POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 新潮新書に麻生太郎著の「とてつもない日本」があります。その中の記述です。

 平成17(2005)年の暮れ、外務大臣としてインドを訪問する機会があった。首都ニューデリーに滞在中、できたばかりの地下鉄を視察したのだが、この時インドの方々からうかがった話が今でも忘れられない。この地下鉄視察が日程に組み込まれたのは、日本の政府開発援助(ODA)を使って建設されたものだからであった。私たちが訪ねた駅には日本とインドの大きな国旗が掲げられており、日本の援助で作られたということが大きな字で書いてあった。改札口にも大きな円グラフが表示され、「建設費の約70パーセントが日本の援助である」と分かるように、青で色分けしてあった。その配慮に感激し、私は地下鉄公団の総裁(Elattuvalapil Sreedharan、エラットゥヴァラピル・スリーダラン)に御礼の言葉を述べた。



 三笠文庫の知的生きかた文庫、門倉貴史著の『「今のインド」がわかる本』の中の記述です。

 日本は、これまで中国に多大なODAを供与してきた。しかし、それは中国の国民には十分に伝えられていない。多くの中国人は、日本からのODAを受けている事実さえ知らないのである。ところが、インドは違う。インドは、政府が率先して、日本のODAの供与を国民に周知徹底するようにしている。たとえば、私がインドに出張したとき、ちょうどデリーメトロは日本からの円借款によって建設されているのだが、工事現場に看板があって、「日本からの援助によってメトロの建設が行われている」旨が明示されていたのだ。



 国際基督教大学近藤正規氏の「長期的な対印経済協力のあり方―インド・モデルの構築―」からです。

 日本の対印ODA の最大の成功例は、デリー地下鉄である。総工費2,570 億円のうち、1,628 億円が円借款の供与によって行われているこの案件の成功は、一にも二にも、デリー交通公社(DMRC: Delhi Metro Railway Corporation)のスリーダラン総裁のリーダーシップによると考えられている。インドでは非常に珍しく一部工期を前倒しするなど、ほぼ工期どおりに進捗している。この建設事業の成功の要因は、スリーダラン総裁が政治の介入を排除して、スケジュール厳守を徹底したことにある。現在、この経験を、バンガロールを始めとする他都市へ拡大する計画が日印両国間で進められており、まさに、「ベスト・プラクティス」となっている。



 「政府開発援助白書 2007年版 日本の国際協力」のコラム「日本方式をインドの地下鉄へ ~デリーメトロ建設に対する日本の支援~」からです。
 
 インドの首都デリーでは、地下鉄と地上・高架鉄道からなる大量高速輸送システム(デリーメトロ)の建設が急ピッチで進められています。インドの鉄道は、これまで長距離輸送に重点が置かれてきたため、首都デリーにおいても、郊外と市の中心部を結ぶ近距離鉄道や市内の鉄道網が整備されていませんでした。そのため、デリー近郊における交通手段はバスや自家用車に頼らざるを得ない状況で、道路の慢性的な渋滞と、車の排気ガスによる大気汚染に悩まされていました。

 こうした状況を受け、デリー州政府は交通混雑を緩和し、環境への負担が少なく、時間に正確で効率的な大量高速輸送システムとして、デリーメトロの建設計画を進めています。この事業の第1フェーズ(総延長約59キロ)に対し、日本政府は1996年度から6回にわたり総額約1,627億円の円借款を供与しました。2006年11月に全区間約65キロが開業し、2007年7月の時点で、1日当たり約60万人の市民に利用されています。さらに増大する交通需要に対応し、より便利な交通ネットワークを構築するために、第1フェーズで完成した路線の延伸工事(第2フェーズ(総延長約83キロ))が進められており、日本政府は2005年度からこの第2フェーズに対しても円借款(2006年度までに284.83億円)を供与しています。

 2011年に第2フェーズ部分が完成すると、6路線総延長約143キロとなり、デリー市内の基幹公共交通となることが期待されます。ちなみに東京メトロは8路線183.2キロ、大阪市営地下鉄は8路線129.9キロであることと比べると、分かりやすいかもしれません。


 デリー・メトロ(DELHI METRO)は、一部が完成し、すでに運行されています。現在は「キ」の字の形に路線が走り、上の横棒が「LINE 1」で、下の横棒が「LINE 3」、縦棒が「LINE 2」です。横棒と縦棒の交差するところに北から「カシミール門」と「コンノート・プレイス」という駅があり、乗り換え駅になります。下の地図の紫色の部分は地下、緑色の部分は路面または高架になります。






Line 1 (Dilshad Garden - Rithala、「カシミール門」を通り、デリーを東西に走る)

(東側から)Dilshad Garden → Jhilmil → Mansarovar Park → Shahdara → Welcome → Seelampur → Shastri Park → Kashmere Gate(カシミール門) → Tis Hazari → Pul Bangash → Pratap Nagar → Shastri Nagar → Inder Lok → Kanhiya Nagar → Keshav Puram → Netaji Subhash Place → Kohat Enclave → Pitam Pura → Rohini East → Rohini West → Rithala

Line 2 (Vishwa Vidyalaya - Central Secretariat、「カシミール門」と「コンノート・プレイス」を通り、デリーを南北に走る)

(北側から)Vishwa Vidyalaya → Vidhan Sabha → Civil Lines → Kashmere Gate(カシミール門) → Delhi Main → Chawri Bazar → New Delhi → Rajiv Chowk(コンノート・プレイス) → Patel Chowk → Central Secretariat

Line 3 (Indraprastha - Barakhamba Road - Dwarka、「コンノート・プレイス」を通り、デリーを東西に走る)

(東側から)Indraprastha → Pragati Maidan → Mandi House → Barakhamba Road → Rajiv Chowk(コンノート・プレイス) → R.K. Ashram Marg → Jhandewalan → Karol Bagh → Rajendra Place → Patel Nagar → Shadipur → Kirti Nagar → Moti Nagar → Ramesh Nagar → Rajouri Garden → Tagore Garden → Subhash Nagar → Tilak Nagar → Janakpuri East → Janakpuri West → Uttam Nagar East → Uttam Nagar West → Nawada → Dwarka Morh → Dwarka and Dwarka → Dwarka Sec-14 → Dwarka Sec-13 → Dwarka Sec-12 → Dwarka Sec-11 → Dwarka Sec-10 → Dwarka Sec-9

 ジェトロセンサーの2005年4月号にこんな記述があります。

 混雑しているときは切符を買うのはなかなか難儀である。普通に並んでいると左右からどんどん割り込まれてしまい、ルピーを握り締めた手を窓口にぐいっと押し込まないといけない。相変わらずのマナーには閉口してしまう。

 プリペイドのカードを入手した方がストレスが少なくなるのかも知れません。SUICA、PASMO、ICOCAに慣れてしまったので、外国でもこのプリペイドのカードがあるのは便利です。



 The Delhi Metro Rail Corporation today(18 July, 2007) announced that its smart cards can now be purchased for a minimum value of Rs 50 only against the earlier minimum of Rs 100. (プリペイドのカードは50ルピーから買えるようです。)The value of the card can be increased in multiples of Rs 50 upto a maximum of Rs 800. (チャージは50の倍数ででき、上限は800ルピーのようです。)The security deposit of Rs 50 which is refundable will continue to be charged, a DMRC spokesman said today. (デポジットで50ルピーが必要ですが、カードの返却で戻されます。)The card works as a prepaid device which will allow commuters to travel specified routes via rail without worrying about cash. (小銭の心配をしなくてもいいのがプリペイド・カードの一つの利点ですね。)

       (この項 健人のパパ)

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