イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

元・8時半の男

2010-12-25 20:56:53 | テレビ番組

24日放送の『てっぱん』OPの“メリークリスマス!”ヴァージョンは良かったですね。このシーズン、NHK朝ドラを(セミ)レギュラー視聴している自体、個人的にも家族的にもここ何年もなかったことなのですが、リアルカレンダーのクリスマスイヴと、劇中のクリスマスイヴ、きれいにシンクロしたのも軽く驚きました。下半期の、大阪放送局の朝ドラは毎作、クリスマスネタ、年末年始ネタをストーリーに織り込むのが恒例なのでしょうかね。

前作『ゲゲゲの女房』なんかは、結構、猛暑の季節に、布美枝ちゃん(松下奈緒さん)の大根干しや風邪引きネタ、あるいはクリスマス出産話をやっていたし、しげるお父ちゃん(向井理さん)もかなり年代が進むまであの赤茶色の穴あき貧乏セーターを着ていた気がしますが、あちらはあまり季節はずれ感はなかった。とにかく、額に入れた一反木綿の絵が動くワールドでしたからね。

OP映像のまるいお好み焼きがクリスマスリースになる演出も、ベタだけど、意外な意外性がありましたよ。円形つながりってだけですけどね。“皆を幸せにする、まるーいお好み焼き”は、設定からしてあかりちゃん(瀧本美織さん)の大目標でもある。お正月のしめ飾りとなると、なんか全体的に紐状というか、細長いイメージだけど、クリスマスリースはやはりまるーいイメージ。障子・格子戸・唐紙の引き戸文化と、ドア文化の違いかしら。

7年ほど前まで、クリスマスまではクリスマスリースとして飾れて、その後パーツを23つチェンジすれば正月飾りになるヤツをだいぶ長いこと保存して毎年繰り越して使っていたのですが、縁起物をそういうことしちゃうと、悪いモノも年を繰り越してしまうから良くないそうですね。そう言えば、部屋の内装変えをしたついでに処分したその年の暮れに宝くじが当たったっけ。五千円だけど。その代わり有馬記念が全ガミだった。タップダンスシチーが飛んだんだったかな。まぁ終わったレース蒸し返しても仕方がおまへん(なぜ関西弁)。

『てっぱん』クリスマスエピソードも、浜勝の神田さん(さすがにまだまだロッキーポーズが似合う赤井英和さん)が引いた福引の特賞・温泉ペア券を奇貨として、あかりの意地ッ張り正月営業宣言→初音お祖母ちゃん(富司純子さん)へ「一緒に旅行せん?(千春さんの墓参に)尾道へ」初音さん「ご案内よろしゅうに」のめでたしを軸に、駅伝くん(長田成哉さん)と根本コーチ(松田悟志さん)の和解と再チャレンジへの決心、尾道のお父ちゃん(遠藤憲一さん)お母ちゃん(安田成美さん)の“一瞬ラブラブ”化などを織り交ぜた、最近のこのドラマの中では弛みの少ない、飽きさせない一週間だったように思います。ベタさの匙加減でしょうか。昭和4050年頃代の、雑誌『なかよし』辺りのクリスマス特大号では必ず一作は載っていた“貧乏な頑張り屋さん少女の、家族と友情クリスマス”ものを思い出させる味わいでした。あったんですよねぇ、あの頃、この手の人情話が盛んに。“クリスマス”ってイベントのイメージ自体が、“西洋風金持ち”を直球で連想させましたから。

あかりちゃんは、初音さんに借金返済途中とは言っても“おのみっちゃん”は一応繁盛しているし、尾道実家の鉄工所も不況の中まあまあ回っているし、決して貧乏暇なしではありませんが、「高価なプレゼントや着飾ったディナーより、心の通い合う家族・友人近隣仲間と信頼を再確認し、楽しく囲む手料理がいちばんのご馳走」といったところに着地させると、日本人としてはきわめて胃の腑におさまりのいいジングルベルストーリーになるらしいのです。

今週、要所で再三、尾道家族と大阪陣営との橋渡し(て言うか触媒)役をつとめたのが、イエス・キリスト様とは対極のはずの仏教住職・隆円さん(尾美としのりさん)だったというのもナイスな転帰でした。

まさかの既婚バツイチカミングアウトに続いて、ライブ会場での「好きやから!」ナマ宣言で一瞬場内を震撼させた根本コーチ役・松田悟志さんの嵌まり役ぶりにも最近驚いていますね。月河にとっては松田さんと言えばいまだに『仮面ライダー龍騎』のナイトこと“なんちゃら山”蓮なのですが、ネイティヴ大阪弁をさすがのナチュラルっぷりであやつる松田さんを、朝ドラという舞台で観られてよかった。最近、別の必要があって『龍騎』の録画を数話分再見したばかりなのですが、“若い盛りの頃スポーツ三昧で、現役引退してからは若手の世話焼き三昧でアラサーシングルアゲイン”にふさわしい、いいリアルさの体躯の厚み・緩み増し具合だと思います。体育教師ジャージが似合う感じというか。

もっと言えば、“嫁に愛想尽かされて逃げられた”設定がこんなに似合う人とは思わなかったもんでね。ホント、朝ドラの“良き所帯くささワールド”は意外な人から意外な味を引き出しますな。

あと、祝日だった23日、『てっぱん』明けのニュース森本健成アナが830分…」と言いかけてから、「…815分になりました。」と言い直してた。わはは、祝日担当の多い森本アナのこれ式の言い間違い、月河が実況目撃しただけでこれで二度目ですぞ。朝ドラが15分繰り上がって、平日は『あさイチ』、土曜は『週刊ニュース』が続くので、815分がニュースになるのは、祝日編成のときだけ。こういうときのニュースは、森本アナの担当になることが多いんですよね。

でも絶対日数的には圧倒的に少ないから、森本さんもなかなか「朝ドラ明けは815分」が“体内”に定着しないんだろうな。次は来年の110日(成人の日)あたりかしら。森本さん、練習しといたほうがいいですよ。

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