日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

小沢氏の「政治責任」<管氏の「代表責任」

2010-12-17 | ニュース雑感
民主党小沢元代表が、岡田幹事長からの政倫審への出席要請を正式に断ったそうです。

小沢氏の言い分は、「自分とは考え方が違う。私は司法の場で戦い抜いていく」だったそうですが、本当にどこまでも国民をバカにした発言だと思います。岡田氏は、「司法決着と政治責任は別物である」と言い続けてきました。まずこの意味合いを少し確認しておきましょう。司法はあくまで法の裁きの問題、一般人の起訴案件であるなら法の裁きの場である司法での決着がすべてであるわけです。しかしながら小沢氏は、国民から投票によって選ばれた公人たる政治家で、しかも現政権を担う民主党の元代表、元幹事長と言う国家的要職にある人間の政治資金に絡んで秘書の逮捕者2名を出した自身の疑惑問題が焦点となっているのであり、国民に対して政治家としてこの疑惑を自ら説明する「政治責任」は当然に存在するのです。

それを「問題は司法に移っており、司法の場で決着する」とするのは、誰が見ても明らかな誤りであると言っていいでしょう。「私は何らやましいことはありません」と断言してるのですから、正々堂々とご自身の説明を述べられたらいいのです。ご本人は、政倫審で説明をすれば野党から「疑惑が深まった」として証人喚問を求められるに違いない、と思っているのでしょう。ご存じのように証人喚問は偽証罪が適用される場であるのですが、それとてやましいことがないのなら全て本当のことを話せば偽証罪など恐れる必要はないのです。これを執拗に嫌がっているというのは、やはり「何かある」と言われてもしょうがないのではないでしょうか。大半の国民は「いいかんげんにしなさい」と思っていることでしょう。政治家として「政治責任」が果たせないのなら、潔くバッジを外すべきなのです。

そして注目は管首相。これまでこの問題を一貫して岡田幹事長任せで来たことは、“他人任せ”で当事者意識がないと一層の支持率低下にもつながってきたように思います。本日ようやく「私が直接会って話をするべきかなと思う」という発言があったようですが、首相でもある党の代表が直接「政治責任」の全うを求めて話をするのですから、「出ません」「そうですか、それは誠に遺憾です」では済まされないと考えるべきであります。代表が「政治責任」に言及する以上、少なくともタダで「NO」はあり得ないという態度で臨まなくては、代表者が要請に乗り出す意味がありません。離党勧告や除名という処分はある意味党としては“責任回避”であり、責任感をもって「政治責任」の追求を貫く意味からは、「政倫審に出れないのであるなら、今すぐ議員を辞職しなさい」と強く勧告すべきでしょう。これまで、国民からリーダーシップが欠如していると散々な評価の首相ですから、地に落ちた支持率回復のラストチャンスかとも思います。

この問題小沢氏にとってよりもむしろ、管首相にとっての正念場なのではないでしょうか。「週明けにも直接会談」と報じられています。注目しましょう。