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メリダとおそろしの森 【感想】

2012-07-25 01:21:45 | 映画
一昨日の日曜日、ピクサーの新作「メリダとおそろしの森」を観た。

字幕版で観たかったのだが、近くの上映館ではどこもやっておらず、
泣く泣く吹き替え版で観ることにした。

本作は中世のスコットランドを舞台に、
主人公メリダが魔法にかけられた母(王妃)を救うために奮闘する話だ。

つまらなかった。。。
Rotten等の前評判はまずまずだったので、大きな肩すかし。

ピクサーって、こんなもんじゃないだろ?って感じだ。

前回、酷評された「カーズ2」よりも個人的には面白くなくて、
過去のピクサー長編映画の中でみても一番面白くない。

まず、肝心な主人公メリダが好きになれなかった。
今をときめくAKB女子が吹き替えしたことが、その要因の大半を占めるのだが、
メリダの言動がいちいち身勝手に映ってしまうのだ。
担当したAKB女子は割と声が張る人だと思うが、
その声色とヘナヘナした特有の話し方がキャラの個性にノッておらず、
目を閉じて聞いても、やっぱりAKBなのだ。
「ほこ×たて」での彼女のトンチンカンなコメントが頭をよぎる。。。

いい加減、話題先行型の声優キャスティングはやめてほしい。
長い目で観れば、プロに任せた方が絶対に良いと思うのだけれど。

本作はメリダ自身の「自分の運命は自分で切り開く」というのがテーマっぽいのだが、
メリダのその成長過程においては大したドラマはなく、
「まあ、そうなるわな」の連続で結局終わってしまった。

ピクサーの強さは何といっても脚本力ではなかっただろうか。
近年だと「カールじいさん~」でのカールじいさんが家財道具を捨てるシーンだったり、
「トイストーリー3」でウッディが最後に選んだ道であったり、
観る者を黙らせるほどのエモーショナルな展開は本作では見られず。

また、毎回楽しみにしているピクサーならではの、
観る側のイマジネーションを刺激するような描写や演出も本作においては乏しい。
スコットランドの幻想的な風景やメリダの質感たっぷりの長髪赤毛など、
パーツ、パーツのクオリティはとても高いと思うのだけれど、
CG技術の進歩は目覚ましいね~で終わってしまう。

物語の舞台も森とお城を行ったり来たりで、「おそろしの森」という表現から連想された、
「森の中で大冒険!」みたいなものはなく、同じ風景が続くため、退屈。

メリダ以外の男たちは全員馬鹿なのだが、そこにチャームはなく、
さんざん騒いで散らかしているだけなので、楽しくない。
これまた、ピクサーならではのユーモアセンスが、本作では感じられない。

日曜日の早朝の上映回ということも手伝って、何度も睡魔に襲われ、意識が飛ぶ。

終盤のクライマックスにあったダイナミックな描写で
ようやくピクサーの底力は見られたものの、全体を通してクオリティが低い。

しかしながら、本編開始前に上映された短編「トイストーリー(「3」の続編)」と
「月と少年」が素晴らしかった。「月と少年」はピクサー製作ではないが、
その秀逸ぶりに「やっぱピクサー映画いいわ~」と実感したのも束の間の本編のつまらなさ。
その落差は激しく、残念。

来年公開の「モンスターズインク」の続編で、ピクサー早く復活してほしい。

【55点】


コメント
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