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ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

珈琲

2007年04月21日 | 食べ物


結局、地方の選挙も国の選挙の縮図である、という当
たり前の結論しか出てこない「蕎麦屋政談」の話題は、
何故か「珈琲」に変わった。

「最近流行のストレートってあるの?」(主人)
「今時ストレートなんて時代じゃないですよ」(私)
「そうなの」(主人)
「そんな時代はもう20年前に終わってます」(私)
「へえー」(主人)
「確かに珈琲をストレートで飲むのが<通>であるか
のように思われていた時代は、あったことにはあった
んだけど、それも五六年の間かな」(私)
「ドリップで淹れるやつね」(主人)
「ネルのドリップで、注ぎ口が細い銅製のポットで、
二三十センチ上から静かに注ぎ、蒸らしの行程を経て
淹れ終わった珈琲を、再びちょっと沸騰しない程度に
温めなおして、マイカップに入れて出す、こんなとこ
ろでしょう」(私)
「ちょっと気難しそうなマスターが」(主人)
「白衣なんか着て更に尤もらしく」(私)
「今でもあるんじゃないの」(主人)
「そうですね、そういう店の愛好者はいそうだし、そ
れより消えたのは、ストレートを売りにしたチェーン
店系ですね」(私)
「というと」(主人)
「珈琲何とかっていう店が一時増えたんですよ、それ
らは挽きたて淹れたてを売りにして、ストレート珈琲
も六七種類用意していました」(私)
「なんでそんなに詳しいの?」(主人)
「そういう店でバイトしてたから」(私)

そしてその時の面白い話に。

「常連さんの中には、毎日同じものしか頼まない人が
いるわけですよ、たとえばガテマラならガテマラ、そ
んな人たちを見てると本当に判ってるのか?と誰もが
思う疑問を、わたくしも持っちゃったんですよね、そ
れで悪魔の囁きですよ」(私)
「というと?」(主人)
「ある日決行したわけです実験を、つまり、モカしか
飲まない常連さんに、如何にも普段と同じように、し
かし普通のブレンドを出したわけです」(私)
「その結果は?」(主人)
「予想通りというか、矢張り普段どおりに満足して飲
み干しました」(私)
「全く気が付かない」(主人)
「そうなんです、そんなもんなんですよ、大体判らな
いでしょう、ストレートが好きなんていってる人の殆
どこんなものだと思いますよ」(私)
「やはりね」(主人)
「それで、バイト仲間で利き珈琲をやったわけです、一
応実験する側も被実験者になるべきだと」(私)
「で、結果は?」(主人)
「自分に関しては、六種類くらいでやったんですが、一
度全部正解もあったけど、平均すると六七割くらいか
な正解率は」(私)
「ふむふむ」(主人)
「わざと、ストレートにブレンドを混ぜたり、同じ種
類のを複数にしたりと、いろいろトラップを仕掛けて
やったから、実験としては信頼性があるでしょう」(私)
「しかし、好きだね」(主人)
「ついついやりたくなっちゃうんですよね」(私)
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