フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月10日(木) 曇り

2016-03-11 12:51:38 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ、紅茶の朝食。

9時に家に出て、大学へ。

10時から現代人間論系の教室会議。1時間半ほどで終了。

昼食は「五郎八」で。

鴨せいろを注文。

春学期の授業開始までに体重3キロ限という目標を設定したので、そうなると、蕎麦を食べる機会が増える。減量のことだけを考えるなら、鴨せいろではなく、ただのせいろがいいのだが、そういうわけにはいかない。

店の新聞を読んでいたら韓国の囲碁のトップ棋士である李九段とスーパーコンピューターを使った囲碁ソフト「アルファ碁」との5番勝負の第1局で、コンピューターが勝ったという記事が載っていた。「李九段が優勢とみられる局面もあったが、アルファ碁は勝負手を出して逆転。最後の寄せでも乱れず押し切った」とある。コンピューターはしらみつぶしに手を読むことが持ち味であるから「最後の寄せでも乱れず押し切った」というのは驚くに値しないが(乱れがあったらそれはプログラムにバグがあるということである)、劣勢な局面で「勝負手を出して逆転」というのには唸った。人間と同じじゃないか。劣勢な局面というのは普通に打っていたら負けてしまうという場面である。だからリスクはあるが(適切に応手されればさらに劣勢となり負けが早まる)、相手が応手を誤れば逆転できる手を打つということである。この場合、できるだけ相手が応手を謝りそうな悩ましい、怪しげな手を打つことが肝心だ。将棋でもそれは同じで、トップ棋士たちはそういうことに長けていた(米長邦雄の「泥沼流」や羽生善治の「羽生マジック」など)。一か八かの手を打つというのは、相手のミスに期待するということで、きわめて人間臭い行動であり、冷静沈着なコンピューターというイメージとは合わない。それとも、人間には「李九段が優勢」と見えていた局面は、実は、コンピューターから見ればそうではなく、せいぜい互角、もしかしたらすでに「李九段が劣勢」な局面で、「勝負手」も実は「勝負手」ではなく、勝利を決める冷静沈着に計算された一手だったのだろうか。コンピューターの「勝負手」に対して適切に応手すれば人間が勝っていたのかどうかは新聞記事からはわからないが、ここは重要なポイントである。どうなのだろう?

李九段は「対局を受け容れたことは後悔していない」と語っているそうだ。立派だ。残り4局で3勝を上げるのは大変そうだが、頑張ってほしい。

1時から36号館AV教室で現代人間論系の新2年生を対象にした科目登録ガイダンス。

主任の御子柴先生の説明のあと、各教員が一人3分ほど話をした。4月になったら教室で会いましょう。

研究室でゼミ論集の版下の作製。17人の学生のゼミ論(一人16頁)のほか、「はじめに」「目次」「一人一言」「編集後記」などを印字して、印刷・製本業者に渡す版下とする。

たた個々のファイルを印字するだけなら、それほどの時間はかからないはずなのだが、そういうわけにはいかない。印字してみて、初めて気づくミスというものがあるのである。たとえば、ページ番号のフォントのサイズが違っているとか。ワードで作成しているので、フォントはセンチュリーでサイズは10.5ポイントと初期設定されているはずなのだが、それが明朝になっていたり、11ポイントになっていたりする。わざわざそういう設定に変更したとは思えないので、なにかの拍子にそうなってしまったのだろうが、一体、どんな拍子でそうなるのだろう(笑)。他のゼミ論に比べて論文タイトルの位置がほんのわずか下がっているなと思ったら、一行目に書くことになっている論文タイトルが二行目になっている(タイトルの前に一行の空白行が挿入されている)。やれやれ、16頁分印字し直しである。そのほか、図表の文字にカラーが使われていて、モノクロ印字では薄くなって見にくいので、色を黒に変更するなどの手直しも必要だ。実はこうしたチェックはこれまでの何段階かのチェックで修正されているはずであるのだが、結局、最後に落穂拾いのように私がコツコツ修正作業をしなければならないのである。これは毎年のことである。

おまけに研究室のプリンターで全部印字するのだが、内部が熱を帯びてくるせいだろうか、だんだん紙詰まりが起きやすくなり、そのたびに作業を中断し、機械を冷やしてからの作業再開となるので、時間がかかる。一度、トナー部分を取り外して、それを再装着するときに、ガンと少々乱暴に扱ったら、部品の一部が外れてしまい、プリンターが作動しなくなった。幸い、壊れたのではなく、外れただけだったので事なきを得たが、冷や汗をかいた。

途中、過熱したプリンターを冷やす時間を使って、食事に出る。

「メルシー」に行く。

チャーハンを注文。美味し。強火で炒められたポロポロしたチャーハンにラーメンスープを掛けて食べるのが一番美味しい食べ方である。

8時半までかかって、全頁の印字が終わる。週末にかけて最後の最後のチェックをして月曜日に業者に渡すことになっている。

研究室を出たのは9時。

地下鉄のホームのベンチが新しくなっていた。ベンチの数も増えた。

一部の椅子には杖を置くため(?)の切れ込みが入っている。芸が細かいね。

10時、帰宅。