退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「好ましいフィクションと情けないロマンチック」について

2015-11-08 03:28:07 | Weblog
晴れ。おだやか。

金井美恵子「お勝手太平記」を読む。

この21世紀に「手紙」のみの小説とは。
ナボコフの自伝に書かれていたことを思い出したという格好。

それにしても何とも気持ちのいい饒舌ぶり。
「おばさんのディスクール」としてはこの上ないもの。

さまざまな言葉の乱舞と映画と批評。
「返信」を包み込んだ「ひとり語り」の「ポリフォニー=多声」。

「バフチン」などという名前とともにドストエフスキーを思い出したり。
この素敵な「ミルフィーユ」を存分に味わおう。

もっとも著者の小説の「いい読者」ではないので
「シリーズもの」としての魅力を知らない憾みはあるのでご勘弁を。

少なくともこの日本語の「海」に身をゆだねる「快楽」は知っておいた方がいい。
「砂漠に生きる者」なら是非。

さて。

今宵は仕事場の研修でクインビーはお休み。

マスターの就職がどうなったのかが気になりつつ
今週のお店の具合についても同様に。

「閉店までのカウントダウン」はすでに始まっているのだから
今さらやきもきしても仕方ないのだけれど。

これがフィクションなら「お決まり通りの逆転劇」が始まるところ。
「そうは問屋が卸さない」のが「ごく普通のこと」ではある。

とはいえ「嘘のような現実」が起きないとも限らず。
いやむしろ昨今のあれこれを思えばむしろその方が「リアル」かなどと。

ついつい「ロマンチック」になる自分の非力さが情けない。
コメント
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