日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

2010今年の10大ニュース 6~4位

2010-12-29 | その他あれこれ
4位 ipadの登場で書籍ビジネス新時代へ突入

アップル社がらみの今年のITニュースとしては、電子書籍リーダータイプのタブレット端末ipadの取扱開始が何と言っても衝撃でした。今年1月にアップル社から発表され4月に米国で発売。翌5月には日本でも発売され大きな反響を呼び起こしました。電子書籍リーダーはこれまでも、アマゾンのキンドルをはじめとしていくつか存在しましたが、ipadはipod、iphoneで築いたノウハウを転用し、書籍データのみならずアプリケーションのダウンロードでユーザーカスタマイズを可能にしたアップルスタイルの電子書籍リーダーを兼ねた新型IT機器です。ipadは発売当初の大騒ぎの割には売れていないとか、所詮は大型ipodにすぎないとか言われてはいますが、出版業界の古い独自の流通システムがあって一気の電子書籍化にはならない日本においても、今年ipad登場を機にあらゆる業種入り乱れての電子書籍関連ビジネスが一斉に活発化した1年であったと言う意味では、大変重要な役割を果たしたと言ってよいかと思います。

シャープのガラパゴス、サムソンのギャクシータブ、SONYのリーダーなど、対抗のハード商品が続々登場している急激な流れの加速から、旧態依然とした出版界としても利用者の利便性向上に目を向けざるをえなくなるハズで、業界の“慣れ合い”ビジネススキームや古いしきたりは必ずや近々に抜本的な変革を余儀なくされるに違いありません。音楽CDの急速なデータダウンロード化進展によるCD販売の衰退と同じく、電子書籍マーケットは今後急速に拡大し業界情勢は大きく変化するのではないでしょうか。ビジネススキーム自体が大きく変革するそんな流れは、中小企業にとっても何十年に一度のビッグビジネスのチャンス到来であるのかもしれません。