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映画とサウナ。

2015年ベスト映画トップ10

2016-01-10 15:00:00 | 勝手に映画ランキング
2015年は映画、特に洋画の大豊作な年だった。年が明けてしまったが、昨年の総括としてベスト映画のトップ10をまとめてみた。
選出対象は今年公開された新作映画の中で、劇場で観た61本とDVDの追っかけで観た124本。

1位 マッドマックス 怒りのデスロード

2015年は「マッドマックス 怒りのデスロード」が公開された年だ。年末の「スター・ウォーズ」の公開によって多くの映画ファンが今年のベストワンの鞍替えをしているようだが、今年のベストワンは本作以外には考えられない。アドレナリンが放出し続ける120分。狂気に溺れる快感に満たされた120分。荒涼の砂漠で盛大に打ち上げられるイマジネーションのスターマイン。これまでの映画の常識、あるいは規格の枠を突破してしまった歴史的傑作。単なるカルト&キワモノ映画として扱われることは心外。常軌を逸したアクションのなかで語られる多くのメタファーと、崇高で美しい人間ドラマは芸術作品として扱われて然るべき。今年の100点超え映画。

2位 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

敬愛するイニャリトゥ映画の最高傑作。人生は物語であり、演じるべき舞台でもある。その主演は自分に他ならない。本作の主人公を通して自身のこれからの人生を追体験する。「こうありたい」という願いを妨げるものの多くは時間だ。過去と現在と未来。劣化を余儀なくされる加齢。本作は止まることのない時間の流れをノーカットで表現する。そして、リアルとイマジネーションの世界をシームレスに繋げる離れ業をやってのけ、男の生き様を脳内から見つめさせる。人生は滑稽で愛おしい。だから挑戦し続ける価値がある。最高のキャスティングと見事なアンサンブル劇を堪能。

3位 セッション

ラスト9分間に奇跡が舞い降りる。振り返ってみると音楽映画でもなく、スポ根映画でもなかったように思う。一流のドラマ―として大成することを夢見る青年と、どこまでもサイコパスな鬼教官の壮絶な削り合いが繰り広げられる。全編に渡る圧倒的なパワーと疾走感。2人の摩擦によって放出された熱が上昇気流となって浮上し続け、その到達点に破壊と覚醒の「セッション」が待ち受ける。監督デミアン・チャゼルの編集の神業が唸りを上げる。驚愕のパフォーマンスに衝撃と恍惚で自制が効かず、涙が止まらなかった。

4位 クリード チャンプを継ぐ男

全身に電流が走り、全身の涙が絞り取られた。終わったはずの「ロッキー」シリーズの魂が、世代も人種も違う1人の青年に継承された。誰がその続編に期待しただろうか。本作の製作は勝てる見込みのない挑戦だったはず。しかし、俊英ライアン・クーグラーはシリーズへの愛と、自らの作家力と演出力をもってその無謀な挑戦に鮮やかに勝利してみせた。それも全く新たな物語として誕生させたのだ。同時期に公開された「スター・ウォーズ~」の熱狂の陰にすっかり隠れてしまったが、「スター・ウォーズ~」を凌ぐ傑作であることに違いなし。クーグラーの勝利に喝采を贈る。

5位 ナイトクローラー

善悪の垣根を悠々と飛び越え、暴走し突き進む男のドライビングムービー。人間が持つ防衛本能と好奇心に餌を与える男の野望が疾走する。パパラッチとローカルテレビ局という設定をもって、資本主義によって怪物が生み出され、その怪物を野放しにする現代社会の歪さを鮮烈に描き出す。ジェイク・ギレンホールの怪演が凄まじく、彼が演じた主人公「ルイス」は2015年最強のヴィランだ。

6位 イミテーション・ゲーム

破壊と殺戮の第二次世界大戦。その地獄を終結に向かわせた数学者の男がいた。本作で目の当たりにするのは驚くべき真実。独裁者ヒトラーに打ち勝つための「ゲーム」の攻防はスリリングで目が離せない。しかし、それ以上に記憶に残るのは主人公チューリングの造形だ。同性愛に不寛容だった時代で不遇の人生を送った男の孤独と、少年時代に刻まれた愛の記憶。本作は紛れもないラブストーリー。主演のカンバーバッチの名演も忘れがたい。

7位 インサイド・ヘッド

ピクサー映画が鮮やかなカムバックを果たした。豊潤な想像力と無二のオリジナリティ。アニメーションだから実現しうるダイナミズムを最大限に活かす。カラフルで無邪気な冒険活劇の中に緻密な計算と構成が潜む。これぞピクサーの真骨頂。人は感情によって人生を歩み、思い出によって成長する生き物だ。まさかあんな形で見せられるとは。。。完全に泣かされた。

8位 スター・ウォーズ/フォースの覚醒

2015年、全世界の映画ファンに最も期待され、その期待に見事に応えることに成功したシリーズの新章。映画ファンたちの熱狂ぶりは凄まじく、映画興行は多くの新記録を更新中。世界観に依存してきた従来のシリーズにあまり思い入れがなかった自分にとっては、本作がシリーズの最高傑作。4人の新キャラが実に頼もしく魅力的。そして彼らにしっかりとしたドラマを与えたことが何よりも素晴らしい。フォースの新解釈に大興奮。

9位 キングスマン

10割バッターのマシュー・ボーンが、また新たな傑作を生み出す。彼の手によるスパイ映画はクールで超ハイテンション。英国紳士の象徴であったブリティッシュスーツはまさかの戦闘服で、その戦闘服を美しく着こなすコリン・ファースが、まさかのバイオレンスアクションで咲き乱れる。ボーンの豊かな遊び心と絶品のアクションセンスが炸裂。今年はスパイ映画が多く公開された年であったが、本作が断トツのナンバーワン。

10位 フォックスキャッチャー

失われた栄誉を取り戻そうともがく男。その男の兄で才能の恵まれた人格者の男。かつて「死の商人」といわれたデュポン家の末裔で2人の才能を利用し自身の夢を実現しようとする男。3人の男の間に緊張の糸が張り巡らされる。その糸が絡み合い切れ始め、3人の信頼関係が崩れゆく様を戦慄のスリラーとして、あるいは持たざる者たちの哀愁のドラマとして描き出す。名匠ベネット・ミラーのキャストたちの肉体に賭けた演出が光る。

次点
「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」
「人生スイッチ」
「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」


上半期のベスト3がそのまま、年間のベスト3になった。「マッドマックス~」が少し突き抜けているけど、上位3作品についてはどれも通年であれば年間1位にしてもおかしくないほどの大傑作。なお、日本映画を含めても、このベスト10の中には入らないので別立ててランキングを設定することにする。




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