日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

小室哲哉地検逮捕と“尻ガラス棒の洗礼”

2008-11-04 | その他あれこれ
小室哲哉くん、同い年で学校は違うものの都内私立高校出身の生徒会活動等に熱心な体制批判的学生でかつ音楽フリーク、と彼と同じような思春期を過ごした私。別にファンでも何でもありませんが…、少しだけ親近感を感じてました。その彼が詐欺容疑で大阪地検特捜部に任意聴取で連行され、逮捕されたとの報道がなされました。

連行したのは警察じゃないんだ、と思った方も多いのではないですか。さてここで問題です。地検=「検察」と「警察」って何が違うのか、ご存知ですか?

犯罪を捜査・逮捕するのが警察で、「書類送検」という言葉を聞いたことがあると思いますが、警察から「書類送検」される先が検察です。警察は起訴できないので、「書類送検」までが警察の仕事、起訴の可否判断以降が検察の仕事なのです。そもそもは、犯罪者を捜査・逮捕・起訴し罰を負わせるのが検察の役割なのですが、捜査・逮捕まですべての過程まではとても担当できない実情から、捜査・逮捕部分の大半を警察に任せているのです。すなわち、警察は検察の下請け機関なんですね。

では、検察が直接動くものとそうでないものがあるのはナゼ?って疑問も湧きますよね。多くの刑事事件は上記のような形で捜査から裁判まで進むのですが、特に税法、独占禁止法、労働法などに関しての犯罪は検察官が最初から捜査を行うルールがあります。これが独自捜査と言われるものです。さらに汚職や横領など、社会的に警鐘を鳴らす必要ありと判断される重要事件は、検察が直接取り上げ“見せしめ”的に世間にアナウンスするのです。小室くんのケースは後者なわけですね。

検察と言うのは具体的には各地方検察庁(地検)のことですが、東京地検あたりへは内部告発の手紙だけでも山ほど来るそうで、その中で影響力大と思しき氷山の一角を狙い撃ちし世間一般に警告を与え、世の中をよくしようという活動が検察の仕事なのです。それとよく耳にする「地検特捜部」ですが、これは地方検察庁の中でも大阪・東京・名古屋にしかなく、重大事件の独自の捜査を専門的に行う部門のことで、検察の中でも“花形”の超エリート集団なのです。

その昔、私が全国銀行協会に出向して仕事をしていていた頃、地検特捜部OBの方のありがたいお話を聞いたことがあるのですが、それはそれは恐ろしいものでした。「警察は手ぬるい!」「検察は挙げると決めた奴は必ず挙げる!」「検察の聴取で自殺者が出るのは、逃げきれないと感じるからだ」などなど…、まちがっても検察のご厄介にはなりたくないと思うものばかりでした。

中でも最高にショッキングだったのが、“ガラス棒の洗礼”と言われる儀式です。逮捕され身柄が東京拘置所に移されると、自殺防止との名目で所持品検査をされます。壁に向かって立たされて、服をすべて脱がされます。しかもどんなに社会的地位の高い人であっても、「服を脱げ!下着まで全部だ!」と完璧な命令口調だそうです。この段階までは、“お偉いさん”や有名人方は、「君、口のきき方に気をつけたまえ!」とか「私を誰だと思っているんだ!」とか強気の発言もよくあるそうです。

極めつけはその後です。次なる命令は、「壁に向かって頭を下げて前かがみになれ!」というもの。すると次の瞬間、突き出された裸のお尻の「穴」めがけて、いきなりガラス棒が突っ込まれるそうです。あくまで、名目は「自殺防止での所持品検査」です。さすがに、これにはどんなにこれまで強がっていた“大物”方も、「大抵はヘナヘナとその場で腰砕けになって、泣きだす」ということです。

地検特捜部の手にかかるといとも簡単にあれやこれや口を割る「逮捕者」が多いのには、こんな理由があったのです。「社会的地位やプライドが高い人ほど、効果テキメン」だそうで、勾留期限切れで保釈されると、自殺者が多く出るのはまさに“ガラス棒効果”によるところが大きいようです。「ガラス棒の威力によって、もうごまかしきれないと観念し、大抵は再度呼ばれ自分が口を割ることによる他人への波及を懸念して自ら口封じを図る」のだとか。まさに、“穴”恐ろしや…。

「俺たちは警察のアホどもとは訳が違う!舐めてかかられればかかられるほど、協力的でなければないほど徹底的に挙げる!」と凄まれました。悪いことをしてはいけないのは当然ですが、皆さまもくれぐれも検察のご厄介になるような事件は起こさないことです。悪いことをした人だけが知る恐ろしい世界が、現代日本にもあるのです。

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