日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

子供にゃ分かるまい ~ ロッドのホントの魅力

2007-09-22 | 洋楽
土曜日は音楽ネタで。

長年70年代ポップ&ロック・フリークをやっていると、昔はたいして好きでなかったものが、最近になってけっこう好きになったりなんてこともあります。

私にとってそんなものの代表格が、マーキュリー盤のロッド・ステュワート。中学、高校時代の私もロッドはけっこう好きなアーティストでしたが、「アトランティック・クロッシング」以降のワーナー盤ばかりに熱くなっていました。

当時からヒネクレで、「アイム・セクシー」とか「セイリング」とかの人気曲はイマイチ好きになれなかったのですが、「スリータイム・ルーザー」とか「ただのジョークさ」とか、フェイバリットもたくさんあって、79年の「ブロンズ・ハブ・モアファン・ツアー」で来日したときなんかは、抽選だったプラチナチケットを主催TV局にコネありの友だちに頼み込んで、ウラルートで武道館の特等席なんかを手に入れて大喜びしたりしてました。

当然それなりのファンでしたから、時代をさかのぼってマーキュリー時代のアルバムも聞いてはみたものの、なんかどれもイマイチ…(当時同時進行のロッドのバンド、フェイセズはロン・ウッドのヘタウマギターが妙に好みで、けっこう聞いてましたけど)。
印象からすると、モコモコしたこもり気味の音がやけに古臭く思えて、歯切れの良いワーナー移籍後のサウンドに比べると“なんだこれ?だっせ~ぇなぁ”って感じたように記憶しています。

ロッド・ステュワートも「ブロンズ・ハブ・モアファン(邦題「スーパースターはブロンドがお好き」とか言うタイトルが最悪でしたね)」以降急激な人気下降で、個人的にその音を耳にする機会も少なくなります。

個人的な復活のきっかけは、今から10年ほど前のアンプラグド・ライブ。そこでワーナー時代の代表曲に混じって演奏されたマーキュリー時代の曲が、どうも気になったんですね。
その後、マーキュリー盤の紙ジャケ化を聞きつけて、思わず買い揃えてビックリ!
改めて聞いてみるとスゴい名盤揃いでした。

特に、「ガソリン・アレイ」「エブリピクチャー・テルズ・ア・ストーリー(=写真)」の2作は甲乙つけがたい大傑作です。
要はブリティッシュ・トラッドの流れを組むメロディーとサウンドが、なんともオシャレでイカしているじゃないですか。ディランのカバーなんかもトラッド風にやっていて、オシャレ、オシャレの脱帽です。
ロッドのしゃがれ声も、その後のワーナー時代の産業ロック的バンドアンサンブルより断然こっちの方がフィットしている訳です。

あ~、若かりし頃の私はなんという浅はかなガキの判断だったことよ、とガクゼンとしました。
まさに「子供にゃ分かるまい」のロックここに極まれりだったわけです。

その後のロッドはと言えば、アメリカンスタンダード・シリーズで当てて見事復活。最近では、60~70年代ロックのカバー集とか出してガンバってます。
これはこれで悪くはないんだろうけど、個人的にはなんか“歌のオジサン”になっちゃったみたいで、ちょっとちがうかなぁ~って思ってます。

やっぱマーキュリー盤再現のあの音、あの雰囲気で、トラッドなムード一杯のライブを、ビルボード・ライブクラスの小さなハコで見たいですね。

ビジネスにも言えることですが、安っぽく作られた“擬似大人の世界”には、ガキがけっこう群がるのですが、ベースがしっかりした本物の“大人ノリ”にはガキはついてこれないものです。わが社もめざすはその路線。ターゲットは大人ですから、本物の大人にのみ感じ入ってもらえるサービス提供を心がけたいものです。