日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

経営のトリセツ4 ~ 経営に求められる“ふたつの顔”

2007-09-25 | 経営
前回の続きです。今回は「俺と社員の会社」以降の社長のリーダーシップのあり方について。

「俺と社員の会社」以降、すなわち組織化以降の社長はどうあるべきなのでしょうか。この課題に関する私の自論は、「理想的な経営者はふたつの顔を持て」です。

「ふたつの顔」についてご説明いたしましょう。

ひとつ目はそこまで会社を大きく成長させてきた「牽引者としての顔」。場合によっては「カリスマとしての顔」であったり「独裁者としての顔」であるかもしれません。いづれにしても、「強い個性に裏打ちされた指導者としての顔」は、「組織化」の後の経営にも不可欠な要素と言えるでしょう。

「俺の会社」時代に会社を引っ張ってきた、ある意味“ワンマン”な社長の顔は引き続き必要なのです。
「あれっ?会社の一層の成長のためには、ワンマンから意識を入れ替えろって言ってなかったか?」って?

意識を入れ替えろと言ったのは、すなわち「ワンマンをやめろ」ではなくて、「違う形のワンマンへ脱皮せよ」と言うことなのです。「違う形」が何かと言えば、それがすなわち「ふたつの顔を持つ」ことであり、このふたつ目の顔こそが最重要ポイントなのです。

では、核心「ふたつ目の顔」についてです。
ひとことで言えば、「組織の代表者としての顔」です。もっと噛み砕けば「社員の代表者としての顔」と言ってもいいでしょう。これこそが「組織」を形づくり、さらに成長を続けさせていくために不可欠な要素と言っても良いと思っています。

なぜ「社員の代表者としての顔」が大切なのでしょう。それは「社員の代表者」であるためには、「社員」の立場でモノを考え、場面場面で「社員の意見を取り入れたり」「社員に任せたり」する事が不可欠になるからです。
すなわち、「ふたつ目の顔」こそ、社員の立場を踏まえた上で、「責任と権限の委譲」を可能にする大切なポイントでもあるのです。

この項まだまだ長くなりそうなので、続きは明日。