から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

Room 【気になる映画】

2015-10-25 10:00:00 | 気になる映画


今月から始まっている北米での話題作映画の公開ラッシュ。賞レースを狙える注目作が期待通りの評価を得ている。

そのラインナップは、リドリー・スコットの「オデッセイ」、ロバート・ゼメキスの「ザ・ウォーク」、ダニー・ボイルの「スティーブ・ジョブス」、スピルバーグの「ブリッジ・オブ・スパイ」といった、いわゆる名匠と言われる監督たちのタイトルばかりだ。
しかし、そんな中、先週より公開された映画で、個人的に注目していたタイトルが、それらを上回る絶賛評を浴びている。「今年最高のインディーズ映画」と言われている。

「Room」(原題)という映画だ。

「Room」という部屋に監禁され、生まれ育った母と子どもが、外の世界に脱出し、一般の社会生活に適応しようとする話らしい。
実際にあった事件を基にした同名小説の映画化らしい。シリアスなドラマだが、暗く閉塞感に陥ることなく、希望ある感動のヒューマンドラマに仕上がっているとのこと。

そのレビュー数はまだ100に達していないものの、現時点のロッテントマトのスコアは96%のフレッシュを獲得。また、先に開催されたトロント映画祭では並みいるタイトルを押しのけ、堂々の観客賞を受賞している。同賞の受賞は、過去にアカデミー賞の作品賞に多く繋がっていることから、一気にアカデミー賞の本命に名乗りを上げた格好だ 。

監督は、前作でマイケル・ファスペンダーが被り物キャラを演じた「FRANK -フランク-」を手掛けた、レニー・エイブラハムソンだ。「FRANK -フランク-」は北米での批評家からの好評とは裏腹に、観客の支持を得られなかったが(自分も全くハマらず)、本作はロッテントマトのオーディエンスのフレッシュは93%で、映画ファンが観ても楽しめる内容になっているようだ。

そして、主人公の母を演じるブリー・ラーソンと、その子どもを演じたジェイコブ・トレンブレイへの大きな賛辞が飛び交っている。トレーラーを観ると2人のエモーショナルな演技の一端が見られる。ブリー・ラーソンの演技を観ると泣きそうになるな。。。

2013年の「ショートターム」にて、ブリー・ラーソンがアカデミー賞にスルーされたことを根に持っているが、本作では、ノミネート確実どころか、受賞最有力との声が挙がっている。ファンとしては嬉しい限りだ。子ども役のジェイコブ・トレンブレイは、トレーラーを観ると、可愛らしい女の子なのだが、本人も役柄も男の子のようだ。彼の空を見上げるイノセンスな眼差しが印象的だ。

非常に気になる映画だ。

日本公開は、「ショートターム」の時と同様にまだ未定である。アカデミー賞に絡めば、近くのシネコンでも上映してくれるだろう。今後の賞レースの行方を追っていきたい。


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海にかかる霧 【感想】

2015-10-25 08:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
1998年、不況にあえぐ一隻の漁船が金策のために中国から朝鮮人を密入国させるという話。韓国映画らしい見応えのあるサスペンス。最近このぐらい骨のあるサスペンスを日本映画でめっきり観てないな・・・・
船の所有者であり船長でもある男にとって、代々受け継がれてきたボロ船は自分の命にも等しい。そこに乗り込む乗組員たちは家族のようなもので、彼らには生活するための給与を渡さなければならない。不漁と船の機能劣化により行き詰まった船長は密航という禁じ手をとる。大量の生身の人間を隠しながら運ぶのだ。そもそも危ない橋であったが、密航中、取り返しのつかない事故が起きる。その直後、海に霧がかかる。霧は罪を隠し、人を惑わし、狂気を船内に密閉する。それぞれの欲望に憑かれた人間たちのサバイバルが始まる。
韓国ならではの強い上下関係が下地にあり、その船における選択と判断はすべて船長に委ねられる。その命令は絶対であり、まさに船上の「大統領」だ。船長は乗組員を守る使命を負い、本作で描かれる船長は、正義や倫理よりもその使命を優先する。しかし、彼が下した決断は巧くいくはずはなく、事故が発生した時点で終わりが見えている。が、人間はあがく生き物だ。そして盲目になる。悪転する事態を止めることができない。
本作では、スリラーを醸成するために、漁師たちの気質を少々デフォルメしている感があるが、あの極限化であれば、人間の心理は想像の届くところにはないのだろう。海上という限られた状況下で描かれるドラマだが、2時間という長尺を牽引し続ける力は、さすが韓国映画。ラストの切り方に余韻が残る。船長演じたキム・ユンソクの迫力、怖かった~。
【65点】
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