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ロスト・イン・スペース 【感想】

2018-05-08 08:00:00 | 海外ドラマ


現在、NetflixがテレビCMを始め、様々な媒体で猛プッシュしている「ロスト・イン・スペース」。
Netflixファンとしては、是非とも後押ししたいところではあるが、つまらないものはつまらないと言ったほうが良い。本作を見て「Netflixってこんなもの」と、見限られるのは残念だし、もっと面白いオリジナル作品は他にたくさんあるからだ。

計10話。イッキ見にはちょうど良いエピソード数であるが、7話目で離脱した。

元々「宇宙家族ロビンソン」という名で1960年代に人気を博した米テレビシリーズがオリジナルとのこと。オリジナルは知らないが、1998年の映画版「ロスト・イン・スペース」は昔、レンタルビデオ(VHS)で見たことがあった。

ドラマの概要はざっくりいうと映画版と同じ。地球に住めなくなったため、別の惑星に移住しようとしていたロビンソン一家が、宇宙船で移動中に事故に遭って宇宙で迷子になるという話。

映画版はなんとなくしか覚えていないのだが、「こんなSFだったっけ?」と思い返す。映画版と舞台設定が大きく異なるからだ。

SFは「サイエンス・フィクション」の略だが、この手の映像作品に期待するのは「スペース・ファンタジー」だ。本作はその設定がかなり希薄。宇宙で迷子になるというより、不時着した惑星で脱出を試みるという話だ。その惑星が地球と同じ環境というミラクルから始まる。大気の成分はもちろんのこと、周りの風景も地球とほとんど同じ。人間が不便なく生活できる。「いっそ、この惑星に移住すれば?」というのが最初のツッコミどころ。その後、脱出せざるを得ない惑星の危機が訪れるが、未知の惑星ならではの仕掛けも少なく、地球と変わらない画にSFを見ているワクワク感がない。

そんななか、SFらしい要素を感じるのは地球外生命体の存在だ。それが着ぐるみのキャラクターというのが貧相で残念。地球外生命体というよりも、人間によって作られたロボットのようなビジュアル。このロボットが、物語の大きな鍵を握るが、前半の大半をロビンソン一家の末っ子少年との友情物語に費やす。もはや宇宙空間という設定は必要ない。その友情物語も、末っ子少年の身勝手な判断で一旦終結を迎えてしまう。

もう1人展開をかき回すキャラクターが出てくる。本作のヒール的な役割を担う女子で、その正体は嘘つきの詐欺師だ。展開にスリルを与えるというより、邪魔をする印象が強い。たいしたキャラでもないのに言動がいちいち小賢しく、イライラさせる。このキャラクターの排除をモチベーションにして見続けるのもありだが、他に引き付ける魅力もないので続かない。各エピソードごとにトラブルがちゃんと用意されるが、予想の範囲で事態が終息する。

一家のお母さんを演じたのは、「ハウス・オブ・カード」でジャッキー役を好演し、強い印象を残したモリー・パーカーだ。本作の実質的な主人公としてドラマを引っ張る。一家のお父さんよりも技術的な知識に長け、新たな女性像という現代の潮流を感じさせるキャラ設定だ。しかしその一方、一家の大黒柱であるお父さんが頼りなくて大きく見劣る。一応、ドラマの中ではお父さんが活躍するシーンも出てくるが、お母さんと比べると明らかに不均衡だ。演じるトビー・スティーブンスが一向にカッコよく見えない。ワケあり夫婦の2人の関係性も、7話目まで展開に干渉することはなく、どうにも釈然としない。一家の末っ子少年役の男の子は普通に可愛かった。

図ったように次女のラブロマンスを途中で差し込むなど、茶番なシーンも少なくない。脚本が全体的にぬるい。ファミリー向け作品だからというのは理由にならない。

Netflixのオリジナルコンテンツ。ドラマではなく映画だが、今年に入って「ミュート」や「タイタン」など、ことごとくSF作品がつまらない。一方、ヒューマンドラマ系やドキュメンタリー系は面白い作品が多い。資金の問題ではなく、監督、脚本家のキャスティングを含めた製作過程の問題だろうか。周りの知人の評判も良くないし、本作の続編はないと思われる。

SF作品であれば、Netflix製ではないものの、「スタートレック:ディスカバリー」のほうが断然面白い。

【55点】
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