から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

イコライザー 【感想】

2015-03-28 22:14:03 | 映画


新作DVD感想。

イコライザー 【65点】
痛快痛快。ホームセンターに勤める男が、巨大なロシアンマフィアの組織をたった1人で「浄化」する話。タイトルの「イコライザー」よりも「クリーナー」。男の目的は1人よがりな正義にあらず。平穏に実直に生きる人々を脅かす悪をこの世から取り除くことにある。その悪に対しても制裁や天罰を与えるのではなく、正しいことを為す機会を与える。平和的な解決を前提とするが、そう簡単にはいかず、更正のしようのない悪が立ちはだかる。力には力をもってしか、終わらせることのできない現実。「お前に対しては例外だ」と、そこから一気に容赦のない男の殲滅作業がはじまる。男は一騎当千の凄腕をもち、男の前では銃も玩具同然になる。その手並みの鮮やかさが堪らない。「どこまで強いんだ?」というツッコミはどこかへ行き、その痛快さに身を任せる気持ちよさ。主人公は無敵の聖人であり、デンゼル・ワシントンが説得力をもった存在感で魅了する。西部劇を観ているような味わいだ。物語の構成もシンプルにしてあるのが良い。ただ、クロエのキャラは、クロエ人気を意識したリップサービス程度で、彼女じゃなくても良かったと思う。続編あったら劇場で観たい。

ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ 【40点】
「こんなの映画と認めん!」は映画の多様性を否定してしまうことになるのか。1つ言えるのは、前作に続き映像作品として普通に面白くない。「ゴッド・タン」は好きだが、番組の特番でやってほしい話だ。映画にしたことで無駄な色気を出した分、逆につまらなくなった。これを劇場で観ることを楽しみにしているファンがいると思うと複雑だし、映像特典で、演者たちが「廊下での長回しシーン、凄いな!」としきりに感動するのを見て悲しくなる。本作の最大の魅力は劇団ひとりのアドリブだ。アドリブを軸に映画を作り出していく、その製作プロセスは斬新だし、強い可能性を感じる。但し、本作においては、その土台となる脚本があまりにも幼稚だし、低レベル。映画という高い入場料金を支払う以上「お笑いバラエティなんだからー」というノリはやめてほしい。ちゃんとした映画人が、アドリブという本作のプロットをそのまま継承し、本気で映画を撮ったら、とんでもない傑作ができそうな予感もするのだけれど。

グレート・ビューティー【55点】
「年甲斐がある」という年齢は何歳なのだろうか。主人公の男は65歳だが、まだまだ「男」だ。
過去にヒット作を出して以来、小説を書いていない「小説家」が、10代の若き日に恋した女性の死を受け、追憶の日々を送る話だ。物語は変化することを避け、ローマの町をウロウロする主人公をひたすら追っかける。夜な夜な繰り広げられるセレブな人たちの狂乱パーティーに埋もれ、主人公の虚無感がさまよい続ける。観念的とまではいかないが、まるですべてが主人公の白昼夢のようだ。上映時間は2時間半。その時間のすべてに夢中になれるほどの想像力をもっていない自分には厳しかった。パオロ・ソレンティーノ映画の中では一番苦手な映画だったかも。主人公のお爺さんにダンディズム以外の魅力を感じられなかったことも大きい。
コメント
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