ヌマンタの書斎

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定額減税に思うこと

2024-04-03 10:59:15 | 経済・金融・税制

愚者は同じ誤りを繰り返す。

令和6年6月より岸田内閣の肝いりの景気対策として定額減税が施行されます。所得税が一人3万円、住民税1万円で月々の給与から控除される形式で実施されます。要は煩雑な事務手続きは民間任せ。役所の負担が少ない、お手軽減税制度です。

私は当初、この減税策の資料を読んだ際、思わず「低額減税か?」とぼやいたくらいしみったれた景気浮揚策です。大体想像つくと思いますが、この定額減税の導入で景気が浮揚することはまずないでしょう。

岸田政権というか財務省のケチぶりが鼻につきますが、敢えて書きますと新聞やTVの無能ぶりも腹が立ちます。どうせマスコミ各社の出世コースである霞が関の官庁担当の記者主導の政府広報記事でしょうから、批判的な内容など書けないのは承知しています。でも、せめて論評くらい出せと言いたくなります。

実は平成10年にも似たような減税政策で景気浮揚を狙ったことがあります。うろ覚えですが、一人5万円程度だったと思いますが、結果からするとまるで景気浮揚効果が図れなかった愚策でした。仕方なく平成11年に定率減税(一人25万円)をやらざる得なくなったのです。で、マスコミ様はもう忘れたのでしょうかね。

なによりも財務省が忘れているのが腹立たしい。いや、今回の定額減税は平成10年のものをパクったものですから、忘れていた訳ではないでしょう。忘れていたのは、少額の定額減税なんて景気浮揚策としては効果が乏しいことでしょう。

正確には、失敗した政策であることを認識しなかった役人の逃避行動であったと思います。役人の人事考課は減点主義なので、可能な限り失敗は認めない、認めようとしないのは今も昔も変わることのない。民主主義社会では、このような政府の失策を批難するのがマスコミの重要な役割です。

しかし、記者クラブで安穏として、決して自主的に役所を批難する記事を書かずに、あくまで事なかれ主義に染まっていれば出世できる記者様は、マスコミの重要な役割よりも自らの立身出世を優先します。その結果、役所は失策を認識せずに済ませてしまえる。

政策を立案する役人も、官庁担当の記者様も学業優秀なエリート様のはずですが、やるべきことを避けて保身に走る日本のエリート様の伝統を立派に引き継いでいらっしゃる。おそらくですが、令和7年には、もう少しましな景気浮揚策を打ち出すだろうと予測しています。ただし、それまで岸田政権が持つかどうかにもよりますがね。


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2 コメント

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Unknown (しろぎつね)
2024-04-03 20:04:20
ヌマンタさん、こんばんは。
今回の定額減税ですが、噂では再エネ賦課金の値上げと社会保険料の上乗せで、よくて行ってこいになるそうです。
確かに減税していて増税してないですけどね。
可処分所得は上がってないですよ>政府
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Unknown (ヌマンタ)
2024-04-06 14:28:12
しろぎつねさん、こんにちは。社会保険は毎年地味に上がっていますが、なぜか例年国会を素通りしていました。今年はさすがに野党が突っ込んでいますが、まるで迫力不足、勉強不測。このあたりを真剣に追及できれば、少しは国民のためになると評価されるのですけどねェ。
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