POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 「義順(イー・ション、I Son)」の味を日本で再現してみました。マカオで食べたホットの「生姜ミルクプリン」が夫に受けたので(その記事「セナド広場でいただきます-「香港・マカオ」旅日記11」は ここ です。)作ってみました。幾度か試作を重ね、ほぼ同じ味に仕上げました。苦労したのは、ホットでありながら、プリン特有の硬さを持っていること。夫は「寒天かゼラチンで固めたら。」と言いましたが、ゼラチンは熱すると溶け(ゾル化)、冷やすと固形化(ゲル化)します。ゼラチンで作ったゼリーは常温で溶けてしまいます。常温で溶けるからこそ、口溶けがよく、美味しいのです。



 動物の繊維状のタンパク質から作られる「ゼラチン」と異なり、紅藻類の粘液質から作られる「寒天」は、常温では溶けません。でも、温めるとこれも溶けてしまいます。そこで、考えられるのが「卵」。加熱すれば、固化します。「全卵」では、黄味を帯びてしまい、白くは出来あがりません。また、「黄身」の自己主張は強く、生姜の味を消す勢いです(全卵で作ったものを食べた夫の感想)。結局、最初私が予想した通り「白身」で作ることになりました。



 卵の白身で作ると、この泡立ちまで同じように再現できます。味には関係ありませんが、、、

 生姜の味も苦労するところです。好みに合わせて量を調整する必要があります。「新生姜」を使った場合と「ひね生姜(根生姜、囲い生姜)」を使った場合では、味に違いが出てきそうです。私はスーパーマーケットで目についた「新生姜」で作りました。



材料 
 牛乳 160cc
 砂糖(キビ砂糖か三温糖) 大匙1から1.5杯(白砂糖であれば、少なめに)
 生姜 親指先大2本(すりおろし、茶漉しで漉しておく。食感を損なわないために、私は絞り汁のみを使用)
 卵白 1個分(残った黄身でカスタードプリンにしました。)
 隠し味にゲランドの塩を1つまみ

作り方(電子レンジで作りました)
 ① 牛乳160ccに砂糖大匙1.5杯を加えて、温めます。

 ② ①に卵白、生姜汁を加えて、泡立て器でよく混ぜ、漉します。

 ③ 器に移して、電子レンジにかけます。最初は1分くらい500Wでかけ、その後はすが立たないように注意します。温度が高すぎると、月の表面のようなボツボツの穴ができます。これを、「すが立つ」と言います。自分の好みの柔らかさで、なめらかなプリンに仕上がるように、電子レンジにかける時間を調整します。

 電子レンジの「弱」と「強」を適度に繰り返し、適度の硬さにするコツを掴むのが成功の秘訣のようです。我が家は、500Wのシンプルな機能の電子レンジ。出力は機種により異なりますので、加熱時間は調整が必須です。時間は自分で研究して下さいね。

 この「生姜ミルクプリン」、生姜汁に牛乳のタンパク質を変性させる性質があって、温めた牛乳を生姜汁に注ぐだけで、ある程度固化するはずなのですが、出かける前に調べたところによると、かなりの確率で失敗するとのこと。

 料理は偶然に頼るものではないので、私はゲル化させるために「卵の白身」を使ってみました。寒天やカラギーナン(アガー)などのゲル化剤を使う方法もやはり試作して見ないと、ホットという条件で、ゲル化したままなのか不明なので、何とも言えません。レシピとして完成させるために、まだまだ研究は続きます。

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