日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

菅首相に届け!硫黄島訪問に改めて思う「平和の願い」

2010-12-15 | ニュース雑感
昨日のニュースで、菅首相が硫黄島を訪れて戦没者の遺骨を拾ったというものがありました。一部のニュースでは、この事実自体はニュースとしては報道されずに「硫黄島を訪れていた菅首相は、小沢氏の国会招致問題に関して次のようにコメントしました」とだけ触れられて終わったものもあります。私は、首相自らが硫黄島を訪れて遺骨を収拾したこの機会にこそ、当地における遺骨収拾がなぜ今だに進まないのか、硫黄島という場所が戦前・戦中・戦後にどの様な歴史的背景を持つ場所であり日本として今後どう対処すべき問題であるのか、といった観点からメディアはこの問題をもっともっと大々的に取り上げるべきであると思っています。

当ブログを定期的にお読みいただいている方にはお分かりかとは思いますが、当ブログでは国家間武力抗争や戦争のない平和な世界の実現を願う観点から硫黄島の平和利用実現を事あるごとに訴え続けています。もちろんこれは特定の政治的思想や特定団体の利益擁護といった色のついた観点で申し上げているのではなく、純粋な問題意識から発している訴えかけです。硫黄島の遺骨収拾がなぜ進まないのか、一番大きな原因はこの地に戦争終結後置かれた自衛隊の基地が永々と島の“占領”を続けているからなのです。自衛隊の許可なく島に立ち入る事は例え戦前の島住民であっても硫黄島戦戦没者の遺族であっても、今だにできないのです。

昨日菅首相は、米国から得た旧硫黄島侵攻米軍が戦没日本兵を集団埋葬したとされる場所の情報を得て遺骨収拾が進められてる場所で関係者とともに掘り起こしました。複数の遺骨や一緒に埋められたと思しきヘルメットなどの遺品を手に、遺骨収拾への徹底的な取り組みの必要性と「平和への願い」をコメントしたと言います。菅さん、本当に遺骨収拾の徹底的な取り組みを望むのなら、その下に多くの遺骨が埋められたまま建設された自衛隊滑走路はそのままで良いのですか?「平和への願い」を口にするのなら少なくとも戦争の名残を感じさせる自衛隊の基地をいつまでこの地に置いておくのですか?そうやって考えると、人気急下降の自身のイメージアップ策を目論んだポーズでの遺骨収拾パフォーマンスなのではないかと思えてくるのです。

硫黄島は人類の過去の愚かな過ちから、陸上戦で日米が死闘を繰り広げ数多くの両国の尊い命が失われた場所なのです。そして今は、かつて敵味方に別れて戦った日米の戦争体験者やその子孫たちが合同で慰霊祭を開催して「同じ過ちを二度と起こすまい」という誓いを世界に向けてメッセージしている世界的にも例を見ない尊い場所でもあるのです。そんな世界平和を訴える場所でありながら、今だに軍用機が訓練離発着を繰り返している。本当にこれでいいのでしょうか?自衛隊の滑走路の下に眠る戦没者の方々の魂は、こんな現状のままで本当に成仏し安らかな眠りにつけるのでしょうか?奇しくも蛮国北朝鮮が韓国を砲撃しアジアの平和に危機感が募る今こそ、過去に侵略戦争という過ちを犯した日本国は、戦争や国家的暴力の愚かさと平和の尊さを態度で示すべき時なのではないでしょうか。

一刻も早く硫黄島から自衛隊基地を撤退させ戦争の遺物たる地雷を取り除き、滑走路下も含め全ての戦没者の方々の遺骨の収拾を実現し、世界へ平和のメッセージを発信する平和モニュメントとしての島の平和利用に着手して欲しいと思います。菅総理においては、人気取りのパフォーマンスは要りません、昨日の訪問で島の実情を知ったのなら島の歴史と役割をしっかり認識したうえで、愚かな戦争の経験国である日本としての口先だけではない真の平和活動の第一歩を踏み出して欲しいのです。マスメディアも世界平和維持の観点から、悲惨な戦災地硫黄島を日本国の首相が遺骨収集に訪れたという出来事に対して、問題意識を持ってもっともっと力強い主義、主張を投げかけて欲しいと思います。当ブログでは これからも、多くの尊い命を失わせた過去の戦争責任全うと絶対的世界平和実現の観点から、硫黄島からの自衛隊早期撤退と島の平和利用の実現を訴え続けてまいります。

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