シャーリーズ・セロンとアクションの相性のよさ。長身かつ、長い手足、細すぎず太すぎずの肉体から繰り出される接近戦攻撃に迫力あり。ブロンドヘアーに濃いアイシャドーメイクがなんとも絵になり、艶めかしいネオン照明に映えること。ベルリンの壁崩壊という激動の情勢に密着した設定がユニーク、主人公に課せられたミッションにさらなるスリルを与える。全身痣だらけになった(登場シーンの裸体が衝撃的)主人公の女スパイの回想シーンで語られていく構成だが、現在と過去のシーンが頻繁に交差するので、流れが淀んでアクション映画にしては全体的に鈍重な印象を持つ。一匹オオカミな「ジョンウィック」と似た映画であるが、痛快アクションではなく、主人公も高確率で反撃を喰らう。そりゃ大怪我するわw。良く言えばリアル、悪く言えば泥試合。その多くは痛覚を刺激するものであり、少々見苦しい。一番残念だったのは、ストーリーラインをわかりにくくしたため、享受されるべきカタルシスがラストで空振りしたこと。清清しいラストの音楽と自身の感覚にギャップが生じた。ラストだけでなく、劇中随所に不可解な点も多い。もう一度、見返したいシーンもないため、振り返って話を整理する気にはならない。共演のジェームズ・マカヴォイ、「フィルス」同様、クズ男ぶりが似合って愉快。
【60点】
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