
新作DVDレンタルにて。劇場鑑賞を逃した韓国映画。
ワケあって田舎の漁村に赴任してきた女性警察官と、その村で家族から虐待を受け続ける少女との交流を描く。ネタばれ厳禁な映画だが、サスペンスではなく、真っ当で誠実な人間ドラマ。
降り注ぐ暴力のなかで少女は女に助けられる。女は少女を守りたかった。少女は愛に飢えていた。偏見が事実をねじ曲げ、少女の愛が女の人生を狂わせる。
虐待という悪に対抗する正義を、愛をもって語るドラマと思いきや、中盤以降から予想もつかない方向に変わっていく。愛についてユニークな考察をしたドラマだった。物語を通して、冒頭にあった傷だらけの少女と、ラストの少女の印象がまるで変わってしまう。それを狂気として片づけるのではなく、愛を知った人間のあるべき変貌として捉える。主人公の女が最後に選んだ選択がまさに本作の答えといえる。ハッピーエンドであり、バッドエンドでもあるラストに深い余韻が残る。すっかり大人の女性になったペ・ドゥナと、しなやかに成長を遂げたキム・セロンの「静」の名演が素晴らしい。ただし、役柄もあってか、キム・セロンが痩せすぎて心配。もっとご飯をたくさん食べて、女の子らしく健康的になってほしい。
【65点】
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