フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月25日(金) 晴れ

2009-12-26 02:09:54 | Weblog

  9時、起床。昨日の夕食の残りのテリーヌ、コーンポタージュスープ、トースト。昨日は食べ過ぎた。食後、久しぶりに三共胃腸薬を飲んで、しばらく横になっていた。今日は軽め軽めの食事で行こう。
  午後、初台の新国立劇場に「くるみ割り人形」を観に行く。2階正面の最前列の席。前の席の観客の頭が気にならないのがよい。群舞を観るには最適で、ダンサーの表情を観るにはオペラグラスを使う。「くるみ割り人形」は、以前、牧阿佐美バレエ団の公演で観たことがあるが、同じバレエ団で観た「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」に比べて、見劣りがした記憶がある。贔屓の伊藤友季子の演じる金平糖の精の出番が少なかったことと、途中休憩が一回だけの二幕物で「えっ、もう終わり?」という感じがしたからであろう。しかし、今回の新国立劇場バレエ団の公演を観て、私の中で「くるみ割り人形」の株が上がった。まず、クララ役の伊東真央。牧阿佐美バレエ団の公演では子ども(バレエスクールの生徒だろう)がクララを演じていたが、今日は大人のダンサーが踊った。でも、違和感はなかった。そしてクララの踊りの難易度は明らかに今日の方が高かった。たんなる狂言回しではなく、ダンサーの一人になっていた。次に、新国立劇場バレエ団のダンサーの層が厚いこと。クララ役をキュートに演じた伊東真央がコールドバレエであることからもそれはわかる。普通のバレエ団なら立派なソリストだろう。中国の寺島まゆみのコミカルなも踊りも印象に残った。金平糖の精の本島美和はとても華のあるダンサーである。バネをきかした踊りで、牧阿佐美バレエ団の青山季可に雰囲気が似ている。もう一つ、面白かったのは、冒頭、現代の都会から話が始まって、最後もそこに戻るという話になっていたところ。クララは現代の少女で、一種のタイムスリップを経験したということである。クリスマスの夜にふさわしいお洒落な演出である。


初台の商店街を歩く

  東京オペラシティのある初台は、私にとっては懐かしい街で、15年ほど前、放送大学から早稲田大学へ移るブランクの1年間、初台の駅前のマンションの一室にあった福祉社会研究所というとろこで週に3日働いていた。昼食を近所の蕎麦屋さんでとることがよくあって、そこの味噌煮込みうどんが美味しかった。今日、行ってみたらその蕎麦屋さんは健在で、夕方は5時半からということだったので、それまで商店街を歩いたり、喫茶店で珈琲を飲んで時間をつぶしてから、入ってみる。もちろん味噌煮込みうどんを注文したのだが、味は私が覚えているものとは少しばかり違っていた。もっとトロリとした食感があったのだが、意外にあっさりしりしている。味噌の種類や分量が変わったのだろうか。それと大根はサイの目に切ってあったはずで、その甘味と食感がよかったのだが、普通にスライスしてある。どうも肩透かしをくった感じだ。同窓会で、昔好きだった女の子に再会して「あれっ?」というのと似ている。ちょっと気落ちして帰りの電車に乗った。
  床屋に寄ってから、帰宅すると、函館のU夫妻から帆立貝が届いていた。クール宅急便の箱の中に、一体何個あるのかわからないほど、たくさん入っている。「おお!」と思わず声を上げる。


刺身、バター焼き、フライ・・・いろいろ楽しめそうだ。


12月24日(木) 晴れ

2009-12-25 01:45:00 | Weblog

  10時、起床。おでん、しらす、ご飯の朝食。午前中に床屋に行こうと考えていたのだが、その時間はなかった。11時半に家を出る。
  1時から現代人間論系の助手応募者への面接(二次審査)。4名の応募者に対して面接時間は一人15分から20分。質問は主として主任の私が行ったが、他に7名の教員が同席しての面接だったので、応募者は緊張したことと思う。
  引き続いて、夕方まで、教室会議。あれこれの議題があり、継続審議となったものもあり、新年早々、1月6日(水)に教室会議を開くことになった。勤勉なり、わが論系。
  今夜はクリマス・イブ。街はそれらしい気分に溢れている。慢性的な不況も格差社会も今日は考えないことにしようという感じだ。2009年の年の瀬である。後の世の人々は、2009年をどういう歴史の一頁として振り返るのだろうか。


我が家のクリスマス・ケーキ


12月23日(水) 晴れ

2009-12-24 02:14:46 | Weblog

  9時、起床。しらすご飯となめこの味噌汁の朝食。今日から冬休みだが、全然そんな感じがしない。明日、現代人間論系の助手応募者の面接と教室会議があり、明々後日は早稲田社会学会の理事会があり、その準備に追われている。冬休み気分に浸れるのは27日(日)以降だろう。
  愛用のショルダーバッグが行方不明になっていて、最初は家の中のどこかにあるはずと高をくくっていたのだが、どうも外出したときどこかの店に忘れてきたらいし。ブログを遡って、まずは先週の日曜日に行った釜飯の「梅Q」に電話をして、「黒いショルダーバッグの忘れ物はありませんか」と尋ねたら、「はい、ありますよ」と返ってきた。いきなりの大当たりである。あの日は、佐藤正午の小説『身の上話』をショルダーバッグに入れて散歩に出て、釜飯を待っている間に読んで、店を出るとき本だけを手に持って出てきてしまったのだ。もしもバッグの中に手帳とかデジカメとかが入っていれば、バッグを忘れてきたことにその日のうちに気づいたであろうが、生憎とバッグの中にはハンカチとティッシュしか入っていなかったので、忘れたことに気づかなかった(支障がなかった)のだ。「梅Q」のランチタイムの終る2時過ぎに引き取りにでかけ、ついでに「テラス・ドルチェ」で昼食(スパゲッティ・アラビアータと珈琲)をとる。


ナポリタンとの違いは辛いかどうかだけ?

  帰宅して、喫茶店にいるときに考えた年賀状の文章をパソコンで打ち、あれこれ推敲し、よしこれで行こうと決めて、160枚ほど印刷する。本文を印字した年賀状は妻に渡し、宛名印刷と絵付けを頼む。我が家はずっとこの役割分担パターンである。


我が家の小雀のことを書きました

 
雀の学校の生徒たちのことも書きました

欣喜雀躍の年になりますように!


12月22日(火) 晴れ

2009-12-23 12:01:44 | Weblog

  9時、起床。しらすご飯の朝食。普段の朝食はトースト派だが、それはご飯が嫌いなのではなくて、むしろ好きだからである。だから放っておくと朝昼晩三食ともご飯ということになりかねない。だから意識して朝食はトーストにしているのである(昼食や夕食も、外でとる場合は、半分くらいは麺にしている)。しかし冷蔵庫にしらすがあるときはどうしたってしらすご飯の朝食になる。しらす干しの場合はお茶漬けだが、釜揚げしらすの場合はご飯の上にたっぷりのせて少しばかりの醤油を垂らしてかき込むように食べる。


かき混ぜてもいいが、美しさは損なわれる

  昼から大学へ。蒲田と大森の間で、東海道線に車輌故障があったらしく、その影響で隣を走っている京浜東北線もしばらく動かない。3限の講義「現代人間論系総合講座2」の先生方に遅刻する旨をケータイで連絡。結局、30分の遅刻。
  4限は空き時間。雑用を片付けてから、大学の向かいの穴八幡へ一陽来復の御札を求めに行く。今日は冬至。お札を求めてたくさんの人がやってくる。


鳥居越しに馬場下の交差点を見る

  露店も多数出て活気がある。昼食がまだったので、露店の焼そばで腹ごしらえ。しかしそれだけでは物足りず、早稲田通りにあるサンドイッチ・カフェ「maruharu」でチキンカツのサンドイッチと珈琲。去年オープンしたテイクアウト中心の店だが、入るのは初めて。美味しいサンドイッチだ(バルサミコのドレッシングが効いている)。朝食がご飯のときは、ここで昼食というのがいいかもしれない。


パンはトーストにしてもらった

  5限は大学院の「質的調査法特論」。これが今年最後の授業。暖房機がうまく作動せず、寒かった。帰宅して柚子湯に入る。

  夜、ゼミ3次選考の結果を学生にメールで連絡。冬休みに入る前に全員の所属先が決まってよかった。もし3次選考も1次・2次同様に、ネットでの申請(それも択一式)でやっていたら、3次選考での選外や所属先未定のままで越年というケースが生じていただろう。学生の気持ちを考えたら、選外の経験は2度までが限度である。3次選考に回る学生は少数なのであるから、コンピューターではなく、論系主任がひとりひとりの学生とメール、電話、面談等で対応して、最適な配置をアレンジするという方式をどの論系もとるべきではないだろうか。


12月21日(月) 晴れ

2009-12-22 02:05:43 | Weblog

  8時、起床。バタートースト2枚、紅茶の朝食。いつもはトースト1枚なのだが、午前中に親不知の抜歯の可能性があり、そうなると昼食はまず食べられなくなるので、多目に食べたのであるが、医師と相談の結果、結局、抜歯は来年になった。
  昼食は「鈴文」のランチのとんかつ定食。とんかつはこれで今年の食べ納めだろうか。いや、まだ10日あるから、もう一度食べるかもしれない。駅前のディスカウント・チケットの店で『カールじいさんの空飛ぶ家』の前売り券(1300円)を購入し、キネカ大森に観に行く。アニメだが、愛読している「週刊文春」の映画評で評者5人がそろって高い評価をしていたので(これはめったにない事態である)、観てみようと思ったのだ。実際、よい作品だった。童心に帰るというのとは違う。むしろこの作品は子どもには難しいだろう。大人にしかわからない人生の味わいに満ちている。その意味では、『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!大人帝国の逆襲』に似たところがあるが、あちらは家族が主役だったが、こちらは老妻を亡くしたばかりの孤独な老人が主役である。思い出の中に生きる老人が冒険を通じて新しい仲間と出会う物語だ。1年の終わりに観るのにふさわしい作品だ。映画館を出て、暮れゆく街を歩きながら、来年も生きてゆこうと思える作品だ。大森駅に戻る途中の「エクセルシオール・カフェ」に寄って、ココアを注文し、映画館を出るときに購入したプログラムに目を通す。 


ゼミの課題作品にしよう

  蒲田に戻って、駅ビルの地下で釜揚げの白魚といくらを買って帰る。晩御飯はおでんだったが、おでんでご飯を一膳食べた後、ご飯を半分ほどお替りし、いくらをたっぷりのせて食べる。明日も生きてゆこうと思える美味しさだった。

  私は今日まで生きてみました
  
時には誰かの力を借りて
  
時には誰かにしがみついて
  
私は今日まで生きてみました
  
そして今 私は思っています
  
明日からも こうして生きてゆくだろうと
                          吉田拓郎「今日までそして明日から」より