一昨年(2010年)からでしょうか、野球のストライク・ボールの呼び方に新しい方式が導入されました。わが国では、従来、ストライクを先に、ボールを後に呼ぶのが習わしでした。2ストライク・3ボールのように。一方、野球の宗主国アメリカを始めとしてアジア諸国もすべてボールを先に、ストライクを後に呼ぶ方式を採用しています。3ボール・2ストライクのように。世界的に見れば、ストライク・ボールの呼び方に二つの方式が並存していたわけです。これでは、例えば、国際試合では、どちらの方式を採用するか悩むことになります。ちなみに、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、ボールを先に、ストライクを後に呼ぶ方式を採っていました。
さて、何の力が働いたのか、また、言い出しっぺは誰だかわかりませんが、わが国でも、諸外国の(ボールを先に、ストライクを後に呼ぶ)方式を採用することが決まったのです。初めは、高校野球や社会人野球が新方式を採用しました。テレビのアナウンサーは最初戸惑っていましたが、やがて慣れました。次に、プロ野球も新方式を採用し、今では、新方式が定着しています。
ストライク・ボールの呼び方について、わが国の方式が生まれ・定着してきたのには、それなりの「いわれ」があったことと思います。今は、それは明らかでありませんが。
しかし、あえてわが国の方式を捨て、諸外国の方式に合わせたことにより、野球の国際的価値が数段高まったことは間違いないでしょう。
諸外国の(ボールを先に、ストライクを後に呼ぶ)方式の採用を推進した人たちは、大きな仕事を成し遂げたわけです。「統一できるところは統一する」という考え方が、「世界標準」を作り出すためには必要です。(2012/9)
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