イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

裏裏で

2008-08-06 00:10:43 | 音楽

久しぶりに高校野球の実況音声を聴いていると、応援のブラスバンドの曲目レパートリーが、各校とも意外に十年前、ないしウン十年前の甲子園と大差ないのにちょっと驚きます。

いまだに自チームの攻撃になると『暴れん坊将軍のテーマ』、あるいは♪ウララ、ウララ ウラウラで~『狙いうち』。

山本リンダさんのこの曲は確か73年のリリース。リンダさん、『こまっちゃうナ』の舌っ足らずアイドルから180°イメチェン(←これがすでに死語)しての第4弾ぐらいで、新曲の都度カラダのいろんなトコロを露出してのセクシー路線もそろそろルーティーン化してきておりさほどのメガセールスにもならなかったはずですが、確かに野球応援の景気づけチューンとしては嵌まりすぎなくらい嵌まっておるなぁ。♪逃ーがさないパッと“狙い打ち”…ですからね。

それにしても30数年前の曲。山本リンダさんと言えばバックに強大な宗教団体がついておられますから、当時生まれてもいなかった高校生諸君にまで長く演奏され歌われ続けているのはそこらへんの力関係ありやなしや。…いや、リンダさんに毒吐いて打ち切りになったラジオ番組なんかも昔ありましたから、あまり深く追求しませんが。

作曲都倉俊一さん、作詞は先頃亡くなられた阿久悠さん。「偉大なり“昭和歌謡”」と言っておきましょう。

変身後版・リンダさんのセクシーアクション路線では、『狙いうち』の後にリリースされた『燃えつきそう』という曲が好きでした。

この場合の“燃えつき”はburn outではなくtake fire。♪その気になったら 私は止まらない/この目が燃え出して 男を焼き尽くす…ひたいに光る汗 はりつく長い髪/裸足になる頃には もう燃えついている という言わば“夜行性ネコ科のファム・ファタール”の歌。

(ま、まさかとは思いますが誤解のないように念のため言っておきます。月河は断じてカラオケでは歌っておりません

トロピカルな色使いの大胆ラップスカートでサンバ風に踊るリンダさんは地が色白だったのでリゾート感全開という感じではなく、やはり昭和の日本製トロピカル。こちらも阿久悠・都倉俊一コンビの作品で、曲自体がとてもポジティヴで、どこかおおらかなノリのよさがあるので、誰か“エロカワ”路線のアイドルがカバーしてくれないかなと長年思っているのですがまだ叶わないようです(「ヒツジさんの水が腐る」人は勘弁)。

甲子園の応援で、あと月河が聴いてて識別できるのは♪走る走るオレたち…の『ランナーズ』、曲名いまだに知らないけど♪ドカンと一発 やってみようよ…っての。それから♪ようこそここへ 遊ぼうよパラダイス…『パラダイス銀河』。光GENJIもまだまだ根強いですね。アニメソングでは『宇宙戦艦ヤマト』『ルパンⅢ世』。数年前実写リメイクされた効果か『キューティーハニー』もよく耳にします。

 そう言えば1020年ほど前、NHKのスポーツ実況チームに島村俊治さんというベテランアナがおられ、早稲田大学グリークラブのテナー出身で地声がハイトーンな上、音楽番組を志してNHKに入局したというだけあって音楽にやたら詳しく、甲子園の放送席でも「○回ウラ、△△高校の攻撃は打順良く2番ショート、今日2安打と当たっている誰某くんから、ここでアルプス応援は『スターウォーズのテーマ』です」「ワンナウト一・二塁となって今度は『魔法使いサリー』ちゃんです」なんて逐一“曲紹介”してくれていたものです。

今年は残念ながら地区予選敗退してしまいましたが、0406年、当地代表として3年連続で決勝まで勝ち上がって北国の夏を熱くしてくれた駒大苫小牧高校はブラバンも全国大会で常に好成績をあげており、レパートリーの豊富さ演奏の確かさと、試合の流れとのシンクロ度合いにも定評がありました。島村アナならご本人も、実況されるほうも楽しんでやれたことでしょう“曲紹介”。

駒苫の話題ついでに。月河は肉眼未確認ですがチアリーダーのヴィジュアルが地方校にしてはなかなかのハイレベルで、甲子園のカメラ小僧たちもひそかに“いちばん決勝まで勝ち残ってほしいチーム”だったとか。今年は小僧たち落胆しているのだろうなあ。姉妹校の駒大岩見沢が2回戦進出したので、できればそちらを熱く見守ってやってください。

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スイッチon

2007-01-03 00:09:32 | 音楽

スキマスイッチを初めて知ったのは、2003年6月、メジャーデビュー曲『view』がFM northwaveのメガプレイ曲に選ばれて頻繁にオンエアされるようになったときです。大橋さんの、透明ながらもサラッと聞き流し切れないひっかかりのある声質がまず耳に残りましたが、かなり自虐的に粗っぽい曲だなという印象で、一発で好感持てたわけではありません。

