ヌマンタの書斎

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会議室にクマはいない

2024-06-19 09:15:31 | 社会・政治・一般

昨今、日本中で多発する熊による被害を拡大したいのが日本政府だ。

ヒグマはもちろん、一回り小型のツキノワグマでさえ拳銃や散弾銃では倒せない。必然的にクマを狩る場合に使用するのはライフル銃かハーフライフル銃となる。

ところが今年になり、ライフル銃及びハーフライフル銃に対する規制が強化された。現状、これらの銃器を保有するのは、長年クマの駆除に貢献してきた猟友会のハンターたちである。そして、猟友会のメンバーは高齢化により年々減少しているのは時折報道されている。

具体的には、現在は狩猟免許の取得後すぐに所持することができるハーフライフル銃について、許可の基準をライフル銃と同じ、『猟銃を10年以上継続して所持している人』などに限定するとしています。

ただでさえ銃規制は厳しくなり、特に威力のあるライフル銃などは規制強化され保有することさえ難しくなっている。競技などで使われる散弾銃などは比較的容易に保有が許可されるが、クレー射撃や野鳥撃ちには使えてもクマには通用しない。

クマの被害が拡大しているにもかかわらず、平然とその被害を食い止める唯一の手段である猟銃による駆除を、意図的に減らそうとする政府(まぁ警察ですね)には呆れてものが言えない。ちなみに警官が使用する拳銃なんて、クマにとっては豆鉄砲程度だ。

比較的所有者の多い散弾銃でも、クマは嫌がる程度で死にはしない。一部の自治体でやっている罠で捕獲したクマに辛いスプレーで痛めつけるのなんてもって数か月。空腹になれば再び人里に降りてくる。

さすがにヒグマの被害が馬鹿に出来ない北海道限定で、10年以上の猟銃保有条件が緩和されたが、本州のツキノワグマは怖くないと思っているのか、規制緩和は許されなかった。

一応、参考までに書いておくと自衛隊では連射が可能な小銃を保有しているが、書類の申請や上官の許可など多層的な制限があり、クマの被害に即応できる体制にない。その上、対クマ狙撃の訓練もないので、一般的なハンターに遠く及ばない。いや狙撃の実力は高いが、山や森林のなかでクマと対峙するような訓練はやっていない。いわば素人ハンターである。

ただでさえヴェテランのハンターが高齢化により引退し、後継の若いハンターが育っていない現状である。それに輪をかけてハーフライフルの所有制限を掛けようとするあたり、日本の警察が国民の安全よりも、武器が自分たちに向けられる恐怖を軽減しようと規制強化したい本音が透けてみえるのが興味深い。

幸いにして、国民の安全よりも自分が如何に権力の座に長くしがみ付けるかに関心が高い岸田内閣なので、警察もハーフライフル規制がやりやすいのだろう。日本政府というか警察のエリート官僚様たちが、クマに脅かされる可能性はないので、このようなハーフライフル規制強化が平然と出来るのでしょう。

まぁ、クマが霞が関の官庁街に出没することはないので実感がないのは分かりますけど、想像力ってないのかな。たった一人でいいから、高級官僚様あるいはその家族がクマに襲われて初めて真剣に対策を考えるのでしょうね。

コメント (4)
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