ヌマンタの書斎

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プロレスってさ 船木誠勝

2024-06-26 09:26:56 | スポーツ

真面目な人って突然切れるから怖い。

そんな生きた実例が新日本プロレス育ちで、のちのパンクラスや藤原組で活躍した船木誠勝だと思う。私が主に観ていたのは、1980年代中盤の新日本プロレスの前座の試合だった。野上らと組んでの試合はスピーディーでありながらパワーも感じさせる活気のある試合だった。

彼はバランスが良かった。鍛え上げた筋肉が不自然ではなく、動きも滑らかで、跳躍力もある。そして何よりも顔立ちが良かった。顔立ちの良さは善玉レスラーとして必須の項目であり、未来のエース候補だと思っていた。

ただ身長が180前半なので、ヘビー級としてはいささか物足りなさを感じたが、同じくらいの身長の藤波辰爾が成功しているので、彼の後継者として新日本プロレスはかなり期待していました。ただ彼は良くも悪くも真面目であった。

当時はUWF勢がプロレスに格闘技色を強く打ち出しており、そのことに強く影響を受けていた。新日の道場では、本気での技の決めっこが藤原や木戸、前田らが主導しており、坂口や長州ら格闘技出身者は煙たがっていた。

柔道やアマレスを徹底的にやりこんだ坂口らにすると、道場での本気の関節技の決め合いなんて今更やる気にはなれなかったのだろう。実際、柔道では国体に出場し国際試合の選抜選手の経験もある武藤は、当時若手ではあったが道場での本気の技の決め合いで一度も負けていないと事も無げに吐き捨てる。

数千人の柔道選手の中で揉まれてきた武藤からすると、たいしたことには思えなかったのだろう。しかし、格闘技の経験が浅い船木は違った。強くなりたくてプロレス入りしたのだから、練習しなければ強くなれないと藤原らに積極的に師事していた。アマレス歴のある山田(後のライガー)や鈴木も同様であった。

だからだと思うが、当時の新日の上野毛道場は殺伐としていた。小学生の頃から何度か見学にいっていた私でも、あの頃の危ない雰囲気には気が付いていた。特にスパークリングというか、関節技の決めっこが怖かった。

藤原や木戸などのベテランは淡々とやっていたが、若手になると半ば喧嘩腰である。それでも最後は互いに座って礼を交わす。それなら安心できたが、ごくまれにそうならない場合があったと思う。礼を交わすふりをしているが、明らかに目つきがおかしい。

有名なのは山田恵一が藤原にガチ切れして殴り掛かった事件だが、船木もけっこう怪しかった。いや、私が実際に視たなかでは、目つきの危なさは前田と船木が一番ヤバく感じた。ただし道場で切れた話は聞いたことがない。

思えば彼らは根は真面目というか、一心不乱に強くなることを願っていた。ただ前田は関西では有名な不良であったから、ある意味場慣れしていた。しかし、故郷の青森の中学校卒業後いきなりプロレス入りした船木は、不良ではない分、極端であったと思う。

船木はその後、イギリス遠征中にUWF入りを週刊プロレス誌で公言し、のちに藤原組そしてパンクラスと格闘技路線へ向かう。たしかその時にあるお笑い芸人に切れた事件があったと記憶している。詳細は知らないが、真面目が故に許せないことがあったのだろうと想像している。

そう、真面目な奴って案外と怖い。私は十代の頃、あまりに真面目過ぎる奴には警戒するようにしていた。ホント、突然ブチ切れるのだから困る。もう喧嘩をする年ではないからこそ、改めて思う。もう危ない奴には近づきたくないな、と。

ちなみにYOUーTubuで番組を持っているプロレスラーで私が面白いと思っているのがライガー(山田恵一)と船木誠勝です。特に船木は穏やかで理論的な話しぶりながら、時折激情を押し隠すような発言があり、やはり危ない人だったのだと納得しています。でも一番常識を感じさせる人でもあるのですから興味深いと思います。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みゆきん)
2024-06-26 13:05:21
この写真て現在の?
だとしたら鍛えてるね
凄いわ
仮面ライダー真っ青
若い頃はもっとカッコ良かっただろうね♡
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Unknown (ヌマンタ)
2024-06-27 09:10:29
みゆきんさん、こんにちは。多分5年くらい前の写真だと思います。それでもあの鍛え方はヤバいです。ちなみに若い時はロン毛にしていた時もありましたよ。
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