日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

JR東日本社長が、今頃慎太郎知事3.11おわび訪問のアホさ加減

2011-06-21 | ニュース雑感
「青山カレー工房」ネタばかりが続いていたので、少しだけNEWSネタで吠えておきます。

慎太郎知事のところにJR東日本の社長がおわびに行ったと言うニュース。なんでも、3月11日の震災発生時に、電車が止まって家に帰れない人々が街にあふれた時、真っ先に人々を駅から締めだしシャッターを下ろして“知らぬ存ぜぬ”を押し通した対応に、直後から慎太郎都知事が噛みついて「けしからん!」を連発していたのです。それにようやく応えて、“おわび訪問”したと言う事のようです。今回の慎太郎発言は実に正論。大災害発生時に「自分だけ良ければいいのか」「あなた方が早々に終日運休を決めて帰宅難民を街に放り出したから、パニックになったんだ」と。

何をおいてもまず問題は、震災から3カ月以上も経過した今頃?ってことです。恐らくは震災発生の段階では慎太郎氏の再選出馬見送り報道もあって、まぁ今噛みつかれていようが、任期終われば“ただの人”だから新知事とよろしくやればいい、とでも思っていたのでしょう。それが急転直下、再選出馬となって結果は圧勝で再選。焦ったでしょうね、JRさん。5月下旬に都からの抗議文がJR東日本に送付されるに至り、それでようやく重い腰をあげて行動をおこした訳です。慎太郎知事曰く「私に謝ってもしょうがない。おわび広告でもなんでもして、国民にあやまりなさいよ」。本当にその通りです。官僚的組織風土の典型例を見たとしか言いようがありません。

慎太郎「なんでシャッター締めたの?」
JR社長「人を入れると中で問題が生じると思ったので」
大災害発生時に「何それ?」ですよね。

なんでもJRは「マニュアルに従って行動したまで」という、至って官僚的な言い訳をしているそうですが、民鉄各社はマニュアル上はJRと同じ決めであっても駅長の大災害発生時の個別判断により、駅構内に帰宅の足を失った人たちを招き入れたのです。さらに言えばあの日、街では居酒屋までもが臨時の宿を提供し、街道沿いの民家は食料や水を道行く人に供給したのです。なのにJRは・・・、なのです。毎度当ブログで取り上げ続けているJRの腐った企業体質は、3.11当日の対応はもとより今回の社長の対応や物言いを聞く限り、やはり手の施しようがない状況のようです。