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アナベル 死霊人形の誕生 【感想】

2017-10-31 08:00:00 | 映画


前作を上回る面白さ。悪魔は人を騙して、人の弱みにつけ込む。卑劣な悪魔の特性を活かし、恐怖に巧く転じさせている。「アナベル」誕生の裏側に、悲劇に見舞われた家族と孤児たちの物語があった。ドラマなくしてホラーを語らないジェームズ・ワンの作風を継承している模様。それにしても本作の悪魔は弱い者いじめが過ぎるw。なかなかサディスティックだ。アナベル(人形)は悪魔が巣食う器であって、彼女自身は全く悪くない。そう考えて見ているとアナベルが不憫で愛おしく思えてきた。

悪魔に取り憑かれた人形「アナベル」が誕生した経緯を描いたホラー。
物語のラストは、しっかり前作「アナベル 死霊館の人形」に繋がっていて思わず手を打った。

公開1週目の平日の会社帰り。ホラーだから空いていると思いきや、若い女子グループやカップルで賑わっていた。ホラー映画は、今や、うってつけの共有体験なのだと感じる。今週公開される「イット」の予告編が流れるなり「ワー、キャー」と絵に描いたような悲鳴が上がる。怖がる気が満々なのがわかって楽しい。

物語の発端は、人形作りの仕事をしているお父さん一家に起きた悲劇だ。その家に12年後、孤児院の女の子たちが移り住むことになる。ここで、早々に想像するのは、悲劇の当事者による人形を介した呪いだ。ところがそうではない。ミステリアスな夫婦の存在を含め、ことごとく見る側の予想を覆す脚本が面白い。

前作同様に悪さをするのは悪魔だ。そして幼気な少女たちに襲い掛かる。なかでも標的にするのは足の悪い女の子だ。少女たちのピュアな絆をも引き裂こうとする。なんとも憎たらしい。これぞ悪魔だ。その一方で、悪魔が出現するきっかけがとても切ない。大切なものを失った喪失から、「幽霊でもいいから」とその面影を求める感情は、自身も覚えがあるので胸を締め付けられた。

本作の監督は「ライト/オフ」のデヴィッド・F・サンドバーグだ。「来るぞ、来るぞ」で、案の定「キター」の怖がらせの王道をいくベタな演出だが、バラエティ豊かなパターンで飽きさせない。少女たちがわざわざ、恐怖をもらいにいくシーンはホラー映画のご愛敬としてスルー。前作につながるラストの語り口は秀逸だった。ジェームズ・ワンにはない作家性を発揮して、今後も面白いホラー映画を撮ってほしい。

【65点】
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