静聴雨読

歴史文化を読み解く

定年後の過ごし方

2010-02-23 08:05:04 | Weblog
サラリーマンの多くが60歳で定年を迎える。その後、どのような生活を営むか、人それぞれで、興味深い。何人かの知人の例を挙げてみる。

Aさんは、定年を待っていたかのように、国際協力機構(JICA)の主催するシニア海外ボランティアに飛び出した。技術や技能を持つシニアを募って、主として、発展途上国に派遣する。彼は、コロンビアと中国に派遣された。現役時にメキシコや韓国に駐在した経験のある彼には海外生活は何ら違和感ないらしい。

奥さんは自分の好きなことを持っているが、彼の任地に旅行するのが楽しみになっているという。南米の小国や中国の内陸部はなかなか行く機会はなかろうから、彼の招待を進んで受けている。

Bさんは、首都圏に自宅と奥さんを置いたまま、京都に部屋を構えた。そこに隠棲してしまったわけではなく、首都圏と京都を行ったり来たりしている。
奥さんと仲が悪くなったのかと思ったが、そうではないらしい。京都の別宅に奥さんを招待したりしている。
奥さんはやはり、自分の趣味を持っていて、それで忙しくしている。

Cさんは、定年前に早期退職して、大学の教養学部に再入学して、勉強している。彼も、亡くなったお母さんの住宅を「隠れ家」と称して、時々勉強や研究のために、そこに籠もるらしい。
奥さんと仲が悪いわけではないが、一人になりたくなる時があるらしい。

Dさんは、定年後、両親の介護をするために、早々に首都圏の自宅を畳んで、故郷の九州に帰った。奥さんも行を共にした。
その後、お母さんを看取り、今は、お父さんの介護にあたっているという。

Eさんはまもなく定年を迎えるが、会社の嘱託再雇用に応じて、あと5年働くという。年金制度が変わり、60歳から64歳の間、老齢年金の基礎部分が給付されないので、厚生年金を補うため、低い給料に我慢して嘱託として働くのだという。私の世代にはなかった悩みだ。

その後は故郷に帰るかどうかは決めかねているという。首都圏で40年も生活すれば、首都圏に根付いてしまう。奥さんを同行させるのも難しい課題だという。これは、地方から首都圏に出て、そこで結婚した人が直面する共通の悩みのようだ。

こう見てくると、定年後の過ぎし方には、いくつかの判断基準があることが認められる。(カッコ内は私の場合)

その1 それまで考えていたことに飛び込む。研究、ボランティアなど。(研究)
その2 奥さんとの距離をどのように保つか? 付かず離れずか、同行か。(単身)
その3 親の介護が必要か否か。(必要)
その4 故郷に戻るか否か。(東京が故郷)
その5 さらに働くかどうか。(働かない)

このように、小さな悩みではあるが、人それぞれ悩みを抱えながら定年後を生きる。 (2010/2)



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