03年『爆竜戦隊アバレンジャー』バキちゃんことバキケロナグルス登場回で、一般人役ゲスト出演してくれたスマイリーキクチさんが、ブログ炎上で長期間に亘って悪質な被害をこうむっていた、というニュースがありましたね。5日付けのネット上のニュースページでは“男性芸能人(37歳)”のブログ、とだけありましたが、『爆笑オンエアバトル』の常連でもあったからか、NHK総合夜のニュースで実名で報じられていたのはちょっとびっくりでした。
1988年に起き89年に既逮捕者の余罪として明るみに出た所謂“女高生コンクリート詰め殺人事件”への、かなり野次馬好奇心混じりながらも世間の関心がいまだ高いことを思い知らされ、ある意味納得する反面、ネットという匿名ワールドの不気味な深淵をも垣間見せる事件となりました。アクセス解析などから特定され検挙されたという18人、高校生も含まれているけれど、30代、40代の“いいオトナ”も結構いるのにはさすがに背筋が寒くなります。「バレずに愉快犯やり放題」と思っていたのか。「残虐な殺人加担者が芸人やっている、許せない」と本気で思ってやったことだとしたら、それまた別な意味で怖ろしい。
スマイリーキクチさんが「約10年前から」ネット掲示板での虚偽の誹謗中傷書き込み被害に遭っていながら、昨年1月に自前のブログを開設した(案の定炎上した)というのも意外。芸人として世に売って出る以上、ネット経由の自前の発信も必修科目ということなのかもしれませんが、何とも神経的にしんどい話。
昔の春日三球・照代さんの漫才で「高速道路で渋滞するデショ?あの先頭のクルマは何やってるんでしょうネ」「先頭ヨ、前になんにもないのヨ?」ってのがありましたが、最初にキクチさんを「叩いて炎上させてやろう」と先鞭つけたのは誰でどんな動機だったのか、根拠はあったのかなかったのか、いまさら詮索も無駄で野暮でしょうがちょっと知りたくもなりますね。『アバレン』では奥さんに逃げられて人生に嫌気がさし自殺志願の“鈴木さん”に扮したキクチさん、いまさらぺ・ヨンジュンの形態模写でもないでしょうが、“微笑み毒舌”芸でまた表舞台に出てきてほしいと思います。
『非婚同盟』は第25話まで来ました。大人になっていきなりのように見える小百合(秋山エリカさん)の男性嫌悪も、ちょっとわかるような気はするんです。実母の圭子(三原じゅん子さん)が第1部で「父親が外人(=米軍軍曹)だから、母親の私も解んないところがある」「ハーフは早熟だから、オッパイなんかもう私よりおっきい」と言っていたように、小百合は自分の中の“オンナ”の強力さに怯えているのかもしれない。男性が自分に対して性欲を持っていることを嗅ぎつけ嫌悪するということは、自分にも性欲があって、それが投射されているからこそ。
いっそ“さほど気があるわけでもない”相手に、“差し上げて”しまえば、「なんだ、処女かそうでないかで天地がひっくり返るほど変わるわけじゃないんだ」とラクになれるのにね。こういう女の子に限って、圭子のような“オンナを武器に世の中渡ってきた”つわものか、映画『キャリー』の母親みたいな“身篭って産んだ自分の人生を呪いたい”潔癖原理主義者か、どっちかが母親についている。
佐藤仁美さんの由起子が「セックスと非婚は矛盾しない」と豪語、勤務先の証券会社同僚の功介(阿部薫さん)に“やらせてモノにした気にさせるけど、結婚はしない”“ヤッコさんひとりのものにはならない”仕打ちをするのも、実母に“妾と同居させてプライドずたずた、でもベッドでは屈服させた”父親・猪士郎(風間トオルさん)への迂回した復讐なんでしょうな。“やらせない”“処女のまま朽ちて行く”んでは、由起子としてはリベンジにならないんだ。よくわからんけど(わからんのかい)。
んで、その猪士郎さんが、すでに男の役には立たず、和子父(宮内敦士さん)の紙芝居…と言うか紙芝居つきひとりコントとカラオケだけが楽しみと化しているのも、遠回しの皮肉。
佐藤さんの由起子に、いま少し浮き世離れ感、世間知らず感があれば、引っ攣れたヘリクツこきにも愛嬌があるんですがね。
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