フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月5日(土) 雨

2009-12-06 02:31:03 | Weblog

  9時、起床。オムレツ、トースト、紅茶の朝食。フィールドノートの更新をすませてから、明日の「清水幾太郎先生を偲ぶ会」で行う講演の内容を考える。学習院大学の清水幾太郎ゼミの卒業生の会で、去年初めて招かれて講演をした。今回は去年に続いて二度目の講演だ。「清水幾太郎と孤独の感覚」というタイトルは早くに伝えてあったのだが、レジュメをまだ作っていなかった。30分ほどの短い講演なので、A4判で2枚程度のもので十分である。頭の中で構成を考え(下案はできているので、それをもう少し緻密なものに)、話の筋道は立ったので、レジュメの作成は昼食をとってからにしようと、テイクアウトの鮨を買いに出る。
  出がけに階下の母に声をかけると、炬燵につっぷして寝ている。見ると左の手首のあたりに包帯をしている。どうしたのかと尋ねたら、うちの猫(はる)に噛まれたのだという。昨日、家に母しかいないとき、母が二階のリビングに入ったときに猫が廊下に出てしまった。猫をそのままにしては買物に出られない(書斎に侵入して雀を襲うかもしれない)ので、いやがる猫を捕まえてリビングに連れていこうとして噛まれたのだという。包帯をとって見せてもらうと、ずいぶんと地腫れがしている。今日は朝から少し熱があって食欲がないという。これは医者に診せにいかないとダメだと言うと、猫に噛まれたぐらいで医者に行くなんてと言う。馬鹿を言ってはいけない。拾った雀を小鳥の専門病院へ電車に乗って診せに行く私が、猫に噛まれた母親を病院へ連れて行かないということがあるだろうか。老いては子に従いなさい。ネットで土曜の午後も診療している病院を探して、蒲田の駅前商店街の中にあるT医院がやっていることがわかったので、電話をして、猫に噛まれたのだが診ていただけますかと尋ねると、診てくれるというので、雨の中、母と一緒に出かける。T医院は昔からある古い病院で、廊下には昔懐かしい体重計が置かれていた。


学校や銭湯にもあった

  受付をすませてほどなくして名前を呼ばれ整形外科の診察室に入る。医師は母の手を診て、「いまの時点では何ともいえませんが、これからもっと腫れがひどくなって化膿する恐れもあるので、抗生剤と消炎剤と胃薬を出します。月曜日に必ず診せに来てください。もし化膿していたら切開して膿を出します。猫に噛まれたくらいでと油断しないでください」と言った。ほらね、私が言ったとおりでしょ。処方された薬を医院の側の薬局で受け取って、最初の三錠を水をもらってその場で飲んでもらう。帰宅してしばらくしたら、母が書斎にやってきて、大分よくなってきたみたいだと言うので、それは薬に鎮痛と解熱の作用があるからで、治ったわけではないから、寝る前に2回目の薬を飲むのを忘れないように言う。そんなこんなで(母の口癖)、明日の講演用のレジュメ作りは深夜の作業になってしまった。