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ゲーム・オブ・スローンズ 最終章 【感想】

2019-05-24 01:39:19 | 海外ドラマ


ゲーム・オブ・スローンズがついに終わってしまった。。。

これは「有終の美」といえるのかな。

最終章(第八章)の最終回を見届けたので、感想を残しておく。

2013年よりほぼリアルタイムでシーズンを追っかけ、新しいシーズンを毎年、首を長くして待っていた自分としては、どんな結末になるのか、緊張感をもって視聴した。

<以下、軽くネタバレあり>

前話で、王都を灰にしたデナーリス。このドラマのタイトルのとおり「誰が玉座に座るのか」、最も近いポジションに立ったデナーリスだったが、シリーズを牽引してきたジョンとティリオンが彼女の前に立ちふさがる。どの視聴者がみても、デナーリス側に正義はなく、今や倒されるべき敵として描かれる。そして、展開は予想通りに進んだ。

あれだけの惨劇を起こしたデナーリスが、どんな顔をしてジョンと対峙するのか。このエピソードの出だしに注目していたが、彼女はただ勝利に酔い、ケロッと何事もなかったように振る舞う。これぞ「狂王」化というべきかもしれないが、もっと短絡的な「狂人」化に見えた。自分のヨミであった「葛藤」はなかったようで、勝利を手にするために「当たり前のことをしたまでよ」といった具合。

では、あそこまで虐殺の恐怖を長尺で見せる必要はあったのだろうか。彼女の過去を振り返ると、服従しない者には慈悲を与えず処刑を繰り返してきたが、王都での虐殺はまったくの別モノだ。”デナーリスは変わってしまった”とみるのが自然と思える。その背景を明確な説明に至らないまでも、本エピソードでもう少し描くべきだったと思う。ジョンの存在は間違いなく、彼女の脅威になっていたことは間違いなく、前話の空爆シーンでも地上にいるジョンを完全に無視していた。しかし、このエピソードでは変わらぬ愛情を示しており理解不能である。これまでのシーズンを通して、ジョンと並び、民衆に愛され、視聴者に愛されたヒロインだったはず。このデナーリスの描き方はどうなんだろ。

その後、最終的に「王」となり勝利するキャラクターが決定する。全くの予想外だったが、終わってみれば、この形が最良に思えた。ただし、その決定プロセスは、かなりフワフワしていて(「そう言うんなら俺やるけど」みたいなw)、見返して見ても釈然としなかった。耐え難き苦難の道を辿ってきた、ジョン、サンサ、アリア、ブランの残されたスターク家の4人。彼らが再始動する姿を、納得感と違和感が入り混じる複雑な心境で見送った。

約9年間に渡り、重厚なドラマと壮大なファンタジーで、世界中の海外ドラマファンを虜にしてきた「ゲーム・オブ・スローンズ」。その締めくくりとして位置する最終話は、尻すぼみな印象を拭えない。全6話を通して振り返ると、期待感が高まった第1話が興奮のピーク、第3話と第5話のスペクタクルを表現するのに製作陣の全勢力が注がれたように見えるが、そのいずれの内容も感心しなかった。映画「アベンジャーズ・エンドゲーム」のように、ファンを満足させる結末は奇跡の業だったのだな、と思いを巡らす。そもそもファンを喜ばすことは眼中になかった可能性も高いが。

2019年の海外ドラマのベストは本作の一択と断定していたが、撤回せざるを得ない。超えることのない神ドラマである「ブレイキング・バッド」にどれだけ迫れるか、なんて勝手に息巻いていたものの、それ以前の問題だった。2年間も待たされたのだから、徹底的に脚本を練り上げてほしかった。

第5話の脚本内容に対して「撮り直せ!」というGOTファンの署名が集まったらしいが(気持ちはわかりますが)、さすがに謁見行為が甚だしく、これまで楽しませてくれたドラマのキャスト陣、製作陣に感謝するべきだろう。脚本はどうあれ、テレビドラマの規格で、これほどの映像体験を提供してくれた功績は称賛して然るべきだ。

それにしても、あんなに無垢な子供だった、サンサ、アリア、ブランは立派に成長したものだ。もう1回、第一章から見返したいと思う。

【65点】



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第一章のパッケージを改めてみると、当時、誰が生き残るか、誰が主人公なのか、全くわからなかったものの、それを完全に予見していたことに気づいた。


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