日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

「忘年会」改め「望年会」のススメ

2010-12-11 | その他あれこれ
師走も早10日、あっという間の年の瀬ですがいよいよ来週、再来週あたりは「忘年会」もピークを迎えますね。

ところで「忘年会」って何でしょう?考えてみたことありますか?「一年お疲れ様でした」「飲んで騒いで今年の苦労を忘れましょう」という意味の宴会なわけですが、あまり欧米では聞かないですよね。どちらかと言うとあちらではクリスマスパーティ。「年」は忘れずに「神に感謝」ということなのでしょう。宗教的な背景もあるのでしょうが、それはそれでお国柄なわけです。では、「年を忘れ」をする日本のお国柄って何ですかね。一年を締めくくる区切りのセレモニーとして、名目をきれいに言うなら「忙しかった一年、がんばった皆さんに感謝」ということですかね。実際には一年間忙しくなくても、頑張れなかったとしても感謝な訳で、その辺が日本人らしいお国柄と言えばお国柄なのかもしれません。

よくよく考えてみるとこの忘年会が持つ「お疲れ様」の精神って、欧米には存在するのでしょうか?「Thank You」という言葉はありますが、日本語の「お疲れ様でした」にあたる日本でのこの言葉の使われ方にシックリくる英語の言い回しってなんか見当たらないように思えます(直訳的言い方はいくつかありますが‥)。逆に欧米には区切りのタイミングや一時的なエンディングのタイミングでは、「Good Luck」とか「God Bless You」とか言って労をねぎらうよりも、相手に対する「その先がうまくきますように」的な心遣いがあるように思います。欧米的なモノの考え方がすべていいとは思いませんが、なんかこの辺りの発想に関しては日本人よりもはるかに前向きな気がしたりするのです。

最近では日本でもその辺の考え方は少しづつ変わりつつあるのか、「年忘れ」という言葉は私が子供の頃に比べると耳にする機会がずいぶんと減ったようには思います。例えば新聞のテレビ番組表に見る番組タイトル。昔は、12月10日を過ぎた頃から「年忘れ」の冠がついたものが一気に増えたもので、子供時代の私は訳がわからずに親に「“年忘れ”って何を忘れるの?」とか「なんで年末は今年を忘れなくちゃいけないの?」とか尋ねて、納得の行く回答が得られずにきたように思います(だから今だにこんなことをブログで書いたりしているのですが‥)。きっと私と同年代の番組ディレクターが、同じように子供の頃からの疑問をそのままにしてはおけないと、「年忘れ」の冠ハズしをしたのではないかと、勝手に想像しています。

「年忘れ」の言い回しがあまり使われなくなってきたその流れの中で、「“忘年会”の意味するものってなんだろう」と疑問に思う人も増えてきているに違いないと決めつけて、「忘年会」の名称変更に関してちょっと小さな提案をしてみたいと思います。「忘年会」改め「望年会」。「新年に望む会」です。過ぎゆく今年を「忘れる」というネガティブなものでなく、そこまで来ている来年に大志を抱いて望むところとしていこうよ、という発想です。至って前向きでしょ?英語の「God Bless You」の発想を日本の「忘年会」に転用するとこうなるわけです。「望年会」では、参加者が口々に「来年は○○するぞ」とか「来年は××を実現します」とかいう話で盛り上がれば最高です。私は今年から自分で声掛けをしている12月の宴会はすべて「望年会」にさせていただきました。不思議と明るく来年に希望が持てるいい宴会が展開されるのです。つまらんことと思われるムキもあるかもしれませんが、だまされたと思って一度「忘年会」改め「望年会」をやってみてください。来年が待ち遠しくなることうけあいです。きっと前向きに「来年に望む」参加者には、必ずいい来年が来るに違いないと信じています。


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