しかし、メガプレイの一ヶ月間大量オンエアという手法には、素材さえ良ければ不思議な演出力、イメージ増幅力があって、何度目かに聴いたときふと、アレ?この曲、80年代初期に好きでよく聴いていた山本達彦さんの『Sunrise highway』(♪ハイウェイを南へ 50マイル/行く先はただお前 お前だけの愛…)と、歌われている世界が似ていないか?と思ったのが、ハマリの入口でした。あの曲は81年のリリースでクルマのCMにも使われたはずだけど、スキマスイッチってこの人たち何年の生まれだろう、新人さんらしいから二十代前半だろうし、まさかあの曲にインスパイアってことはないよね?“焼津の海”って歌詞が聞こえるけどご当地かしらん?…と、オンエア時に各番組のDJさんが紹介してくれるデータを耳そばだてて聞くようになり、少しずつ深みへ。

あぁ、自分間違いなくこの人たちの曲、歌、好きだわと確信したのが05年の『全力少年』。この年の紅白で初めてヴィジュアル確認。ここが最大の関門だったかもしれませんが(?)、歌声や曲詞の雰囲気、ラジオでのトークから想像していたイメージを大幅には裏切らないルックスで、特に難儀せず通過。

06年には、松たか子さんに提供した『明かりの灯る方へ』で、もう一度見直したというか、惚れ直しました。歌い手としての松さん、声がきれいなのはわかるけどミュージカルだけやってれば別にいいのに…ぐらいしか思っていなかったのですが、“スキマ節”とも言うべき独特の旋律ラインが、驚くほど彼女の歌い回し方に合っていて、彼女の長所を引き出したことによって、鏡面に映し出すようにスキマの高いメロディメーカー能力がわかりました。

96~98年頃にはMoon Child、01~02年頃にはThe Kaleidoscopeも好きでよく聴いていたんですが、どちらも月河が本気でCD買い始めると、それを合図のようにして(笑)、ユニットとしては活動休止してしまいました。“瑕(きず)を内包する水晶”のような、端正ながらもシンメトリーにまとまらない感じ、硬質感の中の“痛み感”がどちらにも、スキマスイッチにも共通する気がします。音楽活動にはいろんな形があって、どこかで作品を耳にすることさえできれば、ライブなどに縁がなくFMで聴く、余裕があるときだけCDを買うのがせいぜいの体力のないリスナーには十分なのですけれど、できれば聞き知って惚れ込んだときのままの名義、編成で、長く活動を続けていってほしいと思います。

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賢い消費者!(←自画自賛)

2006-11-16 17:01:43 | 音楽

生活のBGM、天気予報、交通情報と、仕事にも外出にもお伴させているトランジスタラジオが故障してしまいました。ここ二年で三回目の“断線。”リール式イヤーレシーバーのコードが内部で切れてしまったのです。

電池切れでも、雷が近づいているわけでもないのに片方のイヤホンからの音が微妙にウィンウィン波打つように聞こえだし、そのうち右から左、左から右と音が移動するステレオマイクテストのようになって、やがて波打っていた片方が完全にフリーズする、という故障プロセスも前回と一緒。もう四の五の言わずに、速攻、電器屋さんへ持ち込みました。

とっくに保証期限が切れているのはわかっていましたが、一応、持ち込む前に、購入時の保証書と、修理記録を探してみました。買ったのは平成9(1997)年1月2日。電器店の初売りの日でしたが、地元では随一の大手だったこの電器店、経営破綻していまは無くなってます。これが失笑その一。

失笑その二は、忘れていたのですが、買った年の夏休みにも一度、いまから五年前の2001年9月にも一度、同じ症状で修理依頼しているんですね。買った年はまだ買った店が健在で、保証期間一年以内の無償扱い。2001年にはすでにこのお店は無く、いま何かと言うと駆け込む、自宅にいちばん近い電器屋さんからメーカー送り修理の伝票。故障箇所を読むと、一度めは右、二度めは左のイヤホンが、それぞれ聞こえなくなっている。二度めはもちろん有償。領収金額が入っていない伝票ですが、たぶん最近の二度の修理と同じ、四千円から五千円程度は払ったはずです。

つまり、手元に記録がある分だけでも、修理はこれが五度めということ。

そこで、今回は電器屋さんに訊いてみました。いまのと同グレードの性能で、もう少し故障しにくい新しい機種は出ていないのか?平成9年と言えばもうまる九年以上です。その間に音響、通信機器は大幅に進歩していますから、この際買い換えてしまおうかと。

でも、結局大差ないんですね。FMステレオ、AM、アナログTV音声1~3ch受信可能(このうちTV音声は無くてもいいんですが)、リール式イヤーレシーバー(ジャック差し込み式だとイヤホン断線のリスクは少ないような気がしますが、その前にジャックがすぐダメになる)でスピーカー内蔵のシンセチューナータイプだと、メーカー希望価格ベースで11,000~12,000円。平成9年に初売り値段で買った時も、当時3%だった消費税込みで一万円ちょっとでした。

いま花形のデジタル家電など、最先端の機器は開発後、後発メーカーが参入してくることで競争原理が働きめきめきと安くなってる(らしい)んでしょうけど、トランジスタラジオなんていう超ベーシックなアイテムはもう無風状態らしい。

9年前と同レベルの製品に同じだけおカネを使うというのもバカバカしいので、修理部品の供給が細々でも続く限り、修理し続けて聴くことにしました。

半永久的には保たず手頃なところで故障して、より高グレードの新品への買い替えを促す、というのが賢い工業製品の作り方だそうですが、私のような消費者ばかりだと技術もGDPも進歩しないだろうなあ。

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