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映画のセリフ:chip on one's shoulder: Kingsman, Casino Royale

2015-10-16 | 映画/ドラマ
Kingsman 観て来ましたのコメント欄でsindbadさんが質問してくださったのが嬉しくてもう少し書きたくなりました。

chip on one's shoulder ですが、コンプレックスを抱いている人のことを差す事が多いでしょうか?
たとえば・・・
He has got a chip on his shoulder.
と言うと、その人はなにか自分が劣っている気がしてそれを隠す・埋め合わせるために常に身構えている(文句があるなら言ってみろよ、みたいな)感じでしょうか?

Kingsman では、それぞれの現職エージェントが新人を一人ずつ推薦することになってハリー以外のエージェントは、public school出身(所謂エリート?)を推すのですが、ハリーは職にも就けず警察の厄介になるようなエグジーを連れて来ます。

話し方からして違う(イギリスでは話し方や使う語彙で出身が分かったりします)エリートの中で、エグジーは「自分だけ不当に扱われている」と感じるのですね。

で、教育係のマーリンがYou need to take that chip off your shoulder.
「お前のその肩に乗ってるチップを捨てろ」と注意する/諭すのでした。
太字の部分は has got の反対といいましょうか、(乗っかってるチップを)取り除く/取り外すの意味ですね。

Casino Royale でも聞きました。

初対面の James Bond と Vesper がお互いの品定めをしあう丁々発止のやりとりの中でした。
まずBondがVesperのことを辛らつに分析します。
その後、Vesperの反撃!
by the cut of your suit, you went to Oxford or wherever. Naturally you think human beings dress like that. But you wear it with such disdain, my guess is you didn't come from money, and your school friends never let you forget it. Which means that you were at that school by the grace of someone else's charity: hence that chip on your shoulder.
そのスーツの仕立から判断するとあなたはオックスフォードかどこかに行ったんでしょう。 当然あなたは「人間」はそういう服装をすべきだと思ってる。
でもあなたは(自分が好んでそうしているのではなく)いやいや着ているわね。(disdainに侮蔑の意味あり)
裕福なお家の出ではないと思うわ。
で、学友たちはその事を(あなたが自分たちの一員ではないと)しょっちゅう思い出させたんでしょ。
つまり、あなたは誰かの慈善でその学校に行かせて貰ったってことよね。
そういうわけであなたは・・・なのよ。

この・・・に入る単語は、不満、不当な扱いを受けているから感じる怒り、劣等感、その劣等感を隠すため突っ張る、などいろいろ考えられますよね。

日本語に直訳しにくい慣用句ですわ。

airs and graces 上品ぶった態度、気取った[お高くとまった]態度
なんて表現もあります。
He was always putting on airs and graces.
と、これも put on を使います。

Casino Royale のセリフはかなりwitty(機知に富んだ・軽妙な) です。
(印象に残るセリフは覚えているものですねー。)
スーツというか仕立て関連のセリフをもうひとつ。
カジノのテーブルに赴くBondが着替える場面。

James Bond: I have a dinner jacket.
ディナージャケットならあるよ。
と言うBondに別のジャケット(こっちを着るようにと)を持ったVesperが言います。
Vesper Lynd: There are dinner jackets and dinner jackets; this is the latter. And I need you looking like a man who belongs at that table.
ディナージャケットってものとディナージャケットってものがあるのよ。(ディナージャケットにも色々ある)
(あなたのはただのディナージャケットで)こっちは後者(仕立ての良いディナージャケット)なの。
あなたにはこのテーブルに相応しい(very best ってことですネ)服装をしてもらわないと。
(って日本語にするとニュアンスが変わってしまう…日本語の能力のなさが悲しい)

差し出されたジャケットを着てみてBondが言います。
James Bond: How?... It's tailored.
どうやって? これは注文仕立て(あつらえ)じゃないか。
Vesper Lynd: I sized you up the moment we met.

初めて会ったときにサイズアップしたのよ。
size up は寸法を測る(ここではジャケットを仕立てるための寸法)という意味ですが、size 人 up となると上の意味が転じて、その人を評価(品定め)するというニュアンスがあります。

日本語に約すと原文の面白さが損なわれちゃってとても残念です。←自分の力量は棚に上げる (^^;)。。。

映画は、英語を学ぼうと思う人にとって良い教材です。

映画で英語を覚えたじぇれまいあ、自信持っておススメします!

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ここ11 Common American Phrases with Intriguing Origins という面白い記事があります。
sindbadさん、見てみてくださいな♪
いえ!ご興味おありの皆様も見てくださいな。