から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

ローガン・ラッキー 【感想】

2017-11-28 08:00:00 | 映画


後味が気持ちのいい快作。種明かしの痛快さもさることながら、綺麗なハッピーエンドに胸がすく。
何かとアンラッキー続きのローガン兄弟による大金泥棒を描く。その方法はカーレースイベントの売上金を横からかすめとるというもので、誰も傷つけず、誰も脅かさず、「強奪」という言葉は似合わない。ソダーバーグの過去作「オーシャンズ」シリーズが「プロ」たちによる犯罪劇である一方、本作は素人による犯罪劇。綿密に立てた計画も当然のように巧くいかず、ラッキーとアンラッキーが交互に押し寄せ、笑いとスリルに転じていく。全編、オフビートなユーモアが散りばめられていて、一見、コーエン兄弟の映画を見ているようだ。主人公の兄は離婚と失職(クビ)という不運続きながら、かつては田舎町のアメフトスターだったという背景あり。栄光に焦がれるアメリカの国民性と、南部の貧困問題という暗部にさらりと触れているが、語り口は終始軽快でずっと見ていられる。
今やすっかり売れっ子となったチャニング・テイタムとアダム・ドライバーの兄弟役は新鮮で、アンラッキーな兄弟を楽しく演じている。しかし本作で一番目立つのは、「唯一のプロ」としてチームに加わる爆弾男を演じるダニエル・クレイグだ。「ボンド」の匂いを完全に消した久々の怪演で、映画を一気に賑やかす。兄弟のセクシー過ぎる妹に出会うなり、「見るなよ、見るなよ」とダチョウ倶楽部ばりのフリに爆笑する。
ごく一部(セス・マクファーレンw)を除き、登場人物全員がもれなくハッピーになるエンディング。楽しい映画だった。
【65点】
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