ヌマンタの書斎

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胡散臭いEV報道

2023-12-19 14:45:35 | 経済・金融・税制

呆れてしまうのだが、未だに「日本車はEV化が遅れている」と口にする専門家様がいることだ。

既にEUでもEV車は人気が急落して、替わりにハイブリッド車が爆売れしている。国策でEV化を推進していたシナでさえ大量のEV車墓場がニュースで報じられている。

正直、世界におけるEV車の惨状を知っていれば、恥ずかしくて書けないレベルの記事である。ここまで酷いと、なにか裏があるのではと勘繰りたくなる。だが、なにも証拠はないし、邪推だけで批難するのも価値がない。

そもそも何故にEV車の普及が課題とされたのかといえば、表向けの理由は地球温暖化対策である。すなわち化石燃料を燃焼させる現行の自動車のエンジンは、地球の温暖化を加速化させて人類を危機に追いやる。だからこそEV車に切り替えて、少しでも地球温暖化を阻止する努力をすべきだと。

実はもうこの段階で、EV化推進方針は怪しい。まず地球の温暖化が進んでいる、これは事実である。しかし、現在の地球は寒冷期にあたり、一時的な気温変動に過ぎない可能性が十分検証されている訳ではない。参考までに温暖期の地球では、北極及び南極に万年氷がない状態を指す。そして今も極地から氷が消えたことはないのが寒冷期であるなによりの証拠である。

次に温暖化の原因として化石燃料の活用による二酸化炭素の排出が挙げられているが、そのうちガソリンエンジン搭載の車による影響がどの程度なのかさえ十分検証されていない。本気で温暖化防止を進めるならば、家畜の排せつ物から出るメタンガスも考慮すべきだが、多くの加盟国が農業大国である事情からか無視している。

EUによるEV車強要の背景にあるのは、日本車排斥であることは当初から噂されていた。これは現在最も現実的なガソリン燃焼抑制につながるハイブリッド車の特許が日本メーカーに牛耳られているからこそ、殊更EV車に拘ったらしい。

もっとも皮肉なことにEV車については、シナのメーカーが先行してしまいEU圏内のメーカーが立ち後れて本末転倒の事態に追い込まれている始末。遂にはBMW社やVW社の社長自らEV車一辺倒の開発を止めると宣言される惨状。

呆れたことにEU委員会は、未だにEV車への強制変更の方針を変える決断が出来ずにいる。既に足元から叛旗が翻っていることを無視しているのに、官僚的頑なさから方針変更が出来ない愚かさを露呈している。

ただ勘違いしてはいけないのだが、温暖化以上に危機的な原油の枯渇問題は、徐々に現実化している。原油は現代文明にとって血液と言ってもおかしくない必需品であり、原油の枯渇は文明の死活問題となる。だから代替エネルギーの開発は責務ではあるが、現時点では主にコストの問題から原油以上のエネルギー源は実用的ではない。

EV車は原油の枯渇を考えれば、極めて現実的な解決策の一つであるだけに、EU委員会の独善的な施策により失敗したかのように思われるのは残念である。バッテリーも問題もさることながら、ガソリンスタンドのように気軽に充電できる環境が構築されれば、非常に有効な解決策であることも確かだ。

ただし、現状では課題が多すぎて実用的ではない。だからこそ欧州の人々、特にEV化の先頭を走っていたノルウェーでハイブリッド車が爆売れしているのだろう。やはり、まだ早すぎた施策なのだと思う。

そんな現状を専門家様が知らないはずがない。それなのに「日本はEV化が遅れている」なんて平然と口にすることが私には不思議でしょうがありません。

 


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