イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

タイム麻疹にお願い

2018-05-12 19:04:07 | 健康・病気

 「年度替わりが近づいて世の中皆が身辺慌ただしくなる時期にもうひとヤマあるから油断禁物」と、毎年言われるのがインフルエンザですが、4月に入ってさすがにもう今年はセーフだろうと思ったら、今度ははしか(麻疹)大流行かという話題になっていますね。大型連休で人の大量移動、海外渡航と帰国が増加する時期なのも関係している。人間の世の中は落ち着かないこと。

 感染症とか台風など、移動・推移を伴う話は、なんでも東京、乃至首都圏に到達してからマスコミがにわかに騒ぎ出すので、今回も町田市在住の女性が7日に医療機関に受診に行って発覚、症状は6日に出ているから「その一日前の5日から周囲への感染が始まっている可能性が高い」「5日にはどっち方面のバスに乗ってどこへ行った」「何時台のバスで何人くらい乗客が乗っていた」とか、ほとんどホラそこのアナタも感染してるかも!?みたいな文脈になってます。

 幼少期にかかると熱が上がって下がってポツポツが出て消えて、何てことなく終わって一生免疫ができるけど、年いってからかかると寝込むぞとか、ポツポツの痕が残るぞとか、ヘタすりゃ合併症で命が危ないぞとか、みんな“物心つかない頃の遠い記憶”なので適当な事を言って、ほとんど都市伝説みたいになっている、ある意味マボロシの病気“はしか”。

 当地は冬が長いので、遅めの冬休みが取れると特にゴルフ好きは沖縄に行く人が多いのですが、幸いにして月河周辺では感染アヤシイのはまだ現れていません。何しろ接触感染、飛沫感染もするけど空気感染もあるから、インフル用のマスクなどつけて手洗い励行していても、同じ部屋や乗り物の同じハコに感染者(本人に自覚症状のない潜伏期間中でも)が居たら、息しただけで感染するリスク大なわけで、もうお手上げです。

 感染を避けられる唯一の防御手段がワクチンだそうですが、昭和30年代~40年代初期、月河の幼少時は当然、はしか単独の予防接種は義務化されていませんでした。同年代の数人に訊いてみましたが、はしかのヨボーチューシャなんてされた記憶がないという人ばかりでした。

 それじゃ頼みの綱は“一回ちゃんと罹患して、自然免疫ができているかどうか”なのですが、これがまた個人的にすこぶる頼りない。月河は25歳で水疱瘡(=水痘)ってやつに初めてかかり、なんとかめでたく全快して職場復帰したとき「子供か」と非情にも笑いものにされた苦い経験がありまして、その時に実家母に「水疱瘡はまだヤッテなかった、はしかは?風疹は?おたふくかぜは?」とたたみかけて聴取したところ、はしかだけは満1歳のときに、軽~く、まったくこじらせることなくスッとかかってスッと終わったから無事免疫ができてるはずだ、という話ではありました。

 しかし、いまや天下の東大卒エリート経産省官僚だって自由自在に記憶が怪しくなるご時世です。満1歳じゃ本人の記憶はあるわきゃないので、実家母の記憶違いだったらえらいことじゃありませんか。

 かりに百歩譲って(百歩もか)実家母の記憶が正しかったとしても、もう半世紀以上が経過しているわけです。高度経済成長もあった、大阪万博もあったオイルショックもあった、東京メキシコミュンヘンモントリオール・・・あと忘れたけど北京ロンドンリオデジャネイロ、夏だけでもオリンピックが何回、開催されたことか。バブルが勃興しぶっぱじけ、失われた10年20年。月河満1歳で獲得した免疫が、風雪に耐え波濤を越えて2018年、平成の世もあと一年という今日まで、果たして盤石でいられるものでしょうか。

 確か羽鳥アナの『スーパーモーニング』だったと思いますが、感染症の専門家によれば“自分に免疫があるかどうか”を調べる検査(抗体価検査というそうです)も、民間の医療機関で可能らしいので、「ワクチン接種が義務付けられていなかった世代の人、罹患歴が定かでない人は、まず免疫があるかどうかを調べて、ないとわかったら今からでも接種を」「2回接種すればもっともリスク低減に効果大ですが、1回の接種でも95%の人に免疫ができます」と呼びかけていました。・・ただ、この後、メモしないで聞き逃したんですがこのワクチン、1回でも結構な値段なんですよ。毎年仕方なく行くインフルエンザの予防接種より、顕著に高額でした。

 ・・ここまで書いてきて、すでに「ビクビク検査に行って高い接種受けずとも、堂々と生活して万一感染したらその時はその時、家で治るまで寝て居りゃいいじゃないか」という超・楽観的な開き直りがある自分に気づく。「はしかくらい何だ、1歳の幼児だってスッと罹ってスッと治るのに」と。

 ・・一方で、“年いってからのはしかは大ごとになる”という都市伝説。これはどうしたものでしょう。罹らなきゃどうということはないんですが。やはり免疫力か。睡眠と食事バランスか。ビタミンCか。

 結局、インフルエンザと同じ心得しかないということか。空気感染ゆえ、うがい・手洗い・マスクが無駄とわかっている分、対策はいっそラクなのかな。

 ちなみに、実家母から当時、ついでに聴取した四方山話です。母の生家の近くには通称“はしか神社”というお宮があって、稲わらか、何かの草の葉状の物で、サーカスでライオンが潜り抜けるやつをちょっと小さめにしたような輪っかを編んで、「これをくぐって参拝するとはしかにかからない」という言い伝えがあり、おみくじや御札の様にその輪っかをミニサイズにした物を社務所で販売していて、家にはしかの子供が出たときに枕頭や寝室の窓先に吊るすと「これをくぐってはしかの神様が出て行くから、早く治るし、家内に感染者も出ない」と言っていたそうです。はしかにも神様がいたとは驚きですが、“くぐる”ことで厄除け、厄払いになると昔の人も信じていたんだから、今回の騒ぎも“一過性”で終わってほしいものです。とりあえず当分大型連休はないし。

コメント
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