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ゲーム・オブ・スローンズ 第七章 【感想】

2017-09-06 08:00:00 | 海外ドラマ


先週、スターチャンネルで最終回が放送されたゲーム・オブ・スローンズ(GOT)の第七章。
録画でイッキ見したので感想を残す。

シーズン最高傑作。
この展開をどれだけ待っていたことか。。。。
「ゲーム・オブ・スローンズ」を観るという幸福を噛みしめる。
壮大な旅路の果てに待ち受けた幾多の再会に心を揺さぶられる。

第七章は計7話で、これまでのシーズンのなかで最もエピソードの少ないシーズンだった。しかし、これほど1話ごとに熱中したシーズンはなかった。GOT版「アベンジャーズ」が実現。まさに副題の「氷と炎の歌」。そして、シーズン1からスターク家を応援してきた自分にとっては、むせび泣き(w)のシーズンだった。第一章を見返したくなるのは必至で、第七章のあとに第一章を観るとまた味わいが違って、GOTへの愛がいっそう深まった。

細切れに展開していたエピソードが大きく3つに集約した前章(第六章)。英雄「ジョン・スノウ」率いるスターク家、ドラゴンの母「デナーリス」率いるターガリエン家、爆破の一掃により女王の座を得た「サーセイ」率いるラニスター家である。

<以下、ネタバレあり>

第七章では、これらの3つの勢力がいよいよ1つの舞台で相まみえることになる。鳥肌。



ついに氷と炎が出会う。
これまで一度も交わることのなかった、スノウとデナーリスだ。2人とも民に選ばれた王であるが、野心の有無で異なる。スノウは自身が望んで王になったわけではなく、王の座に固執していない。一方、デナーリスは、自身がウェスタロスの王になることを強く望み、現王であるサーセイを打ち倒すことに執念する。華奢な体型のデナーリスであるが、ますます女王としての威厳と風格が出てきた。かつて「狂王」と恐れられた父を「悪人だった」と公然と言いのけ、自らは民の救済者であることを目指す。前章でティリオンを、自身の「王の手」に任命し、ティリオンの助言を受けながら正しい道を模索する。人としての良心を見失わないティリオンは相変わらずカッコいい。スノウの人間性を見抜いていたティリオンが、ラニスター家から王都奪還のために必要な同盟者として、スノウをデナーリスに引き合わせたのは必然だったといえる。そしてそれは苦難の旅を共にしたティリオンとスノウの再会でもあった。「ナイツウォッチの新兵だった男が北の王になるなんてな」「ラニスター家の手がターガリエン家の王の手になるなんてな」、2人が交わす言葉が感慨深い。まさに「長い旅路の果て」だ。その後の、デナーリスとスノウの初対面シーンには思わず鳥肌が立った。「ひざまずけ」というデナーリスに対して、まったく媚びないスノウだ。ドラゴンもスノウを勇者として認めているようだ。



デナーリスのもとには、既にグレイジョイ家のヤーラ、タイレル家のオレナ婆さんらが同盟関係として集まっている。このメンツが揃うのも凄いこと。グレイジョイ家のヤーラ姉が来るということは、その弟のシオンもついてくる。かつてスターク家で寝食を共にした、スノウとシオンも再会するのだ。スターク家の転落の一翼を担ったシオンに対して、スノウが激しい憎しみを持つのは当然のこと。再会して早々「サンサが死んでいたら、お前をこの場で殺していた」というスノウの言葉が重い。かつてスターク家に「居候」として住んでいた2人は、その後、正反対の人生を歩む。禁欲のナイツウォッチに入り、命をかけて、正義のため仲間のために一歩も引かず戦い抜いたスノウに対して、好色に耽け、人を裏切り、転落し、逃げ続けてきたシオンだ。運命のいたずらのようでもある2人の再会。シオンが進むべき道を模索するなか、スノウと真っ向から向き合う場面はシーズン屈指の名シーン。「お前はどちらかを選ぶ必要はない、グレイジョイ家であり、スターク家の人間だ」。スノウの言葉に震えた。その言葉についに目を覚ましたシオン、次のシーズンで死んじゃう予感がする。



そして、スターク家の面々。思えば、あまりにも悲惨な一家の離散。子どもだったそれぞれが辿る苛酷な長い長い旅路を経て、前章で再会を果たしたスノウとサンサのもとに、ブランとアリアが合流する。そりゃ泣くわ。しかし、ここで本ドラマのSっ気が発動。間違いなく感動の再会である。しかし、本ドラマは感傷に浸ることを許さず、けっこうドライな描き方に終始する。ファンとしては、彼らがまだ子どもだった頃の懐かしの回想シーンを入れてほしかったが、作り手としてはファンの想像力に委ねたかったのかもしれないし、過去を振り返る暇などない状況を強調したかったのかもしれない。そして何よりも、スターク家の子どもたちが想像もできなかったほど強く成長しているのだ。ただし、ブランについてはいささか文句アリ。「三つ目鴉になったから」で、彼のために弟を失い、命をかけてスターク家の連れてきたミーラに対してあんな冷淡な別れの挨拶はないだろう。人間の心まで失ってはいないはずだけど、急に変なキャラクターがついた印象。サンサとアリアという姉妹の再会も、そのまま仲良し子良しにはならず、2人の間に早々に不協和が生まれる。しかし、結末にホッとし、2人の成長した姿を再認識させる。さらば、ベイリッシュ。



そしてそして、本章の最大のハイライトは、ジョン・スノウ、デナーリス、サーセイといった、これまで別々のエピソードで主役としてドラマを引っ張ってきた3人の集合である。まさに夢の競演。その対談が実現するきっかけとなるのが、デナーリス軍による、ジェイミー(ラニスター家)軍への急襲だ。前章にも増して、デナーリスが従える3頭のドラゴンが巨大化し、圧倒的な戦闘力を見せつける。その攻撃の迫力がスゴい。ホント映画だ。「ドラゴンを持つ者が王になる」という言い伝えは、普通に現実的な話なのだと実感。しかし、ドラゴンの破壊によってもたらされる危うさも見逃さず、冷静なティリオンが向ける悲壮感が印象的だ。さすがGOT、スペクタクルに溺れない。



3者の集合により、彼らに従うキャラクターたちの間にも様々な再会劇が生まれる。これまでのシーズンを追いかけてきたファンにとってはどれもこれも堪らない。奇妙な絆で繋がっているティリオンとブロン、拭えない兄弟愛を持つジェイミーとティリオン、かつて命を奪い合ったブライエニーとハウンド、苦難を共に乗り越え友情が芽生えたジェイミーとブライエニー、ティリオンの命を救ったポドリック、アリアとホットパイ(癒される)。。。。人間は縁で繋がっている。

その他。
王都攻略のための出兵するワームとミッサンディがついに結ばれる。ミッサンディの豊満な肉体がまぶしく、眼福と官能のベッドシーン。。。。死の軍団を倒すための方法を探るため、知識の城に留学中のサムは、灰鱗病に感染したジョラーと出会い、看病をすることになる。ジョラーの父に恩義があるサムは必死の治療を施す。その「皮膚はぎ取り」治療は本シーズンで最も痛覚を刺激するシーン。しかも、それで治っちゃうんかい(爆笑)。ジョラーにとって命の恩人となったサム、治療後、2人は別れることになるが再び再会すると思われる。死の軍団を倒すヒントを見つけたサムは使い鴉でスノウに伝える。それを受け取るなり、疑うことなく「これは私が最も信頼する男からのメッセージだ」と変わらぬ絆の強さを示すスノウ。スノウとサムの友情の日々を思い返しウルウルする。愛する1人娘を殺されたサーセイは復讐を果たす。その内容が100倍返しでエグい。あんな地味に恐ろしい発想、よく思いつくな。。。



本章の最大のスリルである、スノウ一行&ドラゴンVS死者の軍団の戦いなど、夢にみたアクションが展開する。ホワイトウォーカーの力はかなり強大であり、事態の深刻さを印象付ける。最終話ではまさかまさかの事態に発展し(その展開にも納得)、「どうなるの!?」と固唾を呑むばかり。いやはや大変なことになった。。。最終章となる次の第八章では、とんでもないスケールになりそう。

今週入ったニュースによれば、次の章の放送は再来年2019年になるとのこと。あまりにも待たせるが、きっと伝説を作ってくれるに違いない。

【98点】

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