詩とファンタジー№28 秋耕号
投稿詩とイラストレーション
かまくら春秋社
特集:歌手生活50周年記念 加藤登紀子の歌と詩の世界
秋号がなかなか出ない、北海道はもう冬になるぞ~、やっぱりやなせさんが亡くなったから、一年でストップかぁ…と思っていたら、先週、店頭にありました。
表紙絵はおなじみの宇野亜喜良氏。枯葉のヴァイオリンの発想がユニーク。
またまた表紙に書かれている堀口大學の訳詩は字が小さくて裸眼ではギリギリ…
だから、余計読もうとするのですが。
病める秋
ギイヨオム・アポリネエル
私は好きだ 季節よ お前のもの音を
誰も摘まぬのに落ちてくる果物と
啜泣く風と林と
落ちて来る涙 秋の落葉よ
踏みにじられる落葉よ
「月下の一群」(岩波文庫)より一部抜粋
投稿詩の中から一つ。
42たい
こいずみひでまる
しにたい しにたい と、
しげさんは つぶやく
しにたい どうしても しにたい と
しげさんは わめく
しにたい もう しんでしまいたい と
94さいは ぜっきょう する
そんなに しにたいなら
しんだら ええやないですか
と ぼくが いうと
あんたみたいに はくじょうな かいごしは
おらん と しげさんは おこる
ぼくらの しごとは にゅうきょしゃさんの
きぼうを かなえる ことです
ほんまに しにたいなら しんで ください
しにたくないの やったら
もう にどと しにたいなんて
いわんといて ください
つぎの ひの あさ
かれんだーの うらに おおきな じで
42たい と かいて
しげさんは へやから でてきた
42ひきの たい ですか
と ぼくがきくと
しげさんは ぎっ と ぼくを にらむ
しかし きれいな じ ですねぇ
ぼくが ほめると
しげさんは なくなった ごしゅじんの
なまえを かいて
その よこに
あいたい と つけたした
ぼくは こっちの たいの ほうが
すきですね というと
しげさんは もういちど おおきな じで
あいたい と かいた
介護士さんは大変、それから亡くなった人に無性に会いたくなる気持ちもわかるし…
手習い 詩:吐詩翁 絵:梅川紀美子
秋の虹 詩:宮せつ湖 絵:松倉香子