くもり。行きと帰りに小雨パラパラ。
半藤一利「15歳の東京大空襲」を読む。
昭和二十年(1945)三月二十日の東京大空襲を経験していながら
ほぼ五十年近くも(!)その話を語らなかった著者が書いたもの。
「第五章 三月十日と焼死者=昭和二十年(2)」の描写の臨場感はさすが。
166・167ページに見開きで載っている写真もすさまじい。
「戦争がいかに悲惨で残酷なものであるかという事実は、
くり返しくり返し語らねばなりません。
が、じつはそうしながらも正確であり冷静である必要がもっとも大きいのは、
あるいは語るほう、つまりわたくしのほうにある。」と歴史家らしく著者は書く。
勤労動員された軍需工場での「上野さん」との恋や
空襲で家を焼かれた後に現れた父の「お妾さん」の話はそうした著者ならではの味わい。
「そんな爺さんの願いは、つまりはただの一つなのです。
日本よ、いつまでも平和で穏やかであれ。」という「あとがき」に目がしばしば。
「推薦図書」というのはつまらないものが多いので
こういう作品を是非勧めておきたいところ。
半藤一利「15歳の東京大空襲」を読む。
昭和二十年(1945)三月二十日の東京大空襲を経験していながら
ほぼ五十年近くも(!)その話を語らなかった著者が書いたもの。
「第五章 三月十日と焼死者=昭和二十年(2)」の描写の臨場感はさすが。
166・167ページに見開きで載っている写真もすさまじい。
「戦争がいかに悲惨で残酷なものであるかという事実は、
くり返しくり返し語らねばなりません。
が、じつはそうしながらも正確であり冷静である必要がもっとも大きいのは、
あるいは語るほう、つまりわたくしのほうにある。」と歴史家らしく著者は書く。
勤労動員された軍需工場での「上野さん」との恋や
空襲で家を焼かれた後に現れた父の「お妾さん」の話はそうした著者ならではの味わい。
「そんな爺さんの願いは、つまりはただの一つなのです。
日本よ、いつまでも平和で穏やかであれ。」という「あとがき」に目がしばしば。
「推薦図書」というのはつまらないものが多いので
こういう作品を是非勧めておきたいところ。