イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

1つだけいいかい

2011-01-25 18:15:00 | 夜ドラマ

一週遅れになるけど19日(水)放送の『相棒 season 9“招かれざる客”は爆笑エピでしたなあ。ね?

「…ね?」って誰彼かまわず同意求めてそこらじゅう回りたいくらい爆笑しました。『相棒』でこんだけ爆笑させられるとは思ってもみなかった。もともと笑かし仕様に作ってある、今seasonで言えば“運命の女性”(=陣川くん独走失恋篇)“9時から10時まで”(=まったり24トゥウェンティフォー)辺りより確実に笑った。

なんたってあの右京さん(水谷豊さん)が「まだ、わからねぇか」「指輪ぐらい用意しとくもんだぜ」「何しろオレは見てたんだからなぬふぉふぉふぉ」とか、あの英国風ヴィジュのまんま、麻生太郎さんみたいな取ってつけべらんめえになっちゃうんだぜ。…あ、少し伝染った。

巻き込まれ示し合わせて俄か小芝居に付き合った神戸くん(及川光博さん)、いまどき、逮捕するとき「神妙にしろ」って言う刑事もなかなかいないもんだぜ。…一度伝染るとなかなか抜けないんだぜ。輪ッパかけて車に乗せるとき「乗りなさい、(鞄)持ちなさい、(運転席に自分が回るまで)逃げるんじゃないぞ」までいったら、犯人ども、少しは怪しめと。

しかも「逮捕劇を演じて見せるなら、逮捕状があったほうがリアルじゃないか」と、TVっ子世代の才気煥発くんらしい機転をきかせたつもりの神戸くん、ポッケに有り合わせのペーパー援用して「杉下右京、詐欺容疑で逮捕状が出ている!」とビロビロ広げて見せたのは自分の健康診断結果表。ヘモグロビンの低い数字が目の前でビロビロして、詐欺容疑杉下右京もそりゃ目を白黒しますわなあ。ナポリタンだけじゃ造血機能足りないと思うけど。豆類とか、魚とかレバーとか食べないと。死体が苦手な神戸くん、血の気たっぷりの肝臓系もダメなのかしら。

オリエント急行系としても、脚本・戸田山雅司さんの好作“女王の宮殿”(season 5)“寝台特急カシオペア殺人事件”(season 6元日SP)の流れを汲むクローズドサークル系としても、ややユルめで謎解きとしての緊密さ求心力はいまいちだったけれど、そういう至らなさを差し引いてもなお余りあるエンジョイアブル、読後感の心の浮き立ちかたでした。「いやー笑ったね」「ホント笑った」と家族で笑い合って終われるTVドラマ、まさか警察もの事件もので遭遇するとはね。しかも、あの、割り切れなさ苦ーい後味こそが看板の『相棒』で味わうとは。

コレ脚本戸田山さん、一昨年の正月に放送された『探偵 左文字進』シリーズの“左文字が殺人犯!?”での、左文字双子弟(←ただし、ニセモノ)に扮した“ブラック水谷豊”に触発されて着想したんじゃないでしょうかね。月河は再放送で観たんですが、アレは結構インパクトあったんだよなあ。正義原理主義者ゆえに憎まれ役に回ってしまうとか、そういう行きがかり上ではなくて、根っからの、同情の余地ない凶悪な、あるいは冷血な悪を演じる水谷さんを、ちょっとでも見たいと思う人、『相棒』ウォッチャーの中にも結構いるんじゃないでしょうか。「右京さん役演ってる間は純ブラック役はオファーあっても受けないんだろうなあ」とか、妄想的に大人の事情斟酌したりして。

今回のエピはそういう飢餓感をうまいことくすぐってくれたと思います。必ずしも完成度とか胸に沁み入る度では高評価できないけれど、キャラ持ち味の拡張性で見せる、長寿番組の強みこれもまた良し。

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