ヌマンタの書斎

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少子化の怖さ

2024-06-24 09:14:53 | 社会・政治・一般

日本の軍隊は強いのかと問われると答えに窮する。

兵士の教育練度は高い。日本では各地方で自衛隊の募集拠点があり、各高校に生徒の斡旋を依頼している。ちなみにそれを妨害するのは平和ボケした左派活動家である。もっとも阪神淡路大震災や東日本大震災により、自衛隊が国民を守るために泥まみれで奮闘している姿を直に見た人たちから、劇的に評価が上がったのは確かだ。

なにせ世界最強の軍隊を有するアメリカ軍の最大の悩みは、基礎的な教育程度が低い兵士たちである。とりわけハイテク兵器の多くは、高度な知的訓練を前提にしている。だが多くの下級兵はそれに対応でしない。そこでPMC(民間軍事会社)を利用しているのは隠せぬ事実である。

もっとも日本でもあまり偏差値の高くない高校の卒業生が、最後の伝手で自衛隊を選ぶことも多く、その教育練度はさほど高くない。それでもアメリカよりはマシらしい。しかし一度訓練を受けた自衛隊の兵士の質は高く、アメリカ軍などは高く評価している。

近年アメリカが日本の軍隊との共同訓練を増やし、共同作戦に組み込む準備をしているのも決して故なき事ではない。これは十分警戒するべきことだと思うが、何故だか憲法9条信者たちは、あまり問題にしてこない。日本の若者たちが最前線に使われる可能性が高いというのに、護憲護憲って馬鹿じゃなかろうかと思う。

現在も少子化は進行中であり、特に都市部で著しい。子供が減って来れば、親はどうしたって子が軍隊に入るのを恐れる。特に一人っ子世帯が多い以上、命の危険のある軍隊(自衛隊)に子供を入れたいと願う親は少なくない。

それだけではない。子供の数が少ないと、必然的に子供同士の喧嘩が減ってくる。親も教師も喧嘩を避けさせる。結果的に喧嘩下手な子供が増えた。本当に喧嘩が上手な子供は、単に力任せに勝つばかりでなく、負けた相手を子分に仕立てる状況を作り出す。そうして手下を増やし、自分の立場を有利にもっていく。

ところが少子化が進み、子供同士の喧嘩が減ると、ケンカを上手に納められるガキ大将が減少した。単に粗暴なだけで、暴力への恐れだけで周囲を屈服させるだけの喧嘩下手な子供が増えた。この傾向は学年が上がっても変らない。

男子限定だが、腕っ節の強さだけで親分を気取れるのはせいぜい中学から高校までで、そのころから運動の秀でた者や勉学に優れた者が周囲から認められるようになる。私が子供の頃は、腕っ節の強いガキ大将タイプと勉学が出来るタイプは上手く棲み分けをして上手にやり繰りしていた。

ところが最近の子は、争うことは出来ても、争いを上手くまとめるのが凄く下手になっている。これだと集団としてのまとまりは保てない。手前みそだが、私が高校の時は勉学(だけ・・・)優秀な私と、運動に秀でたガキ大将兼いじめっ子(苦笑するしかない)のMとでグループをまとめ、クラス最大派閥を作って仕切っていた。もうやりたい放題である。

他にも派閥はあったが、私らの派閥が強かったのは、たいして勉強もスポーツも出来ない連中をも取り込んでいたからだ。数は力であり、多数決に逆らうのは難しい。政治とは力であり、民主主義においては数の横暴こそ最大の力だと思っていた。

しかし、今はどうだろう。何より子供の数が少なく、無理に学校に通わなくてよいと優しい虐待をする親が珍しくない。先生も学校という箱庭で、暴力なき理想郷を築き上げて満足している。困難な状況を生き抜く知恵を学べる環境は昔よりも悪化していると思う。

昔から争いは起こすよりも、納めるほうが難しいとされた。これは、いくら学校で優秀な成績を上げても身に付く能力ではない。子供時代の経験が大きくものをいう能力なのだ。だからこそ、優秀な成績で防衛省や外務省に入ったエリートさんたちは、昔に比べて争いごとを納めるのが下手になっているように思えてならない。

いくら末端の兵士が優秀でも、それを率いる将官クラスの人間がケンカ下手だと、本当の意味で強い軍隊は作れないと思うのです。

なお最後に一言。日本政府は正面装備(戦闘機、イージス艦、軽空母)ばかりに金をかけず、自衛隊の福利厚生施設に資金を投じろ。あんなボロ屋に兵隊住ませて、貧相な生活を強要するんじゃない。ますます人員不足になるぞ。


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