ヌマンタの書斎

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オスプレイの残すもの

2023-12-20 09:54:02 | 社会・政治・一般

挑戦に失敗はつきものだ。

失敗に失敗を重ねて欠点が判明し、その改善を繰り返すことにより完成品となる。その代表がヘリコプターであった。朝鮮戦争末期に登場したシコルスキー製の見慣れぬ航空機は、飛行機に必須であった飛行場を必要としない。

この利点ゆえに、当初は怪我人の救出に使われたが、現場でその活躍をみた軍人たちは無限の可能性に気が付いた。偵察から攻撃まで多彩な活用により戦闘を有利に運べることが可能だと気が付いたからこそ、20世紀後半はヘリコプター抜きでの戦争は考えられなくなった。

しかし、その一方で初めて開発、運用された航空機だけにトラブルは多発した。アメリカでもソ連でも、ヘリコプターは数多開発されたが、実用化されずに失敗機として終わった期待は数知れずだ。また実戦登用されても、墜落等による事故はなかなか減らなかった。

その原因として考えられたのが、まず複雑な動力伝達機構からくるメンテナンスの難しさ。航空機といっても通常の飛行機とは全く異なる操縦法に対応しきれないパイロット。そしてその運用の多彩さゆえに過酷な状況下で使われるが故のトラブル。

現在、当たり前のように飛んでいるヘリコプターだが、その過去には数多くの失敗、事故の積み重ねがあってこそである。それゆえにヘリコプターを開発製造できる国は極めて限られている。第二次世界大戦末期にドイツで開発はされたが、実際に実用化に成功したのはアメリカだ。そしてイギリス、フランス、イタリア、ソ連と続いたが、現代でも一から開発出来る国は少ない。

ちなみに我が国もライセンス生産をしているが、近い将来なくなるかもしれない。実際、自衛隊でも必要性を認めつつ、割高な国産に拘ることを改める傾向にある。

ヘリコプターは便利な機体ではあるが、欠点も多い。なかでも飛行速度が遅いことと、飛行距離が短いことが問題だった。そこで開発されたのが垂直離発着が可能なうえに、水平飛行も通常の航空機並みの速度を得られ、飛行距離も長いオスプレイの実用化は夢の実現であった。

しかし、やはり初めて実用化されただけに事故の多さが目立つ。そして何よりも調達価額が高すぎた。アメリカ軍以外では唯一日本だけが購入している。離島を数多く持つ海洋大国である日本にとって、垂直離発着が出来て、なおかつ飛行距離が長いオスプレイは理想の航空機であったからだ。でも一機当たり130億円はあまりに高いのも事実。

遂にボーイング社はオスプレイを2026年で製造中止と発表した。その代わりではないが、ベル社がV280バローを発表し、既にアメリカ陸軍が調達を決定している。オスプレイよりも小型ではあるが、より改良された機体との触れ込みである。

アメリカは長年使ってきたブラックホークの後継として考えているようだ。いささか小型化されたのは残念だが、いずれ日本にも採用される可能性は高いと私はみている。一部のマスコミ様は執拗にオスプレイは欠陥機であり、沖縄配備反対だと騒いでいる。しかし離島を多く抱える日本にとって、オスプレイのような性能を持つ航空機こそ防衛に適している。

ただ西太平洋を狙っているシナには目障りこの上ない航空機なのは確か。だからこそ日本には必要不可欠だと私は考えます。出来たらオスプレイのライセンス生産を日本国内でやってくれるとありがたいのですが、財務省に媚び媚の現首相様では無理でしょうねェ。

 


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