12月に入りアカデミー賞の前哨戦となる映画賞が徐々に始まってきた。第88回アカデミー賞、ノミネーション予想の3回目。
★は当確予想。
【作品賞】
★「キャロル」
★「Brooklyn」
★「レヴェナント:蘇えりし者」
★「Spotlight」
★「ブリッジ・オブ・スパイ」
「オデッセイ」
「Room」
「クリード チャンプを継ぐ男」
「ヘイトフル・エイト」
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
当確予想の5作品は変わらず。「インサイドヘッド」と「スティーブ・ジョブス」をアウトにして、「クリード チャンプを継ぐ男」と、タランティーノの新作「ヘイトフルエイト」を予想にイン。先週より公開された「クリード チャンプを継ぐ男」の絶賛レビューが凄まじく、当確予想にしても良かったかもしれない。「ヘイトフル・エイト」は「またタランティーの西部劇じゃん」と勝手にスルーしていたが、おととい発表されたナショナル・ボード・オブ・レヴュー賞で助演女優、脚本賞などのタランティーノ映画らしい部門を確実に受賞。オスカーに絡むことは間違いないだろう。「マッドマックス怒りのデス・ロード」は同賞の作品賞を見事に獲得したが、同賞の作品賞がオスカーに絡むのはおよそ半々なので、まだわからない。
【監督賞】
★トッド・ヘインズ(キャロル)
★アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(レヴェナント:蘇えりし者)
ジョン・クローリー(Brooklyn)
トーマス・マッカーシー(Spotlight)
ライアン・クーグラー(クリード チャンプを継ぐ男)
上位4つは変更なし。5つ目のダニー・ボイル(スティーブ・ジョブス)をアウトにして、「クリード~」のライアン・クーグラーをイン。超えることがないと思われた不朽の名作「ロッキー」の新版として再スタートを切り、「新たなスポーツ映画の金字塔」とまで言われる映画に仕上げた手腕は評価されてしかるべきかもしれない。しかし、この部門は大御所が優遇される傾向があるので、スピルバーグ、リドリー・スコット、タランティーノあたりが入る可能性も高い。
【主演男優賞】
★レオナルド・ディカプリオ(レヴェナント:蘇えりし者)
★マイケル・ファスベンダー(スティーブ・ジョブズ)
★マイケル・ケイン(Youth)
エディ・レッドメイン(リリーのすべて)
マット・デイモン(オデッセイ)
前回予想からまったく変動なし。先月に公開された「リリーのすべて」(The Danish Girl)におけるエディ・レッドメインの演技はやはり称賛の的になっている。おととい発表されたナショナル・ボード・オブ・レヴュー賞でマット・デイモンが見事、主演男優賞を獲得。
【主演女優賞】
★ブリー・ラーソン(Room)
★シアーシャ・ローナン(Brooklyn)
★ケイト・ブランシェット(キャロル)
リリー・トムリン(Grandma)
ジェニファー・ローレンス(Joy)
エミリー・ブラント(ボーダーライン)をアウトにして、「Joy」のジェニファー・ローレンスをイン。「Joy」の予告編を見る限り、ジェニファー・ローレンスの演技力が遺憾なく発揮されている模様。もはや出演作が出るたびに、賞レースに入ってくる若きメリル・ストリープだ。作品がよっぽどコケない限りはノミネートは堅いのではないか。注視すべきは「キャロル」でケイト・ブランシェットで共演しているルーニー・マーラ。彼女がケイト・ブランシェットとともに、主演女優賞としてノミネートされる可能性も高い。
【助演男優賞】
★ベニチオ・デル・トロ(ボーダーライン)
★シルヴェスター・スタローン(クリード チャンプを継ぐ男)
マイケル・キートン(Spotlight)
トム・ハーディ(レヴェナント:蘇えりし者)
マーク・ライランス(ブリッジ・オブ・スパイ)
まず、当確予想に上げていた「Youth」のハーヴェイ・カイテルをアウト。それに代わり、いきなり当確予想に上げたのはシルヴェスター・スタローン!!出演作「クリード~」で、ロッキーの本人役として出演し、そのパフォーマンスに絶大な評価が集まっている。当確予想どころか、受賞最有力といっても良いかもしれない。また、拡大公開によって、すっかり勢いがなくなってしまった「スティーブ・ジョブス」。その影響によりコメディ俳優のセス・ローゲンをアウトにして、「ブリッジ・オブ・スパイ」で主演トム・ハンクスを喰う存在感で注目されたマーク・ライランスをイン。また、その評価を伸ばし続ける「Room」で子役を演じたジェイコブ・トレンブレイが入る可能性あり。助演部門は子役には寛容な傾向あり。
【助演女優賞】
★ルーニー・マーラ(キャロル)
★ケイト・ウィンスレット(スティーブ・ジョブズ)
★ジュリー・ウォルターズ(Brooklyn)
★アリシア・ヴィキャンデル(The Danish Girl)
ジェニファー・ジェイソン・リー(ヘイトフル・エイト)
不本意ながら「マッドマックス~」のシャーリズ・セロンをアウト。それに代わって「ヘイトフル・エイト」ジェニファー・ジェイソン・リーをイン。また、「リリーのすべて」で主人公の妻を演じたアリシア・ヴィキャンデルを当確予想にアップ。
今月でいよいよすべての映画が公開される。
主要部門で最有力と予想するイニャリトゥの「レヴェナント:蘇えりし者」の反応次第で、これまでの予想が大きく変動する可能性あり。同映画は「バードマン」に続き、革新的なアプローチに挑んでいるようで、セリフがほとんどない映画になっているらしい。イニャリトゥファンとしては是非成功してほしいところだ。あと、ロン・ハワードの新作「白鯨との戦い」も今月公開。予告編を見る限り、かなりアクションの多い映画になっているが、もしかすると主要部門と絡んでくるかもしれない。