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アニメ「寄生獣」がとても面白かった件。

2015-04-06 21:16:37 | 日記


もう一週間以上が経つが、日テレの深夜アニメ「寄生獣」が終了したので、感想を残しておく。
実写映画「寄生獣」の公開に合わせてか、昨年の10月から放送が開始された。計24話で、自分はCMが省略されて観られるhuluで鑑賞。連続アニメ番組をここまで追っかけたのは、テレ東の「夏目友人帳」以来であり、とても久しぶりだ。

アニメ版のサブタイトルは「セイの確率」。その意味は原作が持つ「生」「性」「正」などの様々なメッセージが込められているとのこと。確かにどの「セイ」にもあてはまる物語だ。

不朽のエポックメイキングである原作漫画のアニメ化だ。
で、このアニメが示した方向性は原作の「完全コ ピー」であり、これが大きな成功要因になったと思う。

実写映画を観るにあたり、原作を一通り読み終えたばかりだったので、その「完コピ」の精緻さに目を見張った。物語の中盤に出てくる、田村玲子が4人の寄生獣に囲まれ、自らの顔面で棒高跳びのように壁を超えるシーンや、最終話での屋上でのクダリで、巻き添えを食う上司とOLがいちゃいちゃしているシーンなど、アクション描写から、隅っこのキャラ設定まで、何から何まで原作のままである。セリフ(脚本)についても、ほとんど原作での吹き出しセリフのままだ。
自分が知る限り、唯一、原作と違うのは、主人公のシンイチが元々は眼鏡っ子であるという点と、ミギーと心臓で繋がったのちに、映画「スパイダーマン」と同じように、視力 が上がってメガネが不要になるというパートぐらいだろうか。もちろん、原作は今から20年以上前の設定なので、時代風景や、小道具、衣装含めたキャラクターの造形も変わっているのだが、それ以外はほとんど変わっていない。

にも関わらず、違和感なく観られたのは、原作が持つ普遍性と、そのシナリオが高い完成度を誇った点にあるだろう。そして、映像作品として夢中になれたのは、その原作を「完コピ」した製作陣の大英断にあったのだと思う。

間もなく後編が劇場公開される実写映画は、原作にアレンジを加え、シンイチとミギーのバディムービーに仕上げている。これは観る人の好き嫌いの問題だと思うが、自分は原作通りのアニメ版の描き方が断然好きである。シンイチとミギーの関 係性は「お友達」ではなく「補完関係」として描いたほうがドラマに厚みが出る。おかげでアニメの最終話は原作と同じ感動を味わうことができた。

そしてアニメ版のもう1つの成功要因は、ミギーのキャスティングに平野綾を据えたことだろう。彼女の高い声質と、抑えたトーンで徹した高い演技力が、ミギーが持つ愛嬌と冷徹さを巧く具現化させた。それと比べると映画版の阿部サダヲは客寄せのキャスティングに思えてしまう。

最終話を見届け、結末の切り方も原作のままだった。とても満足。
原作を知らないで、アニメを観た若い世代が違和感なく観られたのか気になる。

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