から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

るろうに剣心 伝説の最期編 【感想】

2014-09-07 11:02:34 | 映画


日本映画がついにアクション映画に目覚めた。

「るろうに剣心 伝説の最期編」を試写で観た。
圧倒された。凄い日本映画だ。

前編からの期待に見事に応えてくれたと思う。
前編よりも後編の本作の方が断然好きだ。

正直なところ、ドラマ部分についてはやや物足りない。
明治維新となり、失われゆく侍魂の悲哀をもっとドラマチックに描いてほしかったし、
政府側によるラストの締め方についても「何を今さら」と違和感が残った。

しかし、それを補って余りあるほどの魅力が本作にはある。

格闘系アクション映画としては、タイ映画「トム・ヤム・クン!」や、
インドネシア映画「ザ・レイド」に匹敵する傑作と言ってよいのではないか。

前編の「京都大火編」よりもアクションのガチ度がアップしている。
前編では、クライマックスで女優たちが果敢にアクションに挑戦するのをみて、
シーンの迫力よりも、サービスカットの匂いが強く出ていた。

しかし、後編の本作では、出演俳優たちの身体能力、そして、
スタントマンたちの身体能力に懸けたアクションが目につく。
「限界のアクションを見せてやろう」という覚悟を感じる。

後編でも、多くのバトルシーンが用意されているが、
お気に入りは前編同様、剣心と宗次郎の一騎打ち(再戦)だ。
船上の形状を生かした秀逸なアクション演出に鳥肌が立った。

物語の軸をヒーロー(剣心)とアンチヒーロー(志々雄)に絞ったことも大きい。
おかげで、よりインパクトの強い人物描写が実現した。特に志々雄だ。

刹那的で道徳心が破綻。危うい妖気を放ち、圧倒的な強さを誇る。
魅力的な悪役がいてこそ面白くなるという、ヒーロー映画の成功例だ。
声と眼力だけで志々雄を体現した藤原達也に拍手。
劇中の名言は「何だ、チミは(お前は)!!」。笑

物語も剣心が志々雄を倒すというシンプルな方向性にしたため、熱中度が上がった。

クライマックスでの壮絶バトルは、「死闘」という名にふさわしい。
かなりの長尺だが「伝説」にするには適切な時間だったと思う。
船の美術セットも素晴らしい。

魅せることを強く意識した演出も良かった。これぞ正しい娯楽作。
海外に持っていっても堂々と見せられる日本製アクション映画の誕生だ。

【75点】

最新の画像もっと見る

コメントを投稿