忌野清志郎さん、心配ですね。57歳。腸骨行っちゃいましたか。
なんとなく周りの話や経験則から、男性なら前立腺、女性なら乳癌・卵巣・甲状腺など“リンパ節・内分泌周り”が原発巣のヤツは骨転移が多いようなイメージがあったのですが、喉頭がんも下肢骨に行くことがあるとは。
清志郎さんは喉頭がん告知の段階で声帯を失う可能性のある外科手術でなく、あえて放射線療法を選んだと聞きましたが、あるいはあのとき手術していれば…と思うのは又聞きの素人考えかな。歌い続けるために彼が選んだ方法が誤っていたとは思いたくないですけれど。
「このくらいは覚悟してたんで全然へこんでないから」というメッセージがまた彼らしくて、こういう状況でも“彼らしさ”を維持しなければならないところが、傍から見てると結構痛いのですが、逆に“維持しなければならないもの”を持っているということほど、厳しい状況での心強い支えはないのもまた事実。
清志郎さんとRCサクセションと言えば実は月河も不思議な縁がありまして、“他の洋邦ミュージシャンの中で突出して贔屓にしていた”時期は一度もないにもかかわらず、79~80年ぐらいからでしょうか、どういうわけか学校、同好会、バイト、職場、どこへ行ってもそこに1人は清志郎&RCファン兼伝道師みたいなヤツがもれなく居る。絶え間なく居る。
まあ大半偶然でしょうが、そういう年代・世代・趣味志向の人の生息率の高い場所と、公私ともに縁があるということなんでしょうね。
一時は『エネルギーohエネルギー』がカラオケ“中盤戦”に入ったときの定番曲のひとつになっていたこともありました。
♪ アイツもボケたぜ? ワンパターン? マンネリ?
…と自虐的に客席を見渡してから、
♪ チクショーーー!! 陰口叩いてる奴ら ぶっ飛ばせ だからエネルギー
…とマイクスタンドを肩の高さに持ち上げ、持ち上げた勢いで腰をシュパッと落としてライフル乱射風にスウェーさせるのが気持ちよかった。RCのライブはナマで見たことがないけど、この曲のこのフレーズ限定なら清志郎さん本人より自分のほうがカッコいいんじゃないか、と快適に錯覚していたことも。
月河がこの曲で“唐紙一枚”開けると、あとは伝道師ポジションのヤツが『ロックンロールショー』や時間を置いて『多摩蘭坂』などを歌い、さらに時間をおいてから『雨上がりの夜空に』で締める、という流れができていたような記憶が。…ってことはなんだ、体(てい)のいい“前説”だったのか月河。
それはともかく、30年近く前そんな風に“RCフルコース”を敷き清志郎さんに自分を重ねていたのであろう当時の“伝道師”たちも、今般の二度めのカミングアウトをどこかの媒体から聞いて胸を痛めているのだろうなあ。ひょっとしたら清志郎さん本人よりへこんでるかもしれない。
当時まだJ‐POPなんて言葉も概念もなく、アイドルや演歌やギターの弾き語りが入り乱れるTVのヒット曲番組が華やかだった頃。そういう場面で(まだ)見たことのないバンドがこれだけ高体温なファン伝道師を持っているというのはちょっとした驚嘆もので、驚嘆ついでに乗せられてシンパシーを持ち“前説”の真似事をやっていたような部分もある。
彼ら初期RCの自己志願“伝道師”たちとの懐かしい記憶のためにも、清志郎さんにはぜひまたステージに帰ってきてほしいと思います。
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