イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

損して徳井取れ ~違う!そう!・・違う!~

2019-10-29 23:52:14 | 芸能ネタ

 「このコ、あの漫才のコだよね、名前通りになっちゃったね」と高齢家族がTVを見て言うので、なんで?と訊いたら、「言い訳が嘘くさいじゃない、ズボラだったとか無知だったとかさ、“中途半端(ちゅうとはんぱ)”リアルって、そのまんまじゃない」。

 ・・いやその、あれは“Tutorial”というコンピュータソフト用語もしくはゲーム用語からとったコンビ名であって・・と、紙にスペリング書いて説明しようとして、自分でもTutorialのなんたるかをよくわかっていないことに気づき、

 「Tutorが“個人教授”“お抱え家庭教師”ぐらいの意味だから、まぁ、個人ユーザー向けの“遊び方説明書”みたいなもんですわ。昔の人生ゲームとかダイヤモンドゲームとかだったら、ハコのフタの裏に印刷してあったようなヤツ」わかる?

 「・・なんでそんな名前つけたんだろうね」「さあ、ゲームが好きだからじゃない、お笑いコンビのコンビ名なんてあんまり意味ないから。下町生まれじゃないのにダウンタウンとか、男なのにアンガールズとか」

 「はー、ますだおかだも、マスダでもオカダでもないの?」「いや、あれは本当に増田と岡田」

 「タカトシは?」「あれも、なんとかタカヒロとなんとかトシカズ(・・違ったかな・・)」

 「テツアンドトモは?」「あれも・・・」

 ・・・・月河が元『オンバト』ウォッチャーだったせいで、うちの高齢組もムダにお笑いユニット名、芸人名をやたら記憶しているのでした。名前と顔とネタがあらかた一致してないけど。おかげで、ひとしきりえらい汗かいた。

 ・・でもまぁ、バラエティも、オートバックスや東京アカデミーのCMも知らない高齢家族が、チュートリアル未だ“漫才のコたち”と認識してくれているのにはちょっと救われました。

 めっきりガチネタ漫才やらなくなったと思ったら、徳井がピンで『人生最高レストラン』なんて大物ゲスト続々来訪番組のMCやってたりして、今度はいよいよ大河ドラマに俳優として進出かと思ったら、税金無申告ですって。それも直近まるまる三年分、1億1千何百万とか。

 て言うか、吉本興業からのギャラ受け取るための会社設立した2009年から、期限内に申告して納税した年いっぺんもないんだって。三年溜めては督促されてやおら申告、申告はしたけど納税はしてなくて、銀行預金もなんもかんも差し押さえられた時期もあったらしい。

 あまつさえ、その会社、設立時から社会保険も加入してなかったんだって。

 何なんだ。何やりたかったんだ。もう、よくネットの掲示板にある ┐( -"-)┌ヤレヤレ...

 こんな顔文字入れたくなってしまう。

 稼ぎがデカくなる一方で、少しでも払う税少なく抑えたいから会社作って、会社から給与もらう体裁にしたんだろうに、「会社にしたら税金はかからなくなる」とでも思ってたのかなぁ。それにしても、三年目にあせって申告してヒーヒー言わされたから翌年からはちゃんと期限通りやろうとした形跡がなく、また三年無申告、そのまた次の三年も・・というのが、ちょっと薬物依存的な常習性が感じられて、微妙に「アホやってら」と笑えない。

 諫めてレールに嵌めてくれる人が周りに一人もいなかったのか。・・いや、でも個人事業主たる芸人、芸能人が、「オマエ、ギャラどうやって回してる?」「税務申告書どう書いてる?」「これとこれとこれ、控除に入る?」なんて情報交換を楽屋でするとも思えないし。

 期せずして萩生田文部科学大臣の、民間英語検定試験導入についての「身の丈で頑張ってもらえれば」発言に野党のお決まり批判攻撃が集まっていますが、“身の丈に合わない事をする”というのはこういうことだよという見本ではないでしょうか。

 芸人なら芸が売り物、芸にたくさんの買い手がたくさん木戸銭払ってくれれば儲かるし、儲かれば課税される。されるけど稼いだ以上には取られない。なおかつ、買い手=客が来なければ儲からないから税金もチョボチョボもしくは取られない。・・・

 ・・・こういうシンプルな図式でずっと行けばどうってことなかったのに。逮捕立件までされていないとはいえ、これは考えようで刑事事件よりタチが悪い。オレオレ詐欺・特殊詐欺はターゲットに決めた高齢者から100万200万巻き上げる話ですが、徳井案件は全国のまじめ真っ正直な一般納税者から、広く薄―く少しずつかすめ取って、その分自分は払わずに済ませてクチをぬぐってた、「言ってこないうちは払わないでいいんだろ」とすっとぼけてた、という話ですから。

 他の番組ははなから何も見てないし、自粛してくれてもくれなくても個人的にはどうってこともないのですが、どうする『いだてん ~東京オリムピック噺~』、マラソンの札幌移転でマイルドにズコーとなった矢先にまた一難。

 タイミングもあろうに来週(11月3日)放送回から、役もあろうに大松博文・女子バレーボール日本代表監督役で登場予定でした。うわー、実在人物、しかもスポーツ史上の大偉人だから、架空の行きずりの一般市民役と違って、ゴマカシのしようがない。大松さんご本人は1978年に鬼籍に入っておられますが、ご遺族がバリバリ健在のはず。没後四十余年、令和のドラマに実名で登場とあってきっと楽しみにしておられたでしょうに、キャストが目下の、全国区で最も“旬”な不祥事タレントになってしまうとは。

 NHK側は「ドラマの流れを損なわない範囲で対応(=出演部分をカットして放送)したい」という方針の様ですが、コレ、シロウトが考えてもむずかしい作業だろうなあ。税務申告と違って三年待ってはくれない。放送日まで待ったなしのカウントダウン。

 徳井に高校時代バレーボール経験があるというのがこの役起用の理由らしいですが、1923年生まれでインパール作戦からの生還組、スパルタで鳴らした“鬼の大松”ですから、お笑いから起用するにしてももっとこう、いかつい系の人がなんぼでもいたろうに、なんで二枚目でぷよぷよで軟派臭い徳井だったのか、この件が起きる前からキャスティング報聞いて不思議だったのですが、起用されるからには、のちに参議院議員・文教委員長まで務めた大松さんの、“剛”で“強”なだけではない面も描かれたストーリーになっているに違いないと期待もしていました。

 この件のせいで、撮影済み完パケ放送待ちになっていた徳井出演ヴァージョンがまるごと永遠にお蔵入りしてしまうとしたらあまりにも残念です。いや、そんなに、演技する徳井を熱烈に見たいわけじゃないんだけど、キャスティングした意図が知りたいじゃないですか。「なるほど、こういう切り口で、こういうセリフがあってこういう演出、見せ方だから、この役にこの人が起用されたのか」と納得のひとつもしたい。いや、したかったところ。返す返すも惜しい事をしたものです。

コメント
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