フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月10日(金) 晴れ

2020-01-12 14:28:14 | Weblog

9時半、起床。

お菓子と紅茶の朝食。この時点ですでに起床から1時間以上が経っており、12時に昼食をとる予定があるので、ちゃんとした朝食はとらない。

11時半に家を出て、南武線の矢向(やこう)へ。

卒業生のモモコさん(論系ゼミ9期生)と改札で待ち合わせ。昨日会ったハユさんとはゼミ同期で、当初、2人で会いに来る相談をしていたようだが、2人とも休みが不定期で日程の調整が難しく、来月になってしまいそうだったので、「単独でいらっしゃい」とアドバイスした。そうしたらすぐに日程が決まって、それぞれと新春カフェとなった。

線路脇の道を歩いて10分ほどで「パン日和あをや」に到着。

奥様と「今年もよろしくお願いします」のご挨拶。

二階の畳席を予約しておいた。

彼女は銀座の老舗の百貨店で働いている。普通のサラリーマンは9連休とかいっているが、年末年始の週末は出勤だった。ご苦労様です。

食前のドリンクはアップルタイザー。

本日のスープは蓮根と豚バラの酒粕ミルクスープ。クロワッさんを付けてもらった。スープはスープ単独よりもパンと一緒の方がより一層美味しいと私は思う。

「いただきます」

スープを一口飲んで、「美味しい!」と彼女が言った。そうでしょう、そうでしょう。ここはパンももちろん美味しいけれど、スープが美味しんです。

サーモンとアボカドとクリームチーズのサンドウィッチ。

冷たいドリンクの後は、暖かいドリンク。私はほうじ茶ミルクティ、彼女はチャイ。

お茶受けに「おじいちゃんのはちみつトースト」を注文。スープとパンが合うように、温かいドリンクとはちみつトーストは合うのである。

注文するとき、彼女は「ひとくちだけいただきます」と言っていたが、出てきたきつね色のトーストを見て、「半分いただきます」と言い直した(笑)。

「先生はフランスで長いこと暮らしていたに違いないとみんなで話していたのですが、そうですか?」と彼女が聞くので、「フランスに行ったことはあるけど、暮らしたことはありません」と答える。そのデマは一体どこから来たのかしら。「だってフランス人みたいに毎日カフェに行かれてますよね」と彼女。「ああ、そういうこと。実は、父方の祖父がフランス人なんです」と(誰でもわかりそうな)冗談で返すと、「えっ、そうなんですか!」と彼女が驚いた顔をした。素直すぎるな(笑)。この先、悪い男にだまされないかと心配になるよ。

私の現在の「カフェのある暮らし」は若い頃からのものではない。せいぜいこの7、8年。東日本大震災の少し後くらいからのものである。震災だけが原因ではないが、それといくつかの出来事が複合的にからみあって、ライフスタイルの見直しが行われた結果である、という話を手短にする。

私の話はそれくらいにして、彼女のライフスタイルについて話を聞いた。彼女には理想とするライフスタイルがある。でも、それをなかなか実現できずにいる。私は、最初、気軽にアドバイスをしていたが、彼女の話をよく聞いてみてわかったことは、私のライフスタイルが変化した要因も複合的だが、彼女のライフスタイルが変化しない要因も複合的であるということだ。私はつい先ほどまで気軽にアドバイスをしていた自分を恥じた。

いずれにしろライフスタイルの変化というのは一朝一夕にはいかない。少しずつ、できるところから始めていくほかはない。できるところとは、他者への影響が少なく、自分の一存でできるところからということである。たとえば、仕事中のお菓子のつまみ食いはほどほどにするとかね(笑)。

頑張って!

3時過ぎに店を出る。私はこれから大学で授業がある。

今日の彼女には一つ目標があったそうだ。「ポートレイトを照れずにちゃんと撮ってもらうこと」である。で、どうでした? 「まだまだです」と彼女は言った。こちらも一朝一夕にはいかないようである。でも、文机で絵本を読んでいるポートレイトを彼女は気に入ってくれたようである。

彼女とは川崎駅で別れた。私は東海道線、彼女は京急線。それぞれの生活に戻って行った。また、会いましょう。

5限・6限はゼミ。

1月のゼミは4年生のゼミ論概要報告。一人30分(質疑応答込み)で、毎回5、6名に報告してもらう。と同時に、この間に、ゼミ論集に載せるべくゼミ論の加筆・修正を行ってもらう。

休み時間のスイーツはおなじみのラスク。私はホワイトチョコレートでコーティングされたこれが好きである。

ゼミを定刻(7時45分)を終え、その後、研究室で雑用を片付けて、9時過ぎに大学を出る。

夕食は蒲田に着いて「松家カレー」で。

注文を済ませ、カウンター席の目の前の漫画本の棚が壮観である。

『七つの大罪』第一巻を手に取る(全部で40巻くらい並んでいる)。タイトルは聞いことがあるが、読んだことはない。

半分ほど読み進んだところで、注文した料理が運ばれてきた。サーロインステーキ・カレー(1000円)である。たぶんここでしか食べられないカレーである。

『七つの大罪』を読み切るためには何回通えばよいのかしら。

帰宅して夕刊を広げると、18日(土)午後2時から、早稲田大学小野記念会堂で開催される「小津安二郎大全刊行記念シンポジウム」の紹介記事が載っていた。

2時、就寝。