のこと等でもよい。
 7 説明的な文章を書く。ex.健康診断で経験したことを順序よく書く。お医者さんの様子や動作も詳しく。
 8 よく観察して書く。ex.野原で花のつくり、虫の動きに着目させて。
 9 絵日記の書き方を知る。ex.夏休み前に絵日記の書き方を教える。絵と文の内容が一致するように。中心をはっきりさせるように。
10 自分の心の動きを書く。ex.運動会をしているときの自分の気持ちを思いだして書く。家の人に伝わるように。
11 感動したことを書く。ex.読書感想文にチャレンジする。長文をかくのは初めてになるが、具体例を示しながら書く。
12 楽しかったことが相手に伝わるように書く。ex.友達との遊びの思い出を書かせる。どんな友達のよさを発見できたかを中心に。読み手として母親など家庭の人物を意識して。

ここまでが前期、1学期。

13 物の作り方をやや詳しく書く。ex.図工や生活科、作品展で作った物の作り方を順序よく書かせる。材料、作った物、作った順序に注意する。
14 発見したことを書く。ex.自分の身の回りで発見したことを端的に書く。詩的表現で。
15 お話しの続きを書く。ex.教材物語分の文の続き話を創造して書かせる。
16 比較的長い期間のことを作文に書く。ex.運動会や校外学習などの思い出を友達の関連づけて書く。
17 新年の希望を書く。ex.単なる希望ではなく、実現可能かどうかを考慮する。
18 一番印象的なことを効果的な表現で書く。ex.詩の創作活動を行う。うれしかったこと、かなしかったこと。
19 手紙を書く。 ex.遠隔地に住むおじいちゃん、おばあちゃんに向けて。             返事がもらえるように保護者に配慮してもらう。
20 文集作りをする。 ex.1年間を振り返り、自分の成長を書く。

計画的な指導により、子どもたちの基礎的事項は保障される。

(saitani